私がこの記事を書いたのは、新型コロナウイルスCOVID-19の感染者は1000万人を超え、死者は50万人を超えたところであった。
それでも大変なことだと思っていたが、今や感染者は2億人に迫り、死者は400万人に迫っている。
そのはじめ、2019年から2020年にかけて、中国がこの新型ウイルスに対してどのように対応していたか、振り返ってみよう。
武漢封鎖
1月23日午前10時から武漢は閉鎖された。
下の動画はそのことを報ずるものである。
改めて見ても、国内で封鎖を行っているその時に、国外に向かう旅行客を自由にさせている様子は、奇怪である。
中国 武漢市を事実上封鎖 2020/01/23
中華人民共和国の医師
中国で起こった新型コロナウイルスに対しては、中国の医師が立ち向かわなくてはならなかった。
武漢の医師が涙声で訴え 病院に肺炎患者らが殺到(20/01/25)
一月の動画である。私も、三月前半までは、武漢の状況を伝える動画に対して、対岸の火事のように見つつも、衝撃を受けたおぼえがある。
今になってみると、どうであろうか?
世界中でこういうことが起こっているのであろうか?
最も話題になった李文亮医師に関する動画。
新型肺炎を最初に警告した李文亮医師死去 「情報封鎖でウイルスがさらに拡散」【武漢病院 新型コロナウイルス】 2020/02/08
この動画には、李文亮医師が2019年12月30日にウィーチャットで、新型コロナウイルスの発生を確認したと発信した言葉、それに対して2020年1月1日に武漢市公安当局が事実でない情報を公表したとして、李文亮医師等八人を処罰したというその文書、1月11日まで、人から人への感染があったにもかかわらず、当局はまだ見つかっていないと言っていたという論文が出てくる。
当局が、李文亮医師等の言葉を事実に反するとしたこと、そして処罰したこと、そして人から人への感染について、あったにもかかわらずないと言っていたこと、いずれも非難されてしかるべきことである。
「李文亮第二?」という動画もある。
李文亮第二?伯曼兒確診 疑遭陸逼死「硬拔氧氣瓶」 2020/02/14
この動画では、病床で苦しんでいる女性が、「相信国家、相信政府」と言っている。
言わされているのではないか、というのである。
ジャーナリスト
中国のジャーナリストで、自ら真相を探ろうとした人がいた。
陳秋実氏。
【新型コロナウィルス】武漢で公安警察に脅されながらも、独自調査を続ける陳秋実さんからの魂の現地報告【和訳付き】 2020/02/02
方斌氏。李澤華氏。
市民ジャーナリストを次々逮捕 元CCTV司会者李澤華さん連行| 方斌 | 李澤華|陳秋実 2020/03/08
李澤華氏は、その後、4月に、2月26日以後のことについて、動画を配信しているが、コメントで言われているように、当局の強制によるものであろうか?
我是李泽华Kcriss,这是2月26日至今关于我的一些情况。I’m Kcriss, here is something about me since February 26th. 2020/04/22
政治家
最後に政治家についてみてみよう。
2月の習近平国家主席。
習近平主席 マスク姿で北京の病院視察 新型コロナウイルス 2020/02/11
上に挙げた動画の、緊迫した医療現場とは違うところにいるようだ。
3月5日に、孫春蘭副首相が武漢を視察したが、その時に、住民から「假的(仮的=うそだ)!」という声があがった。その光景が撮影されていた。
向中國副總理喊「假的!」 武漢社區遭報復封樓-民視新聞 2020/03/08
「假(仮)」というのは、「真」と対立することである。(余談であるが、私は「紅楼夢」を思い出す)
武漢市民の中国政府に対する考えがあらわされたものと思われる。
この動画の後半に出てくるように、武漢市書記の王忠林は、「感恩教育」を主張している。
「感恩教育」とは、習近平総書記に対し、共産党に対して、感謝し、恩義を感じて、共産党にしたがうように、武漢市民を教育することのようである。
その数日後、3月10日に、習近平国家主席の武漢視察があった。
習近平武漢視察 火神山慰問醫護人員 | 華視新聞 2020031 2020/03/10
わざわざ窓から手を振る人を映している。
数日前に、副首相に対して、非難を浴びせていた住民が、数日後に、国家主席に対して、ただ歓迎の意をあらわすことはおかしい。
警察が住民の家に入っていたという。
こういうところでうそをついているのであるから、なおさら、他のことも信用できないのである。
習近平国家主席は、一部党幹部の能力不足に問題はあるというが、はじめに隠蔽しようとしたことに問題はあるのではないか。
習近平主席 湖北省の幹部らに「警鐘は早く的確に」(20/05/26)
はじめに隠蔽しようとしたことに問題があるのに、あくまでもそのことを問題にしないつもりのようである。
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