カテゴリー: 政治

  • 紀藤正樹弁護士に対する違和感 統一教会の名称変更に関して

    紀藤正樹弁護士に対する違和感 統一教会の名称変更に関して

     たまたまBS朝日で紀藤正樹弁護士が統一教会について語っているところを観て、違和感を覚えた。

     その番組は紀藤氏自ら紹介している↓

    違和感をおぼえたところ

     その番組で紀藤氏は次のように語っていた。

    ・安倍晋三元首相が銃撃された事件を防ぐ機会はあった。

    ・2015年の統一教会の名称変更がその機会であった。(その他に2009年にもその機会があったと語っていた。)

    ・その機会が生かされなかった結果、安倍氏が銃撃される事件は起こった。

     紀藤氏はそう語っていた。(正確ではないかもしれないが、そういうものとして話を進める。)

    違和感

     2015年に統一教会の名称変更がなされなかったならば、安倍氏は銃撃されなかったということには違和感がある。

     第一に、名称変更は容疑者とそれほど関係がないことではないかと思うからである。

     第二に、名称変更の認証は法律によって決まったことであるとすると、紀藤氏のようにそのことの責任を問うことはできないのではないか。

    名称変更を問題とすること

     統一教会の名称変更は、紀藤氏、全国霊感商法対策弁護士連絡会が前から反対していたことであった。

     たとえば2015年3月26日に、文科大臣、文化庁長官、宗務課担当課長宛てに出した統一教会の名称変更に反対する申入書で全国霊感商法対策弁護士連絡会は次のように語っている。

    この名称変更は、これまでの組織的違法行為による悪評が日本社会に広く浸透していることから、名称変更して新たな被害者を獲得するとともに、被害回復請求を抑制する目的で行うものであり、このような名称変更を認証しないよう申し入れます。

    申入書(統一教会の名称変更申請について)

     同年9月25日に、文科大臣、文化庁長官、宗務課担当課長宛てに出した名称変更申請認証に反対する抗議文では次のように語っている。

    文化庁(宗務課)は、当連絡会の再三の申し入れ、特に本年3月26日付の申入書を無視して、本年8月27日に統一教会の名称を「世界平和統一家庭連合」に名称変更する申請を認証しました。当連絡会はこのような消費者被害と人権侵害を増長させる行政処分に強く抗議します。

    抗議文(統一教会の名称変更申請の認証について)

     統一教会は名称変更によって新たな被害者を獲得しようとしているとし、名称変更がなされると被害が拡大するとして、反対しているのである。

     これは全国霊感商法対策弁護士連絡会の問題意識である。

     容疑者は直接に関係がないのではないか?

     それとも容疑者は全国霊感商法対策弁護士連絡会と同じような問題意識をもっていたのであろうか?

    「政治の力」

     紀藤氏は、統一教会の名称変更は、安倍政権の政治的な意図によってなされたと考えているようである。

     そのことに関しては前川喜平氏と同じように考えているようである。

     前川氏は1997年に統一教会が名称変更を求めて来た時に断ったと言っている。

     そのことには全国霊感商法対策弁護士連絡会の要望もあったという

    当時、全国霊感商法対策弁護士連絡会も、文化庁に名称変更を認めないでくれと要望していました

    Smart FLASH 旧統一教会「名称変更」を 止められなかった文科省・前川元次官「辞表を叩きつけてNOと言えなかった悔いはある

     2015年には文部科学審議官になっていた前川氏のところに、宗務課長が統一教会の名称変更の説明をしにきたという。

    宗務課長が説明に来たときに、私は『NO』と言いました。名称変更は認めるべきではない、と。ただ、裏には何か政治的な圧力があるとは思っていました。私は『NO』と言ったけど、結局、認証されてしまった。私よりも上には、事務次官と大臣しかいないわけです。私は、(認証された理由は)大臣の意向が働いたことは間違いないと思っています。当時の下村博文・文部科学大臣がゴーサインを出しているのは間違いない。これは確信しています。

    Smart FLASH 旧統一教会「名称変更」を 止められなかった文科省・前川元次官「辞表を叩きつけてNOと言えなかった悔いはある

     前川氏は反対したが、下村博文氏による「政治的な圧力」によって認証は行われたというのである。

     立憲民主党や共産党の合同ヒアリング。

    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220805/k10013756051000.html

     前川氏のような主張に対して、末松信介文部科学相は、「「信教の自由」に対する配慮から文化庁の裁量を抑えるなどの考え方があるため、宗教法人の名称変更などに関しては、法律に定める要件以外の事項を考慮することは想定されていない。」といい、「受理を拒むことは行政上の不作為として違法性を問われる恐れがある」と言っている。

    https://www.sankei.com/article/20220805-44YS3NIZGFJTFA3IHVRBVKTZLM/

     2015年の名称変更の認証には、前川氏の上の者によって前川氏と反対のことがなされたにちがいない。

     前川氏、紀藤氏はそのことを問題としている。

     しかし法律で認証することになっているのであれば、認証しないようにしていた前川氏の方が違法性を問われる恐れがある。

     紀藤氏の主張するように名称変更に問題があったとすると、背後の政治的な力を問題とするより、法律を問題とすべきだったのではないか?

  • 山上容疑者はビデオメッセージをみて安倍晋三元首相に殺意を抱いたのか?

    山上容疑者はビデオメッセージをみて安倍晋三元首相に殺意を抱いたのか?

     安倍晋三元首相が銃撃され死亡した後、逮捕された山上容疑者の供述が次々と報道された。

     その中に、2021年9月に統一教会の代表らが設立したNGOの集会に安倍氏が寄せたビデオメッセージを容疑者が見て、安倍氏は統一教会とつながりがあると思い込んで、安倍氏に対する殺意を抱いたというものがあった。

     その報道には奇妙なところがあるので取り上げてみる。

    日テレNEWSの報道

     7月12日に日テレNEWSは次のように伝えている。

    https://news.yahoo.co.jp/articles/93c41ea8bba6ba7a1e306d57744e1098151aea18

     動画

    日テレNEWS 2022/07/12
    【安倍元首相銃撃】山上容疑者「動画みたころに殺害決意」

    報道の奇妙なところ

     記事には次のように書いてある。

    メッセージを見て安倍元首相が宗教団体とつながりがあると思い込み、去年の秋から安倍元首相への殺意を募らせるようになったとみられます。

    日テレNEWS 安倍元首相銃撃事件 山上容疑者“動画みたころに殺害決意”

     容疑者は「メッセージを見て安倍元首相が宗教団体とつながりがあると思い込み、去年の秋から安倍元首相への殺意を募らせるようになった」というのは、広く伝わっていることだと思う。

     しかし「みられます」と書かれているように、そのことはこの記事を書いた記者が推測したことである。

     記者は「捜査関係者」が語ったことからそう推測したのであるが、その推測のもとになった「捜査関係者」の言葉は、その推測と同じではない。

     「捜査関係者」は次のように語ったとされている。

    捜査関係者によりますと、山上容疑者は「去年9月、宗教団体の代表らが設立したNGOの集会に寄せられた安倍元首相のメッセージを見たころに殺害を決意した」と供述していることが新たに分かりました。

    日テレNEWS 安倍元首相銃撃事件 山上容疑者“動画みたころに殺害決意”

     「去年9月、宗教団体の代表らが設立したNGOの集会に寄せられた安倍元首相のメッセージを見たころに殺害を決意した」というのでは、「メッセージを見たころに」、そのことと関係なく「殺害を決意した」ということでもありうるのではないか?

