統一教会の名称変更にについて

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政治
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 統一教会は2015年に名称を変更したが、全国霊感商法対策弁護士連絡会は早くから名称が変更されると被害が拡大するとして、繰り返し反対してきた。

 その主張に気になるところがあるので書いてみる。

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申入書

 2015年3月26日に、全国霊感商法対策弁護士連絡会は文科大臣、文化庁長官、宗務課担当課長宛てに統一教会の名称変更に反対する申入書を出した。

名称

 この申入書をみて、まず第一文にびっくりした。

 統一教会は、本年2月の責任役員会議で「世界基督教統一神霊教会」から「世界平和統一家庭連合」に変更するとの決定をしたとのことです。

申入書(統一教会の名称変更申請について)

 「世界基督教統一神霊会」ではなくて「世界基督教統一神霊会」ではなかったのか?

 そうだとすると、名称変更を問題とする文書の第一文で、その問題としている名称を書き間違えるというおかしなことが起こっていることになる。

 「世界基督教統一神霊教会」でも正しいのであろうか?

名称変更の目的

 弁護士連絡会は、統一教会が名称変更する目的を次のように断定して、反対している。

この名称変更は、これまでの組織的違法行為による悪評が日本社会に広く浸透していることから、名称変更して新たな被害者を獲得するとともに、被害回復請求を抑制する目的で行うものであり、このような名称変更を認証しないよう申し入れます。

申入書(統一教会の名称変更申請について)

 どうして2015年に名称変更を求めたかということについては、韓国の幹部が日本統一教会に年間300億円余の献金を指示したが、「統一教会と判っただけで多くの市民が離れていくために、名称を変更することで、最後まで正体を隠した資金そして人材獲得を達成しようとしている」と説明している。

 相当の根拠があって言っていると思うが、推測に過ぎないのではないかとも思う。

 まず「世界平和統一家庭連合」自らの説明を読んでみよう。

1954年に設立されたときは「世界基督教統一神霊協会(統一教会)」という名前でした。当法人の創設者である文鮮明師は1997年4月8日、「世界基督統一神霊協会」の名称を「世界平和統一家庭連合」に変更すると明かされ、その意義として、以下のように語られました。 「長子権復帰、父母権復帰を完成したので、キリスト教統一だけでなく、世界統一時代へと越えていくのです。それで今日から名称が統一教会の名を替えて、世界平和統一家庭連合を1997年4月10日付で使用しなければなりません」「家庭の救いを通した、神様を中心とした世界平和統一家庭文化運動に転換します」 このような文師のみ言に基づき、すでに1997年5月19日以降、世界の教会では、「世界平和統一家庭連合」に名称変更を完了していましたが、日本では遅れて、2015年8月27日に名称を変更いたしました。

世界平和統一家庭連合公式サイト Q&A

・名称変更は1997年の考えであった。

・1997年には「世界の教会では、「世界平和統一家庭連合」に名称変更を完了して」いた。

 こういう事情から考えると、名称変更を2015年の一時的な考えときめつけることには違和感がある。

 インターネットで誰でも見ることのできる公式サイトに統一教会との関係が明確に書かれていることを見ると、統一教会との関係を隠そうとしているようには見えない。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会は申入書で次のように語っている。

そもそも「世界平和統一家庭連合」なる名称は文鮮明の10年余前の思いつきのようですが、これが宗教団体であることさえ一般の人には判らないような名称であり、この団体名を名乗って被害者が宗教の勧誘であることに気付かないように仕組んでいるのです。

申入書(統一教会の名称変更申請について)

 全国霊感商法対策弁護士連絡会は「この団体名を名乗って被害者が宗教の勧誘であることに気付かないように仕組んでいる」ということを問題としているが、下の記事で論じたように、統一教会がそれまでに正体を隠して活動していたこととあまり変わらないのではないか?

現状認識

 申入書では、統一教会は「新たな被害者を獲得する」ために名称変更を求めたときめつけているが、そのことは「これまでの組織的違法行為による悪評が日本社会に広く浸透している」ことを前提としている。

 その「これまでの組織的違法行為による悪評が日本社会に広く浸透している」というところが気になる。

統一教会による組織的反社会的違法行為の実情は、日本社会において広く知られるところとなり、霊感商法やビデオセンターによる勧誘等への一般市民の警戒意識はかなり浸透したと言えます。
 とりわけ、統一教会信者らによる霊感商法の手口による物品販売活動について、特定商取引法違反、薬事法違反、各種条例違反等による刑事摘発が相次いでなされたことなどにより、新たな被害発生はかなり抑止できているかと思います。

申入書(統一教会の名称変更申請について)

 ここでも「統一教会による組織的反社会的違法行為の実情は、日本社会において広く知られるところとなり、霊感商法やビデオセンターによる勧誘等への一般市民の警戒意識はかなり浸透した」ことによって「新たな被害発生はかなり抑止できている」と語っている。

 しかし統一教会の問題が広く知られていたゆえに「新たな被害発生はかなり抑止できている」ということには違和感がある。

 2022年7月に安倍晋三元首相が銃撃された後に、マスメディアが連日統一教会のことを取り上げたことによって「日本社会において広く知られるところ」となったが、それまではそれほど知られていなかったのではないか?

 1990年代にもマスメディアが盛んに取り上げていたことがあったが、そういうことがない時にはそれほど「広く知られる」ことはなかったのではないか?

 「新たな被害発生はかなり抑止できている」ようになったのは、他のことによってではないか?

 たとえば「統一教会信者らによる霊感商法の手口による物品販売活動について、特定商取引法違反、薬事法違反、各種条例違反等による刑事摘発が相次いでなされたこと」ということにもよるかもしれない。

 次に気になること。

 2015年に名称変更が認められて、どうなったのか?

 全国霊感商法対策弁護士連絡会は、統一教会の名称変更を認めると被害が拡大するとして、反対していたが、その主張は正しかったのか?

 紀藤氏は「非なる”世界平和統一家庭連合”への名称変更を認めてしまった。その結果が今です。」と言っている。

 「今」どうなっているのか?

 名称変更による被害が数多く報告されているのか?

 紀藤氏が「今」というのは、紀藤氏のこれまでの発言から考えると、安倍氏が銃撃されたことを言っているのではないかとも思う。

 参照↓

 しかし上の記事でも論じたが、名称変更を認証したゆえに安倍氏が銃撃されたということは私には理解できない。

https://stopreikan.com/kogi_moshiire/bunka_syumu/18_2017.8.4moushiire.pdf

抗議文

 2015年名称変更申請認証に反対する全国霊感商法対策弁護士連絡会の抗議文では、名称変更に反対する理由として資料を三つ挙げた上で次のように語っている。

このように名称変更前においてさえ、統一教会はその正体を隠して勧誘活動を「伝道」と称して行ってきたのです。

抗議文(統一教会の名称変更申請の認証について)

 そして、次のように語っている。

「統一教会」と「世界平和統一家庭連合」が、同一組織であることを知っている一般市民は皆無です。今回の名称変更のために、特定宗教団体であることさえ判らない表示で勧誘がなされるようになることが正当化されるので、これまで以上に被害が拡大することが憂慮されるのは当然のことです。

抗議文(統一教会の名称変更申請の認証について)

 名称変更によって被害が拡大することについて語っている。

 しかし「名称変更前においてさえ、統一教会はその正体を隠して勧誘活動を「伝道」と称して行ってきた」上に「特定宗教団体であることさえ判らない表示で勧誘がなされるようになること」ことが加わっても、事態はあまり変わらないのではないか?

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