紀藤正樹弁護士に対する違和感 統一教会の名称変更に関して

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政治
Gerd AltmannによるPixabayからの画像
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 たまたまBS朝日で紀藤正樹弁護士が統一教会について語っているところを観て、違和感を覚えた。

 その番組は紀藤氏自ら紹介している↓

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違和感をおぼえたところ

 その番組で紀藤氏は次のように語っていた。

・安倍晋三元首相が銃撃された事件を防ぐ機会はあった。

・2015年の統一教会の名称変更がその機会であった。(その他に2009年にもその機会があったと語っていた。)

・その機会が生かされなかった結果、安倍氏が銃撃される事件は起こった。

 紀藤氏はそう語っていた。(正確ではないかもしれないが、そういうものとして話を進める。)

違和感

 2015年に統一教会の名称変更がなされなかったならば、安倍氏は銃撃されなかったということには違和感がある。

 第一に、名称変更は容疑者とそれほど関係がないことではないかと思うからである。

 第二に、名称変更の認証は法律によって決まったことであるとすると、紀藤氏のようにそのことの責任を問うことはできないのではないか。

名称変更を問題とすること

 統一教会の名称変更は、紀藤氏、全国霊感商法対策弁護士連絡会が前から反対していたことであった。

 たとえば2015年3月26日に、文科大臣、文化庁長官、宗務課担当課長宛てに出した統一教会の名称変更に反対する申入書で全国霊感商法対策弁護士連絡会は次のように語っている。

この名称変更は、これまでの組織的違法行為による悪評が日本社会に広く浸透していることから、名称変更して新たな被害者を獲得するとともに、被害回復請求を抑制する目的で行うものであり、このような名称変更を認証しないよう申し入れます。

申入書(統一教会の名称変更申請について)

 同年9月25日に、文科大臣、文化庁長官、宗務課担当課長宛てに出した名称変更申請認証に反対する抗議文では次のように語っている。

文化庁(宗務課)は、当連絡会の再三の申し入れ、特に本年3月26日付の申入書を無視して、本年8月27日に統一教会の名称を「世界平和統一家庭連合」に名称変更する申請を認証しました。当連絡会はこのような消費者被害と人権侵害を増長させる行政処分に強く抗議します。

抗議文(統一教会の名称変更申請の認証について)

 統一教会は名称変更によって新たな被害者を獲得しようとしているとし、名称変更がなされると被害が拡大するとして、反対しているのである。

 これは全国霊感商法対策弁護士連絡会の問題意識である。

 容疑者は直接に関係がないのではないか?

 それとも容疑者は全国霊感商法対策弁護士連絡会と同じような問題意識をもっていたのであろうか?

「政治の力」

 紀藤氏は、統一教会の名称変更は、安倍政権の政治的な意図によってなされたと考えているようである。

 そのことに関しては前川喜平氏と同じように考えているようである。

 前川氏は1997年に統一教会が名称変更を求めて来た時に断ったと言っている。

 そのことには全国霊感商法対策弁護士連絡会の要望もあったという

当時、全国霊感商法対策弁護士連絡会も、文化庁に名称変更を認めないでくれと要望していました

Smart FLASH 旧統一教会「名称変更」を 止められなかった文科省・前川元次官「辞表を叩きつけてNOと言えなかった悔いはある

 2015年には文部科学審議官になっていた前川氏のところに、宗務課長が統一教会の名称変更の説明をしにきたという。

宗務課長が説明に来たときに、私は『NO』と言いました。名称変更は認めるべきではない、と。ただ、裏には何か政治的な圧力があるとは思っていました。私は『NO』と言ったけど、結局、認証されてしまった。私よりも上には、事務次官と大臣しかいないわけです。私は、(認証された理由は)大臣の意向が働いたことは間違いないと思っています。当時の下村博文・文部科学大臣がゴーサインを出しているのは間違いない。これは確信しています。

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 前川氏は反対したが、下村博文氏による「政治的な圧力」によって認証は行われたというのである。

 立憲民主党や共産党の合同ヒアリング。

 前川氏のような主張に対して、末松信介文部科学相は、「「信教の自由」に対する配慮から文化庁の裁量を抑えるなどの考え方があるため、宗教法人の名称変更などに関しては、法律に定める要件以外の事項を考慮することは想定されていない。」といい、「受理を拒むことは行政上の不作為として違法性を問われる恐れがある」と言っている。

 2015年の名称変更の認証には、前川氏の上の者によって前川氏と反対のことがなされたにちがいない。

 前川氏、紀藤氏はそのことを問題としている。

 しかし法律で認証することになっているのであれば、認証しないようにしていた前川氏の方が違法性を問われる恐れがある。

 紀藤氏の主張するように名称変更に問題があったとすると、背後の政治的な力を問題とするより、法律を問題とすべきだったのではないか?

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