    捜査関係者によりますと、山上容疑者は「去年9月、宗教団体の代表らが設立したNGOの集会に寄せられた安倍元首相のメッセージを見た」「そのころに殺害を決意した」と供述しているということです。

    日テレNEWS 安倍元首相銃撃事件 山上容疑者“動画みたころに殺害決意”

     こちらでは「去年9月、宗教団体の代表らが設立したNGOの集会に寄せられた安倍元首相のメッセージを見た」ということと「そのころに殺害を決意した」ということとを分けて書いている。

     一層、メッセージを見たことと殺害を決意したこととは時期が近かっただけで関係はなかったようにも見える。

     メッセージを見た結果、殺害を決意したと解釈できないことはないが、そうだとすると何故にそのことがわかるように書かないのか?

     「メッセージを見て安倍元首相が宗教団体とつながりがあると思い込み」ということが記者の推測にあって、「捜査関係者」の言葉にないことも気になる。

     メッセージを見たことと、殺害を決意したこととがどういう関係になるのか、「捜査関係者」が明確に語っていないことも奇妙であり、記者がメッセージを見た結果殺害を決意したと明確に語っていることも奇妙である。

     「捜査関係者」が語っていない物語を記者が勝手に作ってしまったのか?

     記者の推測の根拠となることを「捜査関係者」が語ったにもかかわらず、記者が伝えていないのか?

     いずれにしてもおかしなことである。

    FNNの報道

     7月13日のFNNの報道。

    https://www.fnn.jp/articles/-/388878

     「安倍元首相のメッセージ動画を見て宗教団体とつながりがあると思った」という新たな供述がでてきたと伝えている。

     この報道では「つながりあると思った」という供述があったとつたえられているが、そのことと殺害を決意したこととの関係は必ずしも明らかではない。

    「安倍元首相のメッセージ動画を見て宗教団体とつながりがあると思った」
    安倍元首相が街頭演説中に銃撃され、死亡した事件で逮捕された山上容疑者(41)は犯行動機について、新たにこう供述していることが分かった。

    FNNプライムオンライン 「メッセージ動画を見てつながりがあると思った」山上容疑者が新供述 90m離れた駐車場に弾痕…強い威力か

     「犯行動機について、新たにこう供述している」というところをみると、 動機についてかたるという文脈で出て来た言葉とも思われるが、必ずしも明らかではない。

    捜査関係者によると、さらに山上容疑者は「安倍元首相のメッセージ動画を見て団体とつながりがあると思った」と話していることが新たに分かった。

    FNNプライムオンライン 「メッセージ動画を見てつながりがあると思った」山上容疑者が新供述 90m離れた駐車場に弾痕…強い威力か

     こういうところをみると、山上容疑者は「安倍元首相のメッセージ動画を見て団体とつながりがあると思った」と話しているとだけ捜査関係者はつたえたのではないかとも思われる。

  • 手を洗う救急医Taka氏が「地獄絵図」と語ったことについて 第6波での死亡者数の問題

    手を洗う救急医Taka氏が「地獄絵図」と語ったことについて 第6波での死亡者数の問題

     2021年6月28日、手を洗う救急医Taka氏は「地獄絵図になる可能性も十分ある」と語った。

     東京オリンピック2020は2021年7月21日から始まった。

     その1カ月前に、新型コロナウイルスの感染拡大によって、「地獄絵図になる可能性も十分にある」ゆえに「専門家」からは「五輪中止という意見」が出ていた、と手を洗う救急医Taka氏は語ったのである。

    気になるところ

     手を洗う救急医Taka氏の言葉には気になるところがある。

    「地獄」と言う言葉

     「地獄」というのは宗教的な言葉である。

     「専門家」とは科学者だと思われるが、科学者は、宗教的な言葉ではなく、科学的な言葉を使うべきではないか?

     「専門家」はあくまでも客観的な可能性を示して、それを受けて国民が判断すべきではないか?

     手を洗う救急医Taka氏のように、「地獄絵図」という言葉を使って「専門家」からは「五輪中止という意見」が出ているということは、「専門家」の判断を科学的真理であるかのように見せて、国民に押し付けることではないか?

     国民の自由な判断を抑圧することではないか?

     手を洗う救急医Taka氏の『「専門家からは五輪中止という意見は出ていない」とかよく言えたもんだなと思いますね』という言い方も、あくまでも「専門家」の意見は正しいと意地になっているようである。

    「地獄絵図」という言葉と現実

     手を洗う救急医Taka氏は第5波に関して「地獄絵図」になる可能性があると語った。

     実際はどうであったか?

    第5波

     第5波では、重症者数が多かった。

     第4波では、5月26日に日本国内の重症者が1413人になったのが最高であった。

     第5波では、8月14日から9月18日まで1日1500人を超えていた。8月27日から9月13日までは1日2000人を超えていた。

     第6波では、1日1500人を超えたのは2月22日、25日、26日くらいであった。

     手を洗う救急医Taka氏はその「地獄絵図」というところで、西浦博氏の「おもてなしどころか、国際的に恥をかく事態も」というBuzzFeedの記事を引用している。

    https://www.buzzfeed.com/amphtml/naokoiwanaga/covid-19-nishiura-20210625-2?__twitter_impression=true

