画像診断医・屋代香絵氏の第5波収束論について

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政治
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 新型コロナウイルスの第5波は、2021年7月から8月にかけて日本でそれまでなかったほど拡大した後、激減していった。

 それまで専門家はそのように予測していなかった。

 そこで何故にそうなったのかわからないと言われることになった。

 その中で、2021年10月12日、画像診断医・屋代香絵氏は第5波がどうして収束したのか、わからないわけではないというツイートをした。

 そのことについて考える。

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屋代氏の主張

 屋代氏は10月12日に次のようなツイートをした。

 4つの要因があることはわかっていて、その寄与度はわからない、というのである。

 屋代氏がこのツイートで何を意図しているのか、私にはよくわからなかった。

 しかし次にとりあげる掛谷氏の批判に対する屋代氏の反応から考えると、屋代氏は、専門家はそれほどわかっていないのではなく、それなりにわかっている、ということによって、専門家の知識を信じさせ、専門家の主張する対策を信じさせようとしているのではないか、と思った。

掛谷氏の批判とそれに対する反応

 屋代氏が「「わからない」訳ではない」というのに対して、掛谷氏は「科学的に分かっていない」と批判した。

 屋代氏はそれに対して次のようなツイートをしている。

 答えるのでなく、馬鹿にしているのである。

 掛谷氏に対する反論として、エラーカタストロフィ説に対する反論が出て来る。

 掛谷氏に対して直接に反論せずに、自分の内で嘲笑しているのは、いささか奇妙である。

 掛谷氏は「分からないことを正直に分からないと言えない人に科学は向かない」と言っているのに、そのことには全く答えずに、掛谷氏は「エラーカタストロフィ説」を主張しているときめつけて、「エラーカタストロフィ説」に反論して満足していところも、理解できない。

 私は掛谷氏と同じように、分からないことは分からないと認めるべきだと思っていたので、屋代氏がそういう掛谷氏に対して答えずに、自分の内で嘲笑しているところをみて、衝撃を受けた。

 屋代氏の言動は、掛谷氏に対する個人的な感情によるものかもしれないが、分からないことは分からないと認める、という課題に向き合うことを避けようとしているようにも見える。

第5波のシミュレーション

 屋代氏は、掛谷氏の批判を受けたスレッドの真ん中で、第5波についての栗原氏のシミュレーションをとりあげて、次のように語っている。

 屋代氏がそこでとりあげているグラフは、掛谷氏の批判に対するはじめのツイートでもとりあげていたものである。

 掛谷氏に対する屋代氏の主張はそのグラフにあるようである。

屋代氏の考え

 屋代氏は栗原氏のグラフをとりあげて、「今まで全く予測していなかったイレギュラーなファクターが出てきて収まったわけではなさそう」という。

 ここでもファクターは予測していた、わかっていたというのである。

 そしてそのことに続けて自粛不要説に反対している。

 わからないということをもとにした自粛不要説に反対して、わかっていたということをもとにして自粛必要説をといているようである。

批判

 ところで屋代氏のこのツイートに対しては多くの批判が寄せられている。

 屋代氏は、現実は「綺麗に黄色の線に乗って」いるとして、それゆえに「今まで全く予測していなかったイレギュラーなファクターが出てきて収まったわけではなさそう」と語った。

 しかし黄色の線は「全国的に第1回緊急事態宣言と同等の効果が見込める場合」の「見通し」である。

 第5波の時に「全国的に第1回緊急事態宣言と同等の効果」はなかった。

 それにもかかわらず、「全国的に第1回緊急事態宣言と同等の効果が見込める場合」の「見通し」と同じ結果になったということは、「予測していなかった」ことが起こったということではないか? と批判されたのである。

栗原氏のシミュレーション

 栗原氏が8月17日に公開したシミュレーションでは次のように言われていた。

現在の緊急事態宣言

現在の緊急事態宣言は、その実質は直前のまんぼうと同程度であることから、感染爆発を抑えるのは難しい。

SNSと報道データに基づく人の行動モデルの提案と感染シミュレーション

 9月半ばまで感染爆発は止まらず、グラフの緑の線のようになるとされる。

第1,2回緊急事態宣言レベル

過去の第1,2回緊急事態宣言レベルの人出に抑えることができれば感染爆発を早期に抑えることができるものの、現状では国民の自主性では極めて難しい。
※強制力の強い方法を工夫する必要がある。

SNSと報道データに基づく人の行動モデルの提案と感染シミュレーション

 「過去の第1,2回緊急事態宣言レベルの人出に抑えること」ができると、黄色の線または青の線に、感染爆発は抑えられ、感染者数は減少していく、というのである。

 「現状では国民の自主性では極めて難しい」として、「強制力の強い方法を工夫する必要がある」と語っているが、「強制力の強い方法」とはロックダウンのことのようである。

 実際には、「感染爆発を抑えるのは難しい」と言われた「現在の緊急事態宣言」で、「強制力の強い方法」を用いることなく、「感染爆発を早期に抑えることができ」た。

問題

 栗原氏のシミュレーションは、まさに8月中頃に専門家が正しくない予測をしたものであった。

 そのシミュレーションをとりあげて「今まで全く予測していなかったイレギュラーなファクターが出てきて収まったわけではなさそう」というのでは、分かっていないのに分かったことにしているように聞こえる。

 何故に正しくない予測をしたのか? ということを第一に考えなくてはならないのではないか?

 分かっていないままで対策をしても、正しいことにならないのではないか?

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