2023年7月14日、宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」が公開された。
その前に「君たちはどう生きるか」という題は示されていた。しかしそれだけでは、どういう作品が出来るか見当がつかない。
「君たちはどう生きるか」という題では倫理的求道的な作品のようでもある。エンターテインメントではないようである。
前作「風立ちぬ」が公開された2013年7月20日から10年たっている。
その間に宮崎駿監督はどういう方向へ向かったのか?
どういう映画か明らかにされないまま、公開の日を迎えた。
自由
映画のはじめは前作「風立ちぬ」に近いようにも見えた。
しかし次第に「風立ちぬ」と大きく異なる世界に進んで行った。
「風立ちぬ」より前の宮崎駿監督の作品に近いところがある。
宮崎駿監督がこれまでの作品で見せてきた想像力の集大成とも思われる。
勿論新たな形になってはいる。
「風立ちぬ」では、宮崎駿監督の想像力が素材に縛られて、自由になっていないのではないかと思ったところがあったが、「君たちはどう生きるか」では、何にも縛られることなくのびのびとしているように見えた。
その他の作品でも、たとえば原作がある作品で、宮崎駿監督の想像力が原作と対立しているのではないかと思ったところがあったが、「君たちはどう生きるか」では、そういうことはない。
そのことと関連して、構成は比較的にすっきりしている。
命が伸びる気持ち
前作で終わりかと思われた宮崎駿監督が、それから10年後にこのような作品を作ったことをみて、生きる力を受け取った。
高畑勲監督、大塚康生さんなど、10年前には健在だった人々が、この10年の間に亡くなるということもあった。
叶精二氏の記事。
昔からのスタッフも集まっている。
「風立ちぬ」までは、宮崎駿監督は権威のように見えていたが、「君たちはどう生きるか」では違うことを感ずる。
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