     西浦博氏はその記事で「医療崩壊」ということを問題としている。

    死者数

     ところで第5波での新型コロナウイルスによる死者は、その前の第4波、その後の第6波と比べて多くない。

    2020年
    1月

    2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
    0人 5人 61人 391人 441人 76人 39人 287人 275人 195人 382人 1340人
    2021年
    1月
    2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
    2261人 2144人 1279人 1067人 2817人 1724人 410人 874人 1584人 616人 93人 32人
    2022年
    1月
    2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
    422人 4856人 4453人 1447 1052              

    https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/

     第5波は2021年7月から10月くらいまで。

     第5波以前の2021年1月から6月までは、毎月1000人以上亡くなっていて、第5波より死者数は多い。

     第5波で最も死者数が多いのは2021年9月の1584人であるが、同年1月、2月、5月、6月にそれより多くの人が亡くなっている。

     第5波の後、2022年1月から始まった第6波ではさらに多くの人が亡くなっている。

     第5波の間に五輪が開催されたにもかかわらず、第3波、第4波、第6波より死亡者数は少なかった。

     新型コロナウイルス感染者の死亡以外の死亡が増えたという報道もある。

    1~3月に国内の死亡数が急増したことが厚生労働省の人口動態調査(速報値)で分かった。前年同期に比べ3万8630人(10.1%)多い、42万2037人に上った。同期間に新型コロナウイルス感染者の死亡は9704人で、増加分を大きく下回る。コロナ以外の要因があるとみられるが詳しい原因は不明だ。

    日本経済新聞 国内死亡数が急増、1~3月3.8万人増 コロナ感染死の4倍

     厚生労働省の資料↓

    https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html

     人口動態統計速報(令和4年3月分)

     当月分及び当月を含む過去1年間(12ヶ月)の動向

     死亡者数の推移

    2020年
    1月

    2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
    13万2622 11万7010 11万9161 11万3362 10万8380 10万423 10万4849 11万1591 10万7468 11万8038 11万8455 13万3185
    2021年
    1月
    2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
    14万844 11万8984 12万3579 11万8169 11万8634 10万8734 11万2222 11万7804 11万5706 12万781 12万2806 13万4026
    2022年
    1月
    2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
    14万3992 13万8474 13万9571                  

    疑問

     手を洗う救急医Taka氏は第5波について、「地獄絵図になる可能性も十分ある」とまで語っていた。

     たしかに第5波では重症者数がその前後より多かった。

     第5波の時には「医療崩壊」ということが問題とされていた。

     しかし第3波、第4波、第6波では第5波より死者数が多かった。

     手を洗う救急医Taka氏は、2022年2月9日付けの記事で、第6波に関して「逃げきれる」と予測していた。

    木下「感染対策をしたり、集団の中で免疫を持つ人が増えたりすると、実効再生産数が落ちてきて、実効再生産数が1を切った瞬間から収束に向かいます。オミクロンの場合、世代時間が短いので、実効再生産数が0.5になると10日間で32分の1まで感染者が減ります。倍々で増えていくし、倍々で減っていくということです」

    まいどなニュース 専門医、オミクロンからは「逃げきれる」 基本的な感染対策の継続が条件

     「倍々で減っていく」ゆえに「逃げきれる」というのである。

     そして「デルタに比べて恐ろしく強いということもないようです。」と語っている。

     しかし2月以降、オミクロン株による死者はそれまでにないほど多くなっている。

     その上に新型コロナウイルス以外の死者が多くなっているという。

     手を洗う救急医Taka氏が「地獄絵図になる可能性も十分ある」と語った第5波より多くの人が亡くなった第6波に関して、手を洗う救急医Taka氏は「デルタに比べて恐ろしく強いということもないようです。」とか、「逃げきれる」とか語っていたのである。

     予測は外れることもある。しかしそういう予測を国民に科学的真理であるかのようにおしつけることには疑問がある。

  • 手を洗う救急医Taka氏は柳ケ瀬裕文議員に「反ワクチン」というレッテルを貼った?

    手を洗う救急医Taka氏は柳ケ瀬裕文議員に「反ワクチン」というレッテルを貼った?

     手を洗う救急医Taka氏が柳ケ瀬議員に対して「反ワクチン」とは言っていないという。

     しかしその数日前に手を洗う救急医Taka氏は柳ケ瀬議員について「ワクチンに反対されている」と言っていた。

     「ワクチンに反対されている」ということは「反ワクチン」だということではないのか?

     どういうことなのか?

    手を洗う救急医Taka氏の問題の発言

     手を洗う救急医Taka氏が柳ケ瀬議員に対して「反ワクチン」とは言っていないと主張したのは2022年4月19日。

     手を洗う救急医Taka氏が「そもそも私は「反ワクチン」とは言っていない」というのは、柳ケ瀬議員が「手洗いの人に反ワクチンと呼ばれた」と言ったことに対してである。

    柳ケ瀬議員の反論

     手を洗う救急医Taka氏が問題としているのは、柳ケ瀬議員の下の動画での発言のようである。

    やなチャン!
    維新チャンネルに新展開?反ワクチンと呼ばれて⚡️4月17日のやなチャン!

     この動画は4月17日のもの。

     動画の31分あたりで柳ケ瀬議員は手を洗う救急医Taka氏から「反ワクチン」とツイッターで言われたと聞いたと言っている。

     そしてそのことに対して反論している。

    手を洗う救急医Taka氏の「反ワクチン」発言?

     柳ケ瀬議員が手を洗う救急医Taka氏から「反ワクチン」と言われたというのは、下の発言のことのようである。

     4月16日のもの。

     手を洗う救急医Taka氏は、柳ケ瀬議員について「新型コロナウイルスワクチンの接種に反対されているようですが」と言い、「大々的にワクチンに反対されている」と言っていた。

     「新型コロナウイルスワクチンの接種に反対されているようですが」と言い、「大々的にワクチンに反対されている」と言うことは、ワクチン接種に全面的に反対しているということである。

     つまり「反ワクチン」ということではないか?

     しかし柳ケ瀬議員の主張は、ワクチン接種に全面的に反対するというものではない。

     手を洗う救急医Taka氏がとりあげている柳ケ瀬議員のチャンネルの下の動画でも、柳ケ瀬議員はワクチン接種に全面的に反対するとは言っていない。

     柳ケ瀬議員の主張は、リスクとベネフィットを考えるべきだということである。

    やなチャン!
    激論!ワクチン後遺症は?教えてにゃんこ先生、最終回!?⚡️4月3日のやなチャン!

     「反ワクチン」という言葉そのものは使っていないということであろうか?

     しかし「反ワクチン」という言葉を使おうが使うまいが、柳ケ瀬議員がワクチン接種に全面的に反対していると決めつけたことは変わらない。

     柳ケ瀬議員が4月17日の動画で問題としているのも、手を洗う救急医Taka氏が「反ワクチン」という言葉を使ったことではなくて、「反ワクチン」という意味のことを言ったことである。

     その人が言っていないことを言ったと決めつけることは正しいことではない。

     手を洗う救急医Taka氏の4月16日の問題の発言は、4月3日の柳ケ瀬議員のチャンネルの動画を取り上げた上でなされているのであるが、その動画では柳ケ瀬議員等の考え方に対して「反ワクチン」とレッテルを貼る人のことが問題とされている。

     手を洗う救急医Taka氏がそういう動画を取り上げながら、柳ケ瀬議員に対して柳ケ瀬議員の主張と異なることを押し付けていることは、奇妙なことである。

     動画をちゃんと見ていたのであれば、その動画で問題とされているようなやり方で柳ケ瀬議員に対して「ワクチン接種に反対されている」などと言わないのではないか?

