新海誠監督の映画「秒速5センチメートル」

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新海誠
Photo by Tj Holowaychuk on Unsplash
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 新海誠監督の映画「秒速5センチメートル」は2007年に公開された作品。

 新海誠監督が後に作った映画「君の名は。」ほど多くの人に知られていないと思うが、多くの人に衝撃を与えた。


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映画「秒速5センチメートル」の構成

 映画「秒速5センチメートル」は、3本の短編作品からなっている。

 新海誠監督は公式サイトで次のように語っている。

「秒速5センチメートル」は、ひとりの少年を軸にして描かれる、独立した3本の作品からなる連作短編アニメーションです。

「秒速5センチメートル」公式サイト 「新海誠監督 本作に寄せて」

・それぞれ独立した3本の作品からなる。

・「ひとりの少年」=遠野とおの貴樹たかきという少年が3本の作品の「軸」とされている。

第一話「桜花抄」

 遠野貴樹(声:水橋研二)という少年の小学校中学年から中学一年三月までの話。

 舞台は東京。

 同級生の篠原しのはら明里あかり(声:近藤好美)という少女とのことが描かれている。

第二話「コスモナウト」

 遠野貴樹(声:水橋研二)の高校三年生の時の話。

 舞台は種子島。

 同じ学年の澄田すみだ花苗かなえ(声:花村怜美)という少女とのことが描かれている。

第三話「秒速5センチメートル」

 遠野貴樹(声:水橋研二)が社会人の時の話。

 舞台は東京。

 大人になった明里(声:尾上綾華)が出て来る。

年代

 新海誠監督は映画で描かれる時代について次のように語っている。

時代は1990年代前半から現代までの日本。

「秒速5センチメートル」公式サイト 「新海誠監督 本作に寄せて」

 第一話「桜花抄」は1990年代前半で、第三話は現代、すなわち映画が公開された2007年ということのようである。

映画「秒速5センチメートル」の特徴

背景

 新海誠監督の他の作品でもそうであるが、映画「秒速5センチメートル」も、背景の絵に力が注がれている。

 桜の花の散る美麗な絵をはじめとして、電車など、現実の風景をもとにした美しい絵が描かれている。

 新海誠監督はそのことに関して次のように語っている。

徹底したロケハンを行い、今この現実をアニメーション表現の中にすくい取ろうと試みています。

「秒速5センチメートル」公式サイト 「新海誠監督 本作に寄せて」

・「徹底したロケハン」というように現実をもとにしている。

・しかしまた「見慣れた風景がいつもより輝いて見えるよう」にも描かれている。

キャラクター

 背景の絵に力が注がれているのと比べると、人物の絵にはそれほどの力は注がれていないように見える。

 他のアニメでは、人物の絵の魅力によって観客を引っぱるということがあるが、映画「秒速5センチメートル」ではそういうことはない。

 絵だけではなく、全体として、映画「秒速5センチメートル」の登場人物の個性は、観客に特に強い印象を与えない。

動き

 映画「秒速5センチメートル」では、人物の動きは少なく、背景がゆっくりと動くことが多い。

 他のアニメで人物の動きに力を入れた作品が多いことと対照的である。

題材

 映画「秒速5センチメートル」に動きが少ないことは、題材と関係がある。

我々の日常には波瀾(はらん)に満ちたドラマも劇的な変節も突然の天啓もほとんどありませんが、それでも結局のところ、世界は生き続けるに足る滋味や美しさをそこここに湛(たた)えています。

「秒速5センチメートル」公式サイト 「新海誠監督 本作に寄せて」

 映画「秒速5センチメートル」は「波瀾(はらん)に満ちたドラマも劇的な変節も突然の天啓もほとんど」ないという「我々の日常」を描いた作品である。

独白

 映画「秒速5センチメートル」では、独白が多用されている。

 独白は、映像において描かれる人物の動き、やりとりの位相と違う位相にある。

音楽

 映画「秒速5センチメートル」は全編にわたって天門氏による繊細な感じの音楽が流れている。

 人物の声、物の音なども、新海誠監督が気を遣っていることがわかる。

 そして、山崎まさよし氏の “One more time, One more chance” 。


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 映画「秒速5センチメートル」の見どころは映像美である。

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 英語の音声、日本語/英語/韓国語/中国語/タイ語/インドネシア語/イタリア語/スペイン語/ドイツ語/ポルトガル語/アラビア語の字幕が入っている。


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 特典映像は次の通り。

・『監督インタビュー』(英語字幕あり)

・『ほしのこえ』(英語字幕あり)

・『彼女と彼女の猫』(5分Ver.)(英語字幕あり)

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 特典映像として監督インタビューが入っている。Blu-rayには入っていない。


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 通常版に特典DVD、オリジナルサウンドトラックCDがついたかたち。


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 特典DVDの内容は次の通り。

・動画コンテ:約63分

・第一話「桜花抄」Yahoo! JAPAN先行配信バージョン:約29分

・「One more time, One more chance」PV

・「秒速5センチメートル」スペシャルエディション版:約6分

・キャストインタビュー:約36分(水橋研二、近藤好美、花村怜美、尾上綾華)

・制作の軌跡フォトムービー:約5分

「小説 秒速5センチメートル」

 「小説 秒速5センチメートル」は、映画「秒速5センチメートル」が公開されたころから新海誠監督が書いた小説。

 映画「秒速5センチメートル」を作った新海誠監督自身が書いた小説は、「秒速5センチメートル」という作品を理解するために重要。


小説 秒速5センチメートル (角川文庫)

漫画「秒速5センチメートル」

 映画「秒速5センチメートル」も「小説 秒速5センチメートル」も新海誠監督の作品である。

 それに対して漫画「秒速5センチメートル」は、漫画家清家雪子先生が映画「秒速5センチメートル」、「小説 秒速5センチメートル」を踏まえてその隙間を補うなどした作品。

 全2巻。


秒速5センチメートル(1) (アフタヌーンコミックス)

 第2巻。


秒速5センチメートル(2) (アフタヌーンコミックス)

 「秒速5センチメートル」はキャラクターの力の強くない作品であるが、それにもかかわらず、メディアミックスが行われている。小池一夫。

「秒速5センチメートル」の難解なところの考察

 「秒速5センチメートル」は難解な作品だと私は思う。

 「第一話 桜花抄」、「第二話 コスモナウト」について考えてみた。

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