2021年9月末、新型コロナウイルスの第5波が収束してきたところで、岩田健太郎氏がそのことについて記事を発表した。
その中で私が気になったことについて考える。
間違い
岩田健太郎氏は、新型コロナウイルスの第5波について「自分の予測が良い方に間違っている」ことを認めている。
岩田氏の予測は間違っていたと認めているのである。
巨大に膨れ上がった総感染者数が、これほどの勢いであっという間に激減するとは、僕はちょっと考えていませんでした。
コロナの急激な収束をもたらした要因とは ワクチン、行動自粛、そして……
現実に起こっているような感染者数の激減が起こることを予測していなかったというのである。
岩田氏の予測が間違っていたということは、問題は岩田氏にあったということである。
ところが岩田氏はそのことを問題としない。
緊急事態宣言とワクチン
岩田氏によると、感染者数が激減するまでの間、「日本がやっていたのは緊急事態宣言の「延長」」であったが、それは「下策」であった。
通常、ある対策をとっているときに患者が増え続けていたら、対策を変えるのが定石で、うまくいっていない対策を続けるのは下策です。
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ところで岩田氏は感染収束の原因について、「決定的な原因はよく分かっていません」としつつも、英国で1月から2月にかけて感染者数が激減したことについて「大量のワクチン接種とロックダウンのダブルパンチによる効果」だという多くの専門家の考えに同意している。
そして「日本でもこれと似たようなことが起きたのではないでしょうか。」という。
「日本ではワクチン接種がかなりスピードアップし、高齢者のみならず、感染を広げていた年齢層にもワクチンが普及して」いった。
日本で感染者数が激減したのはそれゆえではないかというのである。
コロナの急激な収束をもたらした要因とは ワクチン、行動自粛、そして……
ところで菅政権が第5波の間にやっていたのは、「緊急事態宣言の「延長」」だけではなく、ワクチン接種であった。
菅政権が新型コロナウイルスに対する対策で特に力を入れていたのがワクチン接種であった。
そのことは自他ともに認めることである。
そのために菅政権は批判もされた。
岩田氏も認めるように、菅政権によってワクチン接種が進んで、そのことによって感染が収束したとすると、菅政権は感染収束のために正しいことをしていたということになるのではないか?
そもそも岩田氏は自ら認めるように間違った予測をしていた。
それに対して菅政権は、岩田氏によると正しいことをしていた。
ところが岩田氏はそのことを問題としない。
間違った予測によって、マスメディアやSNSで語ったことの責任は問題とされないのか?
菅政権のやったことのうち「緊急事態宣言の「延長」」だけをとりあげて「下策」ということに何の意味があるのか?
ノリ
岩田氏は、ワクチン接種の他に「ノリ」によって感染は収束したと語る。
第5波の感染が拡大したことも「ノリ」によることであったという。
コロナの急激な収束をもたらした要因とは ワクチン、行動自粛、そして……
そして感染が収束したことも「ノリ」によると語る。
コロナの急激な収束をもたらした要因とは ワクチン、行動自粛、そして……
「ノリ」という心理的要因によって、感染の拡大、減少を説明しているのである。
しかしそういう「ノリ」があって、それゆえに感染の拡大、減少が起こったということの証拠はあるのであろうか?
「予測」
岩田氏は予測の専門家でないゆえに予測しないと語っている。
まあ、僕は「予測」の専門家ではないので、基本的に「準備」はしますが、予測はしません。
コロナの急激な収束をもたらした要因とは ワクチン、行動自粛、そして……
しかし次のようなことも言う。
異なる複数の仮定を想定して、最良のシナリオと、最悪のシナリオを考えて、どっちに転んでもよいように準備します。
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