     柳ケ瀬議員の主張を踏まえたことを言ったのではないか?

     動画を見ていなかったのであれば、「ワクチン接種に反対されている」などと言ったことも理解できるが、動画を見ずに人を攻撃することは正しいことではない。

    手を洗う救急医Taka氏の主張

     手を洗う救急医Taka氏の主張は続く。

     柳ケ瀬議員のこびナビに対する発言を問題としている。

     要するに、

    ・手を洗う救急医Taka氏が柳ケ瀬議員に対して「反ワクチン」というレッテルを貼ったという柳ケ瀬議員の主張に対しては、そういうことはしていないと言う。

    ・柳ケ瀬議員が「こびナビはリスクなどない」と言ったことは、こびナビの「発言を捏造して風評を撒き散らし、信頼を下げようとする」こと、「発言内容を捏造し、レッテルを貼った」ことだと批判している。

     まず、レッテルを貼ること、相手の「発言を捏造して風評を撒き散らし、信頼を下げようとする」ことは悪いことだとする。

     そういう悪いことをやったのは、柳ケ瀬議員が言うように手を洗う救急医Taka氏ではなくて、柳ケ瀬議員だというのである。

     この主張はおかしい。

    手を洗う救急医Taka氏はレッテルを貼っていない?

     柳ケ瀬議員はワクチン接種に対して全面的に反対していなかった。

     柳ケ瀬議員の主張は、手を洗う救急医Taka氏も4月19日には認めているように、「リスクとベネフィットを検討すべきと言っている」「高齢者の接種は推奨している」「小児の接種に慎重なだけ」というものである。

     そういう柳ケ瀬議員について、手を洗う救急医Taka氏が4月16日に「新型コロナウイルスワクチンの接種に反対されているようですが」とか、「大々的にワクチンに反対されている」とか言ったことは、柳ケ瀬議員の「発言を捏造して風評を撒き散らし、信頼を下げようとする」ことではないか。

     手を洗う救急医Taka氏は「「反ワクチン」とは言っていない」と言うが、「反ワクチン」という言葉を使おうが使うまいが、柳ケ瀬議員の「発言を捏造して風評を撒き散らし、信頼を下げようとする」ことをしたのである。

     「他人の発言を捏造して風評を撒き散らし、信頼を下げようとする」ことは救急医のあるべき姿なのであろうか?

     ところがなぜか「「反ワクチン」とは言っていない」ということによって、そのことはなかったことにしている。

    リスクとベネフィットの問題

     手を洗う救急医Taka氏は、柳ケ瀬議員がこびナビはワクチン接種のベネフィットしか言わず、リスクなどないと言ったと言ったことは、こびナビの「発言内容を捏造し、レッテルを貼った」ことだと批判している。

     しかし手を洗う救急医Taka氏はこれまでそういうことを言わなかったか?

     たとえば2021年11月20日のツイート↓

     「このまま何年たっても接種者には何も起こらず徐々に日常を取り戻して行く」と語っている。

     「接種者には何も起こらず」というのは「リスクなどない」ということではないか?

     ベネフィットだけがあるということではないか?

     こういうことを言っていたのに、こびナビは「リスクなどない」と言っていたいうと柳ケ瀬議員の発言は、こびナビの「発言を捏造して風評を撒き散らし、信頼を下げようとする」ことになるのであろうか?

    手を洗う救急医Taka氏のやり方

     手を洗う救急医Taka氏は、

    ・自分はあくまでも正しいとする。

    ・柳ケ瀬議員のような人に対してはレッテルを貼ってやっつけようとする。

     柳ケ瀬議員のようなワクチン接種慎重派に対しては、その主張する通りに慎重派として受け取ることが科学的な方法であるが、手を洗う救急医Taka氏はワクチンに反対する悪者というレッテルを貼って、「信頼を下げようとする」。

     ところが柳ケ瀬議員からそのようにレッテルを貼るやり方を反論されたので、今度は柳ケ瀬議員にレッテルを貼られたというレッテルを貼る。

     レッテルを貼ることが悪いことだとすると、柳ケ瀬議員にレッテルを貼った手を洗う救急医Taka氏も悪いことになるが、自分は「「反ワクチン」とは言っていない」ということによってなぜか悪いことをしていなかったことになる。

     手を洗う救急医Taka氏の言ったことだけを聞いた人には、柳ケ瀬議員は悪い人物だという印象が与えられる。

     柳ケ瀬議員の言ったことを聞いた人には、手を洗う救急医Taka氏が的外れなレッテルを貼って「風評を撒き散らし、信頼を下げようと」したと思うことになる。

     何故にこのようなことをするのか?

  • 伊藤詩織氏の事件をめぐるリツイート等に関して

    伊藤詩織氏の事件をめぐるリツイート等に関して

     伊藤詩織氏はツイッターの投稿のみならず、その投稿をリツイートした行為によっても名誉を傷つけられたとして訴訟を起こした。

    https://www.asahi.com/articles/ASPCZ62RMPCZUTIL01G.html

     伊藤詩織氏はまた杉田水脈議員が伊藤詩織氏を誹謗中傷するツイートにいいねを押したことで名誉を傷つけられて損害賠償を求める訴訟を起こした。

    https://www.tokyo-np.co.jp/article/167738

     そのことを受けて、伊藤詩織氏の事件をめぐるリツイート等にで気になるものがあったことを思い出した。

    小田嶋隆氏の引用ツイート

     2019年12月18日、伊藤詩織氏が損害賠償を求めた訴訟の判決で東京地裁は山口敬之氏に330万円の支払いを命じた。

     その日の夜、小田嶋隆氏は次のような引用ツイートをした。

     引用元は、判決後の山口敬之氏の記者会見の画像をきりとったものである。

     小田嶋隆氏はその画像から山口敬之氏の「理屈」を引き出している。

    本当に性被害に遭った女性は、笑顔や表情の豊かさを失っていて、人前にも出られないはずだ。

    してみると、事件後、テレビに出る勇気を示し、時には笑顔を見せることさえある詩織さんは、性被害に遭った女性とはいえない

     小田嶋隆氏は、山口敬之氏を「加害者」として、その「加害者」が上のようなことを言うことを問題としている。

     この小田嶋隆氏のツイートには多くのリツイート、いいねがついた。小田嶋隆氏自ら次のように語っている。

     おどろくべきことに、私の最初のRTは、現時点ですでに2.7万回以上RTされ、4.7万件以上の「いいね」を集めている。
     RTに付加したリプライのツイートも、6800回のRTと1.4万件の「いいね」を稼ぎ出している。

    「うそつき」をめぐる奇天烈な話

     ところで小田嶋隆氏の発言は奇妙ではないか?

