「ジーグフェルド・フォリーズ」(原題は “Ziegfeld Follies” )は、1946年に公開された映画。
MGMで多くのミュージカル映画の傑作を作ったプロデューサー、アーサー・フリードがブロードウェイのレヴューの形式で作った映画。
MGMが力をかけた映画で、興行的に成功した。
フレッド・アステア、ジーン・ケリー、ジュディ・ガーランドをはじめとするスターによる歌、踊り、寸劇等を観ることができる。
豪華な背景、衣装も見どころ。

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- 「ジーグフェルド・フォリーズ」とは
- 映画「ジーグフェルド・フォリーズ」の構成
- “Here’s to the Girls”
- 「水のバレエ」 “Water Ballet”
- 「ナンバー・プリーズ」 “Number Please”
- 「椿姫」 “Traviata”
- 「2ドル払ってくれ」 “Pay the two dollars”
- “This Heart of Mine”
- 宝くじの話 “A Sweepstakes Ticket”
- 「愛」 “Love”
- 「テレビの初期」 “When Television Comes”
- 「ライムハウス・ブルース」 “Limehouse Blues”
- 「偉大な女性のインタビュー」のA Great Lady Has “An Interview”
- “The Babbitt and the Bromide”
- 「美」 “Beauty”
- 「ジーグフェルド・フォリーズ」のDVD、Blu-ray
「ジーグフェルド・フォリーズ」とは
「ジーグフェルド・フォリーズ」とは、フロレンツ・ジーグフェルド(1867~1932年)が製作したブロードウェイのレヴュー。
1907年に第1弾が上演されてから、1年に1本製作された。
映画「ジーグフェルド・フォリーズ」は、亡くなって天国にいるジーグフェルドが、新たにジーグフェルド・フォリーズを構想してできたものというかたちになっている。
天国にいるジーグフェルドを演じているロバート・パウエルは、1936年に公開された伝記映画「巨星ジーグフェルド」でもジーグフェルドを演じていた。

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映画「ジーグフェルド・フォリーズ」の構成
映画「ジーグフェルド・フォリーズ」の構成は、映画としては特異な構成になっている。
多くの映画は、一つの話を展開する。
映画「ジーグフェルド・フォリーズ」は、それぞれ独立した歌、踊り、寸劇が次々と出て来る。
天国にいるフロレンツ・ジーグフェルドが構想したということはあるが、フロレンツ・ジーグフェルドが出て来るのははじめだけ。
多くの映画のように統一された作品を期待しても、満足することはできない。
相互に独立した歌とか、踊りとか、寸劇とかが並んでいるものとみなくてはならない。
“Here’s to the Girls”
まずフレッド・アステアが出て来て、ジーグフェルドは女性を美しくしたと言って、歌い、少し踊ると、ジーグフェルド風の女性が次々と出て来る。
そこで出て来たシド・チャリースとフレッド・アステアが少しからむ。
ルシル・ボールの踊りなどもある。
「水のバレエ」 “Water Ballet”
エスター・ウィリアムズが水の中で踊る。

ブロマイド写真★エスター・ウィリアムズ/プールサイドで水着
「ナンバー・プリーズ」 “Number Please”
キーナン・ウィン(Keenan Wynn)によるコメディー。
電話をかけても、なぜかつながらない。
「椿姫」 “Traviata”
ヴェルディのオペラ「椿姫」の「乾杯の歌」を、ジェームズ・メルトンとマリオン・ベルが歌い、大勢で踊る。
豪華な背景、豪華な衣装。
振り付けはユージーン・ローリング。
「2ドル払ってくれ」 “Pay the two dollars”
ヴィクター・ムーアとエドワード・アーノルドによるコメディー。
ヴィクター・ムーア演ずる人物は、電車の中につばを吐いたということで、警察から罰金2ドルを言い渡される。
ところが、エドワード・アーノルド演ずる弁護士は自信満々で、2ドル払わなくてもいい、法廷で勝ってみせるという。
しかし事態はどんどん悪くなっていく…
“This Heart of Mine”
フレッド・アステアとルシル・ブレマーのダンス。
豪華なパーティに招かれた客のような顔をして入ってきたフレッド・アステアは泥棒。
パーティ客の一人の女性ルシル・ブレマーに狙いを定めて、二人で外で踊る。
フレッド・アステアとルシル・ブレマーの陶酔させるようなダンス。豪華な背景。
作曲はハリー・ウォレン、作詞はプロデューサーのアーサー・フリード。
宝くじの話 “A Sweepstakes Ticket”
平凡な夫婦が買った宝くじが当たったが、大家に家賃の代わりに渡してしまっていたという話。
主婦を演ずるファニー・ブライスは、ブロードウェイのジーグフェルド・フォリーズにも出ていた人。(バーブラ・ストライサンド主演のミュージカル「ファニー・ガール」のもとになった人でもある)
監督はロイ・デル・ルース。
「愛」 “Love”
レナ・ホーンの歌。
監督はレミュエル・レアーズ(Lemuel Ayers)
「テレビの初期」 “When Television Comes”
コメディアンのレッド・スケルトンによるコメディー。
テレビでジンの宣伝をするが、どんどん酔っぱらって…
「ライムハウス・ブルース」 “Limehouse Blues”
フレッド・アステアとルシル・ブレマー。
霧の立ち込める薄暗いチャイナタウンを歩いていた黒い服の中国人(フレッド・アステア)は、チャイナドレスを着た若い女性に目を奪われるが…
D.W.グリフィス監督の映画「散りゆく花」( “Broken Blossom” )の世界観。

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フレッド・アステアが演ずる中国人は、「散り行く花」でリチャード・バーセルメスが演じた中国人青年のよう。
その青年の夢がバレエで表現される。
その背景美術は凝っている。―赤と青、「陰影」
フィリップ・ブレイアム作曲、ダグラス・ファーバー作詞。
「偉大な女性のインタビュー」のA Great Lady Has “An Interview”
大物女優が話を聞きに来た多くの記者に答える。
その大物女優をジュディ・ガーランドが演じている。
次の出演作は、安全ピンを発明した「偉人」クレマトン夫人の映画であるということから、クレマトン夫人の歌、踊りになる。
作曲ロジャー・イーデンス、作詞ケイ・トンプソン。(いずれもアーサー・フリードユニットの重要人物であり、ジュディ・ガーランドを育て支えた人)
おかしなことをまじめにやっているというような歌。
振り付けはチャールズ・ウォルターズ。
“The Babbitt and the Bromide”
フレッド・アステアとジーン・ケリー、二人のダンス。
二人のスターの数少ない共演。
ベンチでフレッド・アステアとジーン・ケリーが出くわして、言葉を交わした後、二人でタップダンス。
「美」 “Beauty”
キャスリン・グレイソンの歌。
ハリー・ウォレン作曲、アーサー・フリード作詞。
泡に囲まれた異様な世界とか、背景が凝っている。
「ジーグフェルド・フォリーズ」のDVD、Blu-ray
日本語版としては、DVDが出ている。

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英語版ではBlu-rayが出ている。

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