「きまぐれオレンジ☆ロード」の漫画とTVシリーズ、劇場版、小説版の関係

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きまぐれオレンジ☆ロード
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 1984年から連載開始した漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」は人気作品となって、1987年から1988年までアニメ版のTVシリーズが放送された。

 その後に劇場版が2本公開された。

 小説版3冊が出版された。

 それぞれの関係について整理してみる。

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漫画、TVシリーズ、劇場版、小説版の時系列

「きまぐれオレンジ☆ロード」原作、アニメ版、小説版の時系列
  • 1984年
    漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」連載開始

    「週刊少年ジャンプ」15号

  • 1987年4月
    「きまぐれオレンジ☆ロード」のTVシリーズ開始(4月6日)
  • 1987年9月
    漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」連載終了(「週刊少年ジャンプ」42号9月28日号)
  • 1988年3月
    TVシリーズ終了(3月7日)
  • 1988年7月
    「きまぐれオレンジ☆ロード」ジャンプコミックス第18巻発売(7月15日)45Pの加筆あり
  • 1988年10月
    劇場版「あの日にかえりたい」(10月1日公開)
  • 1989~1991年
    OVA(第1期、第2期、第3期)
  • 1994年
    小説版「新きまぐれオレンジ★ロード そしてあの夏のはじまり」(書き下ろし、7月9日)
  • 1995年
    小説版「新きまぐれオレンジ★ロードⅡ ピラミッド殺人ミステリー」(書き下ろし。「jump novel」vol.8(1995年4月1日号)に掲載。7月8日に単行本として出版)
  • 1996年
    劇場版「新きまぐれオレンジ★ロード そして、あの夏のはじまり」(11月2日)
  • 1997年
    小説版「新きまぐれオレンジ★ロードⅢ まどかのシークレット・メモリー」(4月29日。初出は「jump novel」で、「天使のアブナイ微笑」は1995年8月20日号、「まどかのシークレット・メモリー」は1996年3月30日号)

それぞれの関係

 「きまぐれオレンジ☆ロード」のアニメは、原作漫画と別の作品と考えられる。

 アニメでもTVシリーズと劇場版との間に問題がある。

 さらに小説版との間でも問題がある。

漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」

 漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」は1984年に「週刊少年ジャンプ」で連載開始。

 1987年に連載が終了するまで続いた。

 その間に休載期間もある。

ジャンプコミックス

 1988年7月にジャンプコミックスの最終巻、18巻が発売された。

 絵、写真、コメント等が追加されている。

 最終話に45頁の加筆がある。


きまぐれオレンジロード 全巻 全18巻 まつもと泉 1巻以外 17冊初版

愛蔵版

 1991年から1992年にかけて愛蔵版全10巻が発売された。

 作者のコメントが付け加えられている。

 最終話にさらに加筆がある。


きまぐれオレンジ☆ロード 愛蔵版 コミック 全10巻完結セット

文庫版

 1998年から文庫版全10巻が発売された。

 1話追加されている。

 平井和正氏の解説、作者の言葉が追加されている。


きまぐれオレンジロード 文庫版 全10巻 まつもと泉 完結全巻セット!

コンビニ版

 2011年から2012年にかけてコンビニ版全6巻が発売された。


「きまぐれオレンジロード まつもと泉 第6巻」コンビニ版 ジャンプ rimix レターパック520で送付いたします

まとめ

 まつもと泉先生の漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」は以上で完結している。

 「きまぐれオレンジ☆ロード」はその終わりまでの話であって、その後はない。

 ただし、終わりは複数ある。

・「そしてダ・カーポ」(もともと終わりと考えられていた)

・「週刊少年ジャンプ」での最終話(「帰れないふたり」、「永遠の夏」)

・ジャンプコミックス第18巻

・愛蔵版

 漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」のタイトル表↓

 まつもと泉先生は2020年10月に亡くなった。

TVシリーズ

 「きまぐれオレンジ☆ロード」のアニメ版のTVシリーズは、1987年4月から1988年3月まで放送された。

 TVシリーズでは、設定、登場人物の性格、話の展開など原作と違うものになっている。

 最終話は原作の「そしてダ・カーポ」を使っているが、ひかるとの関係を放置しているなど終わっていないところもある。

 Blu-rayが出ている。


きまぐれオレンジ★ロードBlu-ray BOX(9枚組)

劇場版「あの日に帰りたい」

 「きまぐれオレンジ☆ロード」のアニメ版劇場版「あの日に帰りたい」は1988年10月に公開された。

 「あの日に帰りたい」は「きまぐれオレンジ☆ロード」の終わりを描いたものである。

 問題になるのは、何の終わりか? ということ。

 漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」は漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」だけで完結しているので、「あの日に帰りたい」は別の話だということができる。

