手を洗う救急医Taka氏が「地獄絵図」と語ったことについて 第6波での死亡者数の問題

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政治
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 2021年6月28日、手を洗う救急医Taka氏は「地獄絵図になる可能性も十分ある」と語った。

 東京オリンピック2020は2021年7月21日から始まった。

 その1カ月前に、新型コロナウイルスの感染拡大によって、「地獄絵図になる可能性も十分にある」ゆえに「専門家」からは「五輪中止という意見」が出ていた、と手を洗う救急医Taka氏は語ったのである。

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気になるところ

 手を洗う救急医Taka氏の言葉には気になるところがある。

「地獄」と言う言葉

 「地獄」というのは宗教的な言葉である。

 「専門家」とは科学者だと思われるが、科学者は、宗教的な言葉ではなく、科学的な言葉を使うべきではないか?

 「専門家」はあくまでも客観的な可能性を示して、それを受けて国民が判断すべきではないか?

 手を洗う救急医Taka氏のように、「地獄絵図」という言葉を使って「専門家」からは「五輪中止という意見」が出ているということは、「専門家」の判断を科学的真理であるかのように見せて、国民に押し付けることではないか?

 国民の自由な判断を抑圧することではないか?

 手を洗う救急医Taka氏の『「専門家からは五輪中止という意見は出ていない」とかよく言えたもんだなと思いますね』という言い方も、あくまでも「専門家」の意見は正しいと意地になっているようである。

「地獄絵図」という言葉と現実

 手を洗う救急医Taka氏は第5波に関して「地獄絵図」になる可能性があると語った。

 実際はどうであったか?

第5波

 第5波では、重症者数が多かった。

 第4波では、5月26日に日本国内の重症者が1413人になったのが最高であった。

 第5波では、8月14日から9月18日まで1日1500人を超えていた。8月27日から9月13日までは1日2000人を超えていた。

 第6波では、1日1500人を超えたのは2月22日、25日、26日くらいであった。

 手を洗う救急医Taka氏はその「地獄絵図」というところで、西浦博氏の「おもてなしどころか、国際的に恥をかく事態も」というBuzzFeedの記事を引用している。

 西浦博氏はその記事で「医療崩壊」ということを問題としている。

死者数

 ところで第5波での新型コロナウイルスによる死者は、その前の第4波、その後の第6波と比べて多くない。

2020年
1月

2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
0人 5人 61人 391人 441人 76人 39人 287人 275人 195人 382人 1340人
2021年
1月
2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2261人 2144人 1279人 1067人 2817人 1724人 410人 874人 1584人 616人 93人 32人
2022年
1月
2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
422人 4856人 4453人 1447 1052              

 第5波は2021年7月から10月くらいまで。

 第5波以前の2021年1月から6月までは、毎月1000人以上亡くなっていて、第5波より死者数は多い。

 第5波で最も死者数が多いのは2021年9月の1584人であるが、同年1月、2月、5月、6月にそれより多くの人が亡くなっている。

 第5波の後、2022年1月から始まった第6波ではさらに多くの人が亡くなっている。

 第5波の間に五輪が開催されたにもかかわらず、第3波、第4波、第6波より死亡者数は少なかった。

 新型コロナウイルス感染者の死亡以外の死亡が増えたという報道もある。

1~3月に国内の死亡数が急増したことが厚生労働省の人口動態調査(速報値)で分かった。前年同期に比べ3万8630人(10.1%)多い、42万2037人に上った。同期間に新型コロナウイルス感染者の死亡は9704人で、増加分を大きく下回る。コロナ以外の要因があるとみられるが詳しい原因は不明だ。

日本経済新聞 国内死亡数が急増、1~3月3.8万人増 コロナ感染死の4倍

 厚生労働省の資料↓

 人口動態統計速報(令和4年3月分)

 当月分及び当月を含む過去1年間(12ヶ月)の動向

 死亡者数の推移

2020年
1月

2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
13万2622 11万7010 11万9161 11万3362 10万8380 10万423 10万4849 11万1591 10万7468 11万8038 11万8455 13万3185
2021年
1月
2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
14万844 11万8984 12万3579 11万8169 11万8634 10万8734 11万2222 11万7804 11万5706 12万781 12万2806 13万4026
2022年
1月
2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
14万3992 13万8474 13万9571                  

疑問

 手を洗う救急医Taka氏は第5波について、「地獄絵図になる可能性も十分ある」とまで語っていた。

 たしかに第5波では重症者数がその前後より多かった。

 第5波の時には「医療崩壊」ということが問題とされていた。

 しかし第3波、第4波、第6波では第5波より死者数が多かった。

 手を洗う救急医Taka氏は、2022年2月9日付けの記事で、第6波に関して「逃げきれる」と予測していた。

木下「感染対策をしたり、集団の中で免疫を持つ人が増えたりすると、実効再生産数が落ちてきて、実効再生産数が1を切った瞬間から収束に向かいます。オミクロンの場合、世代時間が短いので、実効再生産数が0.5になると10日間で32分の1まで感染者が減ります。倍々で増えていくし、倍々で減っていくということです」

まいどなニュース 専門医、オミクロンからは「逃げきれる」 基本的な感染対策の継続が条件

 「倍々で減っていく」ゆえに「逃げきれる」というのである。

 そして「デルタに比べて恐ろしく強いということもないようです。」と語っている。

 しかし2月以降、オミクロン株による死者はそれまでにないほど多くなっている。

 その上に新型コロナウイルス以外の死者が多くなっているという。

 手を洗う救急医Taka氏が「地獄絵図になる可能性も十分ある」と語った第5波より多くの人が亡くなった第6波に関して、手を洗う救急医Taka氏は「デルタに比べて恐ろしく強いということもないようです。」とか、「逃げきれる」とか語っていたのである。

 予測は外れることもある。しかしそういう予測を国民に科学的真理であるかのようにおしつけることには疑問がある。

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