2020年7月5日、アメリカのミュージシャン、カニエ・ウェストKanye Westが大統領選に出馬するとツイートした。
カニエ・ウェストはどういうつもりで大統領選に出馬すると言ったのであろうか?
カニエ・ウェストの考え
カニエ・ウェストはFORBESのインタビューで自分の考えを明らかにしている。
インタビューからカニエ・ウェストの考えをとりあげてみよう。
黒人と警察
カニエ・ウェストは黒人のコミュニティの問題に抗議する考えからトランプ大統領(当時)を支持したという。
2018年10月にカニエ・ウェストがトランプ大統領(当時)と言葉を交わした時の動画がある。
この動画では、黒人が警察に殺されるより、黒人同志で殺し合うことの方が多いゆえに、責任は黒人がとらなくてはならないとカニエ・ウェストは語っている。(14:30あたり)
We have to take the responsibility for what we are doing. We killed each other, more than police officers.
カニエ・ウェストが大統領選出馬を表明した2020年7月には、5月末のジョージ・フロイド氏の事件をめぐって、黒人が警察に殺されることに抗議するというBLM運動が盛んになっていた。
カニエ・ウェストはその前から、黒人が警察に殺されるより、黒人同志が殺し合うことの方が多いゆえに、責任は黒人がとらなくてはならないという考えを持っていたのである。
黒人と民主党、共和党
カニエ・ウェストは、黒人は民主党に投票するということは、人種差別であり、白人至上主義であるという考えを持っていた。
そしてカニエ・ウェストは黒人の投票を民主党から吸い取って、トランプ大統領をたすけることになってもいいと語っている。
カニエ・ウェストは、トランプに投票すると音楽のキャリアは終わると民主党員に脅迫されたと語っている。民主党員はそのようにして黒人を民主党に入れていると語っている。
そしてバイデンこそは、バイデンに投票しない者は黒人ではないと言った人だという。
カニエ・ウェストは、トランプもオバマもクリントンも特別であったが、ジョー・バイデンは特別ではないと語っている
その中でもトランプは、神との関係でカニエ・ウェストと最も近い大統領であるという。
追記
カニエ・ウェストは、大統領選の後にもトランプを支持すると語っている。
中国との関係
カニエ・ウェストが大統領選に出馬すると伝えられてから、中華人民和共和国のGlobal Times(環球時報)がそのことを繰り返しとりあげていた。
これはただ出馬の事実を伝えただけである。
カニエ・ウェストは、1977年生まれであるが、1987年に、母ドンダDonda Westが南京大学に留学した時に、一年くらい南京で過ごした。
中華人民共和国の微信では、それゆえに、カニエ・ウェストを「われらが南京ラッパー」と呼んで、盛り上がったようである。
カニエ・ウェストは南京で過ごしたことのある人である。そういう人が大統領になれば、アメリカ合衆国は中華人民共和国に対して好意的になるのではないかというのである。
これはアメリカに対して批判的な論説である。
中華人民共和国のインターネット上の声は次の記事にまとめられている。
カニエ・ウェスト
カニエ・ウェストは中国に関して、「I love China」と繰り返している。
新型コロナウイルスについても、中国のせいではないと擁護している。
It’s not China’s fault that disease. It’s not the Chinese people’s fault. They’re God’s people also.
カニエ・ウェストにとって中国での経験は、ものの見方を変えるほど大きなものだったようである。
自ら母とともに中国で過ごしたことについて語っている。
たしかにカニエ・ウェストがアメリカ大統領になると、中国にとって好ましいことになりそうである。
まとめ
カニエ・ウェストはもともとトランプ大統領(当時)に近い保守的な思想をもっていた。
宗教に関してもそうであった。そして黒人問題に関してそうであった。
BLMの運動が盛んになっても、同じように考えていたようである。
ただし中国に対しては、トランプ大統領(当時)は対立する考えをとっていたのに対して、カニエ・ウェストは幼児の経験から特別な親愛の感情をもっていた。
日本との関係
カニエ・ウェストの日本との関係についても書いておこう。
カニエ・ウェストはミュージシャンとして、何度か日本と関わる仕事をしている。
印象が強いのは「STRONGER」。
再生回数3億5360万回という、驚くべき数字が出ている。
背景に日本が出てくる。日本語の字幕が出てくる。
カニエ・ウェストの「STRONGER」はDaft Punkの「Harder Better Faster」をもとにしているようである。
こちらも日本と関係がある。日本のアニメのイメージ、松本零士のイメージが使われている。
カニエ・ウェストの「Stronger」も、日本のアニメのイメージを使っているようである。バイクのテールランプの描き方などまさに大友克洋の「AKIRA」のようだ。
もう一つ。
2007年に、カニエ・ウェストは、日本のTERITYAKI BOYZのシングル「I still love H.E.R. feat.KANYE WEST」にプロデューサーとラップで参加している。
個人的
私が初めて聞いたカニエ・ウェストのアルバムは「808s & Heartbreak」であった。そのせいかこのアルバムに対して特別な思い入れがある。
これもアニメーションを使っている。
次は2013年の作品。
再生回数は5000万回あまり。「STRONGER」の3億5000万回に比べると少ないようである。
コメント