1935年に公開された映画「ロバータ」( “Roberta” )は、1933年にジェローム・カーンが作曲、オットー・ハーバックが作詞・脚本を担当したブロードウェイのミュージカルをもとにして作られたものである。
フレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズの共演3作目。
2人のダンスの中で最高のもののひとつ。
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「ロバータ」のストーリー
アメリカ人男性(ランドルフ・スコット)がパリで高級なドレスを作っている伯母のところへ来るという話である。
ドレス
その伯母の仕事で、女性が高級ドレスを着て出てくる場面が多くある。
音楽つきのファッションショーが重要な場面になっている。
恋愛物語
そのアメリカ人男性と、その伯母の家にいた女性(アイリーン・ダン)とが、惹かれ合ったり、すれ違ったりすることが話の中心となっている。
フレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズ
フレッド・アステアもジンジャー・ロジャーズも話の中心ではない。
フレッド・アステアはその男性の友人、ジンジャー・ロジャーズはその伯母の家に来ていた女性で、2人は実はその前にアメリカで親しくしていた、という設定である。
2人が話の中心ではないこと、2人が悪友のような関係であることなど、「空中レビュー時代」に近い。
ただし「空中レビュー時代」では、2人は主役の3人の後にされていたが、「ロバータ」では、2人はアイリーン・ダンとともにはじめに並べられていて、ランドルフ・スコットはその後にされている。
「煙が目にしみる」
「ロバータ」の1番の売りは「煙が目にしみる」(”Smoke Gets in Your Eyes”)である。
はじめブロードウェイミュージカル「ロバータ」はそれほど高く評価されていなかったが、「煙が目にしみる」 が大ヒットして、「ロバ―タ」もヒットしたと言われている。
「煙が目にしみる」はそれから名曲とされて、多くの人が歌い、演奏している。
Smoke Gets In Your Eyes
映画「ロバータ」ではアイリーン・ダンが歌っている。
Smoke Gets in Your Eyes
フレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズもこの楽曲に合わせて踊っている。そのダンスは、2人の「ロマンティック」なダンスの中で最高のもののひとつである。
2人とも自伝でこのダンスに対する思い入れを語っている。
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その他
この映画でのフレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズは、親しい雰囲気で、歌、踊りを楽しんでやっている感じがいい。
特に” I’ll Be Hard to Handle “からのダンスは楽しい。
いいと思うところ
映画「ロバータ」でフレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズは話の中心ではない。
それゆえに「ロバータ」は2人の代表作ではないようにも思われる。
しかし「ロバータ」には、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズのコンビの最高のところがあると思う。
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