映画「巴里のアメリカ人」(原題は “An American in Paris” )は1951年に公開されたアメリカのミュージカル映画。
ジョージ・ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」をはじめとする楽曲をもとにしている。
ジーン・ケリーの相手役を演じたレスリー・キャロンは新人であったがこの映画によって鮮烈な印象を残した。
終盤のバレエは圧巻。
アカデミー賞で作品賞を含む6部門を受賞。

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映画「巴里のアメリカ人」のストーリー
アメリカ人のジェリー(ジーン・ケリー)は第二次世界大戦中、軍人としてパリに来て、戦後も画家としてとどまっていた。
ある日、それまで売れなかったジェリーの絵に、金持ちのアメリカ人女性マイロ(ニーナ・フォッシュ)が関心を示した。マイロはジェリーの絵が売れるようにはたらくという。マイロはジェリーに対して異性として好意をもっているようでもある。
ところがジョーはたまたま出会ったフランス人の少女リーズ(レスリー・キャロン)に一目惚れする。・・・
ガーシュウィンの楽曲
この映画で使われているのはすべてガーシュウィンの楽曲である。
1945年公開の映画「アメリカ交響楽」ではジョージ・ガーシュウィンの伝記の中にガーシュウィンの楽曲を入れるというかたちをとっていた。

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「巴里のアメリカ人」ではジーン・ケリーを主役とした新たな話の中に楽曲を入れるというかたちをとっている。
ただしオスカー・レヴァントは両作品で「ヘ調のピアノ協奏曲」を演奏している。「巴里のアメリカ人」ではコミカルな演出がなされている。
映画「巴里のアメリカ人」の中では「パリのアメリカ人」が最も重要であるが、そのことは後に書く。
ジーン・ケリーその他がパリの街中で歌い踊る楽しい楽曲も多い。
ジーン・ケリーとレスリー・キャロンがセーヌ川のほとりで “Love Is Here To Stay” を歌い踊るところは「ロマンティック」。
レスリー・キャロン
この映画でジーン・ケリーの相手役を演じたレスリー・キャロンは、パリでバレエをやっているところをジーン・ケリーによって見出された人である。
当時19歳。
「パリのアメリカ人」バレエ
この映画の最大のみどころは、終盤のバレエ。
パリの様々なところをそれぞれ有名な画家―デュフィ、ルノワール、ユトリロ、ルソー、ゴッホ、ロートレック ― の絵のように描いた美術。
そういう背景と、ガーシュウィンの楽曲と、ジーン・ケリーとレスリー・キャロンを中心としたバレエとが合わさって、芸術的でもありコミカルでもある大変なものが出来上がった。
「巴里のアメリカ人」のBlu-ray
「巴里のアメリカ人」の特に終盤のバレエは、美術も踊りも画質が高いほどいいのではないか。
出演者、スタッフによる作品解説も充実。(プロデューサーのアーサー・フリードの言葉も収録されている)

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