映画「いちごブロンド」 ジェームズ・キャグニーのロマンティック・コメディー

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ミュージカル映画
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 「いちごブロンド」(原題は “The Strawberry Blonde” )は、1941年に公開された映画。

 ギャング映画のスター、ジェームズ・キャグニーのロマンティック・コメディーの傑作。

 「いちごブロンド」=「ストロベリー・ブロンド」とは、赤みがかったブロンドの髪のこと。

 劇中の女性が「いちごブロンド」とよばれていて、そういう歌もある。


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映画「いちごブロンド」の話

 1890年代の話。

 ある日曜日、歯科医ビフ(ジェームズ・キャグニー)のところに市会議員のヒューゴ(ジャック・カースン)が虫歯の治療をもとめる電話をかけてきた。

 ビフは、この10年の間にヒューゴから色々としてやられていた。

 10年前、ビフは、多くの人に「いちごブロンド」と呼ばれて称賛されていたヴァージニア(リタ・ヘイワ―ス)という美女が好きであった。

 ところがヴァージニアはヒューゴにとられて、ビフには、ヴァージニアが連れてきたエイミー(オリヴィア・デ・ハビラント)があてがわれた。

 それからビフは色々とヒューゴに踏みつけにされた。

 今、ヒューゴは歯科医がビフだと知らずに虫歯の治療をもとめてきた。

 ビフはどうするか?

映画「いちごブロンド」の雰囲気

 映画「いちごブロンド」は、主人公がパートナーに踏みつけにされ、好きな女性を奪われるという話である。

 悲惨な話ということもできる。

 しかし映画は明るく楽しいものになっている。

 落ち込むところもあるが、暗くなりすぎない。

 細部が色々と面白い。

 しみじみするところもある。

映画「いちごブロンド」の演者

 映画「いちごブロンド」の明るさ、楽しさは演者によるところが大きい。

ジェームズ・キャグニー

 まず主役のビフを演ずるジェームズ・キャグニー。

 ジェームズ・キャグニーはギャング映画のスターであるが、この映画ではそのコミカルなところがよく出ている。

 冷酷非道に人を殺す役を多く演じている人が、この映画ではいつも喧嘩に負ける男を演じていることも面白いが、そういうキャラクターが合っていることも面白い。

 ヴァージニアとデートの約束をして、うれしくて側転して、ごみ箱に入ってしまうところなど面白い。

 この映画の主人公は、自分の信念を持っていて、正義感が強いが、不器用であって、いつも器用な人に踏み台にされる人物であるが、そういうキャラクターがジェームズ・キャグニーと絶妙に合っている。

女優

 女優も豪華。

 主人公の理想の女性、「いちごブロンド」の表面のきれいなところも、裏側の利己的なところも、リタ・ヘイワ―スに合っている。

 「いちごブロンド」のあまりものとして主人公にあてがわれる女性をオリビア・デ・ハビラントがやっている。

 オリビア・デ・ハビラントは、エロール・フリンの相手役でお姫様役等を多くやって人気のあった女優で、「風と共に去りぬ」ではメラニーをやっている。

 そういう女優がこの映画ではあまりものの女性をやっているわけである。

 オリビア・デ・ハビラントは2020年に104歳で亡くなった。生まれたのは1916年、東京。

敵役

 主人公の敵役をやっているジャック・カースンも、合っていると思う。

 ジャック・カースンには、コミカルなところ(「毒薬と老嬢」など)とジャイアンのようなところ(「スタア誕生」など)があるが、その両面を兼ね備えていることがこの映画のヒューゴという人物に合っている。

その他

 陽気な父親をやっているアラン・ヘールも映画を明るくしている。

映画「いちごブロンド」の音楽

 映画「いちごブロンド」では、はじめから次々と歌が流れる。

 歌詞に「いちごブロンド」という言葉が入っている “Band Played On” は、そのことでも、また劇中での使われ方でも、心に残る。

 映画が終わったところでまた “Band Played On” の歌詞が画面に出て、音楽が流れる。

 それに “Bill Bailey” 、”Meet Me in St. Louis, Louis” が続く。(後者を主題歌としたミュージカル映画「若草の頃」が公開されたのは1944年)

 その他にも心に残る歌が多い。

 ただし多くのミュージカル映画と違って、主役ががっつり歌うことはない。

 ジェームズ・キャグニーとリタ・ヘイワ―スが踊るところもある。しかし特にふたりの踊りを見せようとしていない。

 ジェームズ・キャグニーは次の年(1942年)の「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」でダンスを見せている。

 リタ・ヘイワ―スは1941年、42年にフレッド・アステアの相手役をやっていて、1944年にはジーン・ケリーの相手役をやっている。

 「いちごブロンド」の話では、ふたりがダンスのうまいところを見せる必要はないかもしれない。

「或る日曜日の午後」

 「いちごブロンド」は、1933年のブロードウェイの舞台劇「或る日曜日の午後」をもとにして作られている。

 「いちごブロンド」の前に、1933年に同じく「或る日曜日の午後」をもとにした映画「或る日曜日の午後」が作られていた。

 1933年の「或る日曜日の午後」と1941年の「いちごブロンド」の比較↓

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