 TVシリーズの話の続きかどうかということが問題になる。

 「あの日に帰りたい」の作り手は「あの日に帰りたい」をTVシリーズの終わりの話として作ったと語っている。

 TVシリーズは主人公が中学3年生で終わっている。「あの日に帰りたい」はその3年後の高校3年生の大学受験の時のことを描いているというのである。

 TVシリーズで解決されなかったひかるの問題を解決したものということもできる。

 ただしTVシリーズのファンの中には「あの日に帰りたい」を嫌って、TVシリーズと「あの日に帰りたい」を別物としたい人もいるようである。

 「あの日に帰りたい」は2021年10月に発売されたBlu-rayに収録されたという。


きまぐれオレンジ★ロードBlu-ray BOX(9枚組)

 原作者が嫌っていた「あの日に帰りたい」を(2014年には理解するようになったとはいえ)、原作者が亡くなった後にBlu-rayで出すのか…。

 「あの日に帰りたい」についての私の考え。

「新きまぐれオレンジ★ロード」

小説版「新きまぐれオレンジ★ロード そしてあの夏のはじまり」

 1994年7月、「新きまぐれオレンジ★ロード そして、あの夏のはじまり」と題する小説が発表された。


新きまぐれオレンジ・ロード そして、あの夏のはじまり (JUMP jBOOKS)

 漫画の小説版を作るという集英社の企画の一つとして発表されたのである。

 そのいきさつにはわかりにくいところがあって、下の記事で考察した。

 「新きまぐれオレンジ★ロード あの夏のはじまり」は、劇場版「あの日に帰りたい」の後の話になっている。

 「新きまぐれオレンジ★ロード あの夏のはじまり」は、TVシリーズのシリーズ構成、劇場版「あの日に帰りたい」の脚本を担当した寺田憲史氏の執筆したものであって、TVシリーズ、劇場版「あの日に帰りたい」に続く話として作られている。

劇場版「新きまぐれオレンジ★ロード あの夏のはじまり」

 1996年11月、劇場版「新きまぐれオレンジ★ロード そして、あの夏のはじまり」が公開された。

 小説版「新きまぐれオレンジ★ロード そして、あの夏のはじまり」をもとにして作られているが、違うところもある。

 劇場版「新きまぐれオレンジ★ロード あの夏のはじまり」も劇場版「あの日に帰りたい」の後の話になっている。


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小説版「新きまぐれオレンジ★ロード ピラミッド殺人ミステリー」

 小説版の第2作「新きまぐれオレンジ★ロード ピラミッド殺人ミステリー」は、劇場版の前に、「jump novel」vol.8 1995年4月1日号で発表され、1995年7月8日にジャンプジェイブックスの一つとして出版された。

 小説版第1作の後の話。


新きまぐれオレンジ・ロード 2 ピラミッド殺人ミステリー (JUMP jBOOKS)

小説版「新きまぐれオレンジ★ロードⅢ まどかのシークレット・メモリー」

 小説版第3作「新きまぐれオレンジ★ロードⅢ まどかのシークレット・メモリー」は、その前に発表されていた二つの小説を合わせて1997年に出版された。

・「天使のアブナイ微笑」(「jump novel」vol.9 1995年8月20日号)

・「まどかのシークレット・メモリー」(「jump novel」vol.10 1996年3月30日号)

 過去に戻る話と、夢の話。

 いずれも「きまぐれオレンジ☆ロード」に思い入れある人には問題作。


新きまぐれオレンジ★ロード (3) まどかのシークレットメモリー (JUMP j BOOKS)

まとめ

 寺田憲史氏などアニメ版の作り手は、漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」をそのままアニメ化しなかった。

 設定を変え、話を変え、終わり方を変えた。

 それゆえに「きまぐれオレンジ☆ロード」のTVシリーズは原作漫画とは別物になっている。

 それでも多くは原作漫画の話をもとにしていて、最後も原作漫画の「そして、ダ・カーポ」に似た話で終わっていて、全体として原作漫画に近いところはあった。

 ところが劇場版「あの日に帰りたい」では、原作漫画とは大きく異なる話になった。

 その後の「そして、あの夏のはじまり」小説版、劇場版は原作者が挿絵を担当し、プロットも考えたと言われているが、「あの日に帰りたい」の後の話として寺田憲史氏が執筆したものである。

 その後の小説版「新きまぐれオレンジ☆ロード」2作も、原作漫画の世界の話ではなく、寺田憲史氏の作った世界の話である。

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