     小田嶋隆氏が引用したツイートの画像のテロップをみると、山口敬之氏の言葉は「性被害にあった方」の言ったことを伝えるものである。

     小田嶋隆氏はその言葉から山口敬之氏の主張、考え方を引き出しているのであるが、その言葉は山口敬之氏の主張、考え方を現わすものではなく、山口敬之氏が話を聞いた「性被害にあった方」の主張、考え方を現わすものではないか?

    小田嶋隆氏は会見を見ていなかった

     小田嶋隆氏は上に挙げた引用ツイートについて「日経ビジネス電子版」の「「うそつき」をめぐる奇天烈な話」という記事で詳しく書いている。

    https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00116/00050/

     その記事によると、小田嶋氏は上のツイートをした時にはまだ山口敬之氏の会見を見ていなかった。

    私は、会見の当日、外出していたため、ライブ配信の会見動画は見ていないのだが、そのハイライト部分は、テレビのニュース番組でも紹介されている。

    「うそつき」をめぐる奇天烈な話

     小田嶋隆氏は山口敬之氏の記者会見を見ずに、山口敬之氏の記者会見での発言を非難していたわけである。

     ただし記者会見を見ずに、小田嶋隆氏が引用したツイートの画像を見ても、山口敬之氏が「性被害にあった方」の言葉を伝えていることは明らかである。

    記者会見での山口敬之氏の発言

     山口敬之氏の会見での発言はどういうものであったか?

     当時YouTubeでみることができたが、いつしかみつからなくなってしまった。(外国特派員協会の会見とは別のもの)

     その記者会見は、山口敬之氏、山口敬之氏側の弁護士、小川榮太郎氏、日本平和学研究所の平よお氏がそれぞれ判決に対する反論を述べ、記者からの質問に答えるというものであった。

     山口敬之氏の問題とされた発言は、記者の次の質問を受けたものであった。

    今回の伊藤さんの主張、実名で顔出してという今回の伊藤さんのアクションをもって#MeTooという流れのひとつと(聞き取れず)、性被害に関して、女性が告発するっていう、この流れ、行動については、今回の裁判でも争いがあってなかなかコメントも難しいと思うんですけど、この社会的な流れに関しては、何かその思うところありますか?

    元TBS記者に賠償命令 山口氏控訴へ 会見ノーカット – YouTube

     この記者会見は山口敬之氏側が判決に反対する意見を主張するために開いたものであって、そのことに多くの時間が割かれている。

     その中で、上の質問はそれとは別の角度のものである。

     上の質問に対して、山口敬之氏はまず次のように答えている。

    本当の性被害を受けた方は、顔を出すか出さないかではなくて、それを訴えることは、僕は、当然の権利だし、それを受け止めるのは社会の義務だと思います。ただ、伊藤さんは、性犯罪被害者ではありません。

    元TBS記者に賠償命令 山口氏控訴へ 会見ノーカット – YouTube

     山口敬之氏は、「本当の性被害を受けた方」が「それを訴えること」は「当然の権利」であって、「それを受け止めるのは社会の義務」だと言っている。

     山口敬之氏は、「性被害に関して女性が告発する行動」に対してそのように主張しているのである。

     小田嶋隆氏は、山口敬之氏は「本当に性被害に遭った女性は、笑顔や表情の豊かさを失っていて、人前にも出られないはずだ。」、「性被害から立ち直るために歩みはじめている女性は、本物の性被害者ではない」と考えていると語った。

     しかし山口敬之氏は記者会見で上のように語っていたのである。

     山口敬之氏は、「性被害に関して女性が告発する行動」に反対したのではなく、伊藤詩織氏が性犯罪被害者であるということに反対したのである。

     小田嶋隆氏が問題とした発言はその後に出て来る。

    本当に性被害に遭った方は、伊藤さんが本当のことを言っていない……それから、たとえば、こういう記者会見の場で笑ったり、上を見たり、テレビに出演してあのような表情をすることは、絶対にないと証言してくださった。

    元TBS記者に賠償命令 山口氏控訴へ 会見ノーカット – YouTube

     この発言は、山口敬之氏は性犯罪被害者から聞いた話を伝えるという流れの中で出て来る。

     そして、伊藤詩織氏が性犯罪被害者ということで出て来たことによって「本当の性被害に遭った#Me Tooの方が、うそつきだと言われるといって、出られなくなっているのだとすれば、これは残念なことだ」と語っている。

     小田嶋隆氏は以上の山口敬之氏の答えのうち、上に引用した一部だけを見て、山口敬之氏はそのことを根拠として伊藤詩織氏は性被害者に遭った女性ではないと主張しているとみなしている。

     しかし山口敬之氏の一連の発言は、「性被害に関して女性が告発する行動」について思うところを問う質問に答えたものであって、伊藤詩織氏は性被害者ではないということを論証するものではない。

     山口敬之氏は、伊藤詩織氏は性被害者ではないと言う根拠を別のところで示している。山口敬之氏側は記者会見の多くの部分をそのことにあてて、様々な「客観的な証拠」を出している。

    会見を見た小田嶋氏

     小田嶋氏はその引用ツイートを投稿した後にその記者会見の動画を見たという。

    それにしても、山口氏はいったい何を考えてあんな言葉を発したのだろうと思って、彼の真意を確認するために、1時間半ほどの会見映像を一通り視聴してみた。

    「うそつき」をめぐる奇天烈な話

     動画を一通りみたことによって、山口敬之氏が性被害にあった方から聞いた言葉を伝えていたことも、記者会見のどういう部分で、どういう質問に対する答えとして言ったのかも、明らかになったと思われる。

     ところが小田嶋隆氏の文章は奇妙な展開を見せている。

    日本平和学研究所の平よお氏の発言に対して

     山口敬之氏の問題とされた発言は、山口敬之氏自身が語っているように、その前に日本平和学研究所の平よお氏が詳しく語ったことを、要約して語ったものである。

     小田嶋隆氏は会見の動画を一通りみて、そのことに気が付いた。

     そこでまず平よお氏の発言を書き起こして、批判を試みている。

     通読していただければおわかりになる通り、タイラ氏は、名前も属性も年齢も何一つ明らかにしていない「匿名の性被害者たちの言葉」をもとに、伊藤さんの証言を「うそ」だと決めつけている。
     しかも、その根拠は、
    「性被害に遭った女性は、人前に出られないはずだ」
    「堂々と海外のメディアに自分の性被害を語れるのはおかしい」
    といった調子の、およそファクトでもエビデンスでもない「観測」に過ぎない。

