映画「街角 桃色の店」(原題は “The Shop Around the Corner” )は1940年に公開された映画。
アメリカの映画の歴史の中でロマンティック・コメディーの代表的な作品のひとつ。
後に同じ話をもとにした映画が作られた。―1949年に「グッド・オールド・サマータイム」、1998年に「ユー・ガット・メール」。いずれもヒットした。
街角 桃色の店(字幕版)
映画「街角 桃色の店」のあらすじ
ハンガリーの話。
クラリック(ジェームズ・スチュアート)の勤める雑貨店に、ある日、若い女性クララ(マーガレット・サラヴァン)が職を求めてやってきた。
クララもその店で働くことになったが、クラリックとは仲が良くならない。
ところでクラリックは女性と文通していて、その女性との結婚を考えていた。
そしてついにその文通相手とカフェで会うことになった。
映画「街角 桃色の店」のみどころ
ストーリー
映画「街角 桃色の店」では、それぞれの人物の思いのすれ違いがうまく描かれている。
すれ違いは恋愛喜劇で重要なところ。
文通という設定がすれ違いを生んでいる。
文通して意気投合しているがまだ相手の顔を見たことがない、ということによってすれ違いができるわけである。
細部
映画「街角 桃色の店」では、個々のセリフに気が使われていて、面白いところが多い。
若いジェームズ・スチュアートの演技もいいが、その相手のマーガレット・サラヴァンの演技もいい。
マーガレット・サラヴァンは映画より舞台に多く出ていた人。
政治的な面
映画「街角 桃色の店」では、主人公はその働く店の中での政治的な関係が重要な意味をもっている。
店主との関係、親しくしている店員、対立している店員との関係…。
リメイク
映画「街角 桃色の店」はミクロス・ラズロ(Miklós László)の戯曲「香水店」(1937年初演)をもとにして作られた。
ミクロス・ラズロはハンガリー出身で、1938年に米国に渡った人。
「香水店」―「街角 桃色の店」の話は、その後に繰り返し映画化された。
まず1949年の「グッド・オールド・サマータイム」。ジュディ・ガーランド主演で、ミュージカルになっている。
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1998年の「ユー・ガット・メール」。ノーラ・エフロン監督・脚本で、メグ・ライアンとトム・ハンクスの共演。
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その間の1963年にブロードウェイで “She Loves Me” というミュージカルが作られて、これまた成功している。
それぞれの作り手、演者がよくて、時代に合っていたのであろうが、もとになった「香水店」という戯曲にそれだけの力があったのでもあろう。
映画「街角 桃色の店」と、その後の映画によって、ミクロス・ラズロの戯曲は、アメリカのロマンティック・コメディーの歴史の中で重要なものとなっているわけである。
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