    「うそつき」をめぐる奇天烈な話

     この小田嶋隆氏の批判は当たっていない。

     平よお氏は『「匿名の性被害者たちの言葉」をもとに、伊藤さんの証言を「うそ」だと決めつけている』のではない。

     「伊藤さんはうそをついていると。みなさんそうおっしゃいました。」と小田嶋隆氏が書き起こしたところをみても明らかであるが、平氏は性被害者の言葉を伝えているのである。

     平氏の発言は、性被害者が伊藤詩織氏について語ったことを伝えるものである。そして性被害者に「力を貸していただきたいと願っています。」というものである。

     伊藤詩織氏の主張は「うそ」だと論証しようとするものではない。

     平氏が「伊藤さんに深く同情し、応援していた」性被害者が「実際に動いてしゃべる伊藤さんの姿を見て、強い違和感を覚えるようになった」というのを、

     小田嶋隆氏が「性被害に遭った女性は、人前に出られないはずだ」と言い換えているのはおかしくないか?

     平氏が話を聞いた性被害者は「性被害に遭った女性は、人前に出られないはずだ」と言っているのではなく、人前に出た時の具体的な姿に違和感を覚えたということではないか?

     平氏が「被害者たちからすると人前であんなに堂々と時に笑顔もまじえながら自分の被害を語る姿はとても信じられないということだった」というのを、

     小田嶋隆氏が「堂々と海外のメディアに自分の性被害を語れるのはおかしい」と言い換えているのも元と違うことになっていないか?

     「人前であんなに堂々と時に笑顔もまじえながら自分の被害を語る姿はとても信じられない」というのは、具体的な姿に対して違和感があるということではないか?

     ところが小田嶋氏はさらに進んで、その性被害者の言葉は「性被害から立ち直るために歩みはじめている女性は、本物の性被害者ではない」というものであるとし、「一度でも性被害を経験した女性は、告発はおろか、笑うことも上を向くこともできない」というものであるとして、「こんなべらぼうな話があるだろうか」と言っている。

     小田嶋隆氏が書き起こした平よお氏の発言をみれば明らかであるが、そこには「性被害から立ち直るために歩みはじめている女性は、本物の性被害者ではない」ということも「一度でも性被害を経験した女性は、告発はおろか、笑うことも上を向くこともできない」ということもない。

     小田嶋氏は「人間というのは、そこまでねじ曲がった考えに至ることがあるものなのだろうか。」というが、「そこまでねじ曲がった考え」は、性被害者の言葉にあるのではなく、小田嶋隆氏が作ったものである。

     小田嶋隆氏はこのように平氏が性被害者に聞いた話をねじ伏せている。

     小田嶋氏は「タイラ氏という女性が会見の場で持ち出した匿名の性犯罪被害者のみなさんの証言を、そのまま鵜呑みにすることはできない」というが、刑事で不起訴になっている伊藤詩織氏の主張に対しては何故に「そのまま鵜呑みにする」ことができるのか?

    山口敬之氏の発言

     小田嶋隆氏はその次に山口敬之氏の発言に取り組んでいる。

     山口敬之氏の発言は、平氏が語ったことを要約したものである。

     小田嶋隆氏は「山口氏の証言は、前段のタイラ氏の証言を核心部分をなぞるカタチのものだ。」と言っているが、その通りである。

     ところがそういう山口敬之氏の発言に対して小田嶋氏は次のように語っている。

     あえて感想を述べるなら、「論外」の二文字に尽きる。
     もっと強い言葉を使っても良いのだが、その必要はないと思っている。
     ご本人の言葉を聴いてもらえれば、私が付け加えるべきことは何もない。

    「うそつき」をめぐる奇天烈な話

     山口敬之氏がそこで語っていることは、平氏が語ったことと同じことである。それに対して小田嶋隆氏は同じことを言わなくては筋が通らないのではないか?

     山口敬之氏は性被害者から聞いた言葉を伝えているのに、それに対して「「論外」の二文字に尽きる」というのはおかしくないか?

     そもそも小田嶋隆氏は、山口敬之氏の言葉を歪曲して拡散したことについて、訂正しないのか?

     小田嶋隆氏はそこで次のように語っている。

     ともあれ、山口氏は、世間の空気を読みそこねた。
     原因はご自身が閉鎖環境の中で暮らしていたからだと思う。つまり、山口氏はあまりにも自分と似た考え方の仲間に囲まれて暮らしていたがために、自分の考えの異常さに気づくことができなかった。
     お仲間たちも、せっかく擁護のためにセッティングした記者会見の中で本人が持ち出す論陣の非常識さを事前にチェックすることができなかった。

    「うそつき」をめぐる奇天烈な話

     小田嶋氏はまた、山口敬之氏が性被害者から聞いたことを伝えたことを、山口敬之氏が「非常識」な「論陣」を持ち出したと語っている。

     これまで見て来たことからは理解できないことであるが、小田嶋隆氏は、山口敬之氏は「性犯罪被害者は、性犯罪加害者を告発できない」という「理屈」を主張したというはじめの引用ツイートに戻ってきたようである。

     私が憂慮しているのは、
     「性犯罪被害者は、性犯罪加害者を告発できない」
     という、性犯罪加害者にとってあまりにも魅力的に聞こえるこの背理を、異常だと思わないとんでもない人々のお仲間が、日本の中枢に座を占めていることだ。

    「うそつき」をめぐる奇天烈な話

     「性犯罪被害者は、性犯罪加害者を告発できない」ということを、小田嶋隆氏以外の誰が言っているのか?

     「閉鎖環境の中で暮らして」いるのは誰だろう?

     小田嶋氏の記事が「「うそつき」をめぐる奇天烈な話」と題されていることは考えさせられることである。

    AERAの記事

     AERAの「「性被害者は笑わない」発言は全性被害者への侮辱だ」という記事では小田嶋隆氏と同じようなことが言われている。

    記事の論調

     「元TBS記者の山口敬之氏が、ジャーナリストの伊藤詩織さんに向けた言葉は、 必死に前を向こうとする被害者たちに向けた刃だ。」というのは、山口敬之氏が性被害者から聞いたことを伝える言葉を、「必死に前を向こうとする被害者たち」を傷つける言葉とみなすものであって、小田嶋隆氏と同様である。

     記事では、山口敬之氏の発言を次のように伝えている。

    判決から約3時間半後、単独会見を開いた山口氏が言い放った言葉に、唖然とした。

    「本当の性被害者は、記者会見の場で笑ったりすることは絶対にない」

     性被害を受けた女性から聞いた話として、そう言った。伊藤さんが記者会見で笑ったことを指し、伊藤さんは被害者ではない、だから自分は違法なことをしていないという理屈だ。

    「性被害者は笑わない」発言は全性被害者への侮辱だ

     記事は「性被害を受けた女性から聞いた話として、そう言った。」と伝えている。

     そうだとすると、AERAの記者は、山口敬之氏が「性被害を受けた女性から聞いた話」に「唖然とした」ことになるが、それでいいのか?

     「本当の性被害者は、記者会見の場で笑ったりすることは絶対にない」というところをもとになった発言と比べてみよう。↓

    本当に性被害に遭った方は、伊藤さんが本当のことを言っていない……それから、たとえば、こういう記者会見の場で笑ったり、上を見たり、テレビに出演してあのような表情をすることは、絶対にないと証言してくださった。

    元TBS記者に賠償命令 山口氏控訴へ 会見ノーカット – YouTube

     山口敬之氏は伊藤詩織氏の具体的な表情について言っているのに、AERAの記事では「笑ったりすることは絶対にない」ということになっている。

     山口敬之氏は性被害者から聞いたことを伝えているのに、山口敬之氏が自分の考えを言ったような印象を与えようとしていないか?

     「伊藤さんが記者会見で笑ったことを指し、伊藤さんは被害者ではない、だから自分は違法なことをしていないという理屈だ。」というところは、

     小田嶋隆氏が引用ツイートで「事件後、テレビに出る勇気を示し、時には笑顔を見せることさえある詩織さんは、性被害に遭った女性とはいえない」という理屈なのか?」と言ったことと似ている。

     いずれも山口敬之氏はそのことを根拠として伊藤詩織氏は性被害者ではない、自分は違法なことをしていないと主張したことにしている。

     山口敬之氏側は会見で様々な客観的な証拠を出しているが、なぜかそのことを無視している。

    一般社団法人「Spring」代表理事の山本潤さん

     記事は次に、刑法性犯罪規定の改正に取り組む一般社団法人「Spring」代表理事の山本潤さんは「二次加害、セカンドレイプだと思いました」と語ったと伝えている。

     性被害に遭った人は笑ったりしないのではないか、と誤解する人がいるのはわかるという。
     だが、そういう被害者の苦しく複雑な感情を踏みにじり、「性被害者は笑ったりしない」と言葉にして攻撃するのは、セカンドレイプに等しいと感じている。
     「私たちすべての被害当事者に対する侮辱です」(山本さん)

    「性被害者は笑わない」発言は全性被害者への侮辱だ

     色々と気になるところがある。

     まず山口敬之氏は「性被害に遭った人は笑ったりしない」と言っていない。性被害者が伊藤詩織氏の具体的な姿について違和感を覚えたと伝えたのである。

     山口敬之氏が性被害者から聞いた言葉を伝えているのであるから、「誤解」とか「セカンドレイプに等しい」とかいうことは、山口敬之氏が話を聞いた性被害者に対して言うことになるのではないか?

    伊藤さんの代理人を務める西廣陽子弁護士

     最も気になるのは「伊藤詩織氏の代理人を務める西廣陽子弁護士」の言葉である。

     伊藤さんの代理人を務める西廣陽子弁護士は、山口氏の発言の背景には「嫌なら必死に抵抗したはずだ」など、ゆがんだ「強姦神話」があると指摘する。
    「このように言われることで、性犯罪被害者は傷つき、二次被害に遭ってきました。しかし、『本当の性犯罪被害者は笑ったりしない』のでしょうか。性犯罪に遭っても、自分の生活を送らなければならないし、自分の人生を前向きに生きていくことが認められて当然。このような型にはめる考えを捨て去る時代に入ったのではないでしょうか」

    AERA 「性被害者は笑わない」発言は全性被害者への侮辱だ

     西廣弁護士も山口敬之氏が『本当の性犯罪被害者は笑ったりしない』と言ったとしてそのことを問題としている。

     山口敬之氏は性犯罪に遭った人に「自分の人生を前向きに生きていくこと」を認めない考え方をもっていると西廣弁護士は考えている。

     これまで見てきたように、山口敬之氏はそのようなことを言っていない。

     そもそも山口敬之氏はその言葉によって性被害者に聞いたことを伝えていたのである。

     西廣弁護士は伊藤詩織氏の代理人として、山口敬之氏の会見における発言を正確に把握しなくてはならないのではないか?

     西廣弁護士は山口敬之氏の発言が「裁判で彼に優位には働かないだろう」とも語っている。

     山口氏は控訴を表明したが、彼の発言が、裁判で彼に優位には働かないだろうと西廣弁護士。
    「もし影響すれば、このような考え方、偏見に裁判所がお墨付きを与えることになる。性被害者に対する、理解のない時代に後戻りしてしまいます」

    AERA 「性被害者は笑わない」発言は全性被害者への侮辱だ

     西廣弁護士は山口敬之氏の発言を実際のものと違うものとして、「偏見」であり、「性被害者に対する、理解のない時代」のものであるとして、それに対して「裁判所がお墨付きを与え」ないように言っている。

    まとめ

     山口敬之氏が性被害者から聞いたことを伝えた言葉が山口敬之氏のおかしな考えを示すものとして拡散されたことは、奇妙なことであった。

     その言葉が出て来た記者会見では、山口敬之氏側が判決に反対する客観的な証拠を出しているところが多くの時間を占めていたのに、そのことは無視されて、一部の発言ばかりが歪曲されたかたちで拡散されたことも、奇妙なことであった。

     伊藤詩織氏が「性被害に関して女性が告発する行動」を代表するものとされていることに鍵があるようである。

     山口敬之氏の問題とされた発言は、「性被害に関して女性が告発する行動」に反対するものとして拡散された。

     「性被害に関して女性が告発する行動」をとる伊藤詩織氏と、それに反対する悪玉・山口敬之氏とが対立しているという図式は、わかりやすい図式である。

     しかし山口敬之氏は「性被害に関して女性が告発する行動」に反対したのではなく、伊藤詩織氏が性被害者であるということに反対したのである。

     山口敬之氏と伊藤詩織氏との間には、伊藤詩織氏が性犯罪被害者であるかどうかということで対立がある。

     ところが伊藤詩織氏が「性被害に関して女性が告発する行動」を代表するものだと考える人々にとって、伊藤詩織氏はすでに性犯罪被害者と決まっている。

     山口敬之氏側が性被害者の言葉を聞いてきたことは、伊藤詩織氏と「性被害に関して女性が告発する行動」との関係を考える上で重要なことであった。

     ところが伊藤詩織氏が「性被害に関して女性が告発する行動」を代表するものだと考える人々は、意識してか、無意識にか、山口敬之氏側が聞いたという性被害者の言葉を無視あるいは軽視した。

  • 台湾の2021年度の調査で最も親しくすべき国一位は日本

    台湾の2021年度の調査で最も親しくすべき国一位は日本

     日本台湾交流協会は2022年3月22日、台湾の人に対して行った「2021年度対日世論調査」の結果を発表した。

     調査によると、「今後台湾が最も親しくすべき国」で最も多かったのは日本であった。

    調査

     調査は、台湾全土の20歳から80歳の男女のうち1068人をサンプルとして行われた。

     期間は、2022年1月5日から1月22日まで。

     設問および回答の対象は2021年全体。

    設問と回答

     その中からいくつかとりあげてみよう。

    最も好きな国

     「台湾を除き、あなたの最も好きな国(地域)はどこですか」という問いに対しては、日本が最も多くて他を引き離している。

     日本は60%。その次の中国は5%。

     中国が2位であることは注目すべきことであるが、2021年には2018年より減っている。(8%→5%)

     「日本に親しみを感じますか」という問いに対しては、「親しみを感じる」という答えが多く、2022年には2018年より増えている。(70%→77%)

     「親しみを感じない」という答えは少なく、3年の間にさらに減っている。(8%→6%)

    最も親しくすべき国

     「今後台湾が最も親しくすべき国(地域)はどこですか」という問いに対しては、日本が最も多い。その上に、2021年には2018年より多くなっている。(37%→46%)

     2018年には中国がその次であったが、2021年には減っている。(31%→15%)

     米国は2018年には中国の次であったが、2021年には中国を超えている。(15%→24%)

     2018年から2021年までの情勢を反映しているのであろうか?

     それだけの変化があったということであろうか?

    日台関係

    現状

     「現在の日台関係をどう思いますか」という問いに対しては、良いと答えた人が多いが、2018年には53%であったのが、2021年には70%に増えている。

     悪いと答えた人は少ないが、2018年には4%であったのが2021年には2%にまで減っている。

     以前と比べて良くなったと答えた人は65%と多く、悪くなったと答えた人は2%と少ない。

    良くなった原因

     良くなった原因として、次のようなことが上位になっている。

     一、「日本からのワクチン供与」(27%)

     二、「助け合う関係(東日本大震災では台湾が日本を、コロナでは日本が台湾を助けた)」(20%)

     三、「相互の民間関係が良好で、旅行や往来も頻繁」(16%)

     四、「日本は何度も台湾への支持を公に発言」(13%)

     五、「東日本大震災の際の台湾による義援金」(10%)

     六、「国際情勢に鑑み、双方はより緊密に協力する必要がある」(10%)

    将来

     日本と台湾の関係は将来どうなるかという問いに対しては、発展するという答えが多いが、2021年には2018年より多くなっている。(59%→64%)

     悪化すると答えた人は少ないが、減っている。(4%→3%)

    おわりに

     この調査がどのくらい台湾の実情を反映しているかわからないが、色々と考えるべきことがあるようである。

     調査結果はこちら

  • 手を洗う救急医Taka氏、児童死亡の報道を受けてワクチン接種の必要を説く

    手を洗う救急医Taka氏、児童死亡の報道を受けてワクチン接種の必要を説く

     2022年3月10日、新型コロナウイルスによって10歳未満で基礎疾患のない児童が1人死亡したと報道された。

     その報道を受けて、手を洗う救急医Taka氏はツイッターで子どものワクチン接種の必要を説いた。

    手を洗う救急医Taka氏のツイート

     手を洗う救急医Taka氏は次のようにツイートした↓

     手を洗う救急医Taka氏は、今度のことについて、それまで「何度も言ってき」たことが起こったと語る。

     Taka氏はそれまで「感染者が増えたら日本でも」児童が死亡することが「起きる」と言ってきたというのである。

     そして「子どもの接種がもっと早く認められていたら」、児童が死亡することはなかったと考えているようである。

     それまで感染者が増えて児童が死亡するに至ることを防ぐために、子どもの接種が早く認められることを求めてきた。それにもかかわらず、早く認められなかった結果として、児童が死亡するに至ったと考えているようである。

     「日本でも同じことが起きる」というのは、他の国、特に米国と「同じことが起きる」ということのようである。

     次のツイートはそのことと関係がある。

     手を洗う救急医Taka氏は「全世界で10代以下で12,800人がコロナで死亡しており、アメリカでは894人にのぼります」と言う。

     「日本でも同じことが起きる」というのは、日本でも米国で10代以下で894人亡くなったことと同じくらいのことが起きるということのようである。

     ところが日本ではそれまで死亡の例はなかったことから、ワクチンの承認に「かなり時間をかけ」た結果、「接種で回避できたかもしれない」児童の死亡が起きてしまったと考えているようである。

     そして日本でワクチンの承認に「かなり時間をかけ」たことについて、「科学的な態度ではないし検証が必要です」と語っている。

    慎重派の反論

     手を洗う救急医Taka氏の以上の発言に対して、子どものワクチン接種は慎重にすべきだという人々から批判が寄せられた。

     慎重派はこれまで日本で11歳以下は1人も死亡していないゆえにワクチン接種は慎重にすべきだと語ってきた。

     今度手を洗う救急医Taka氏は、11歳以下の児童が1人死亡したという報道をもってワクチン接種の必要を説いている。

     慎重派の主張に反することが起こったと語っているようである。

     それに対して多くの慎重派が反論したのである。

     ここではその代表として宮澤大輔氏をとりあげよう。

     宮澤大輔氏は1人亡くなったことでは、科学的には変わらないという。

     手を洗う救急医Taka氏は日本でも米国と同じことが起きると語ったが、それに対して宮澤大輔氏は、国によってリスク・ベネフィットは違うと考えるのが科学的だと反論している。

    疑問

     手を洗う救急医Taka氏の主張には、気になるところがある。

    ワクチン接種と死亡

     手を洗う救急医Taka氏は、「子どもの接種がもっと早く認められていたら」、今度の児童の死亡はなかったと考えているようである。

     しかしそう言うことのできる根拠はないのではないか?

     ちなみに今度死亡した児童について、NHK、朝日、その他の報道機関は「10代未満の未就学児」と報道していた。

    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220310/k10013524881000.html

    https://www.asahi.com/articles/ASQ3B63PYQ3BPLZB014.html

     3月15日の京都新聞は、その児童の父親が「生後10カ月の女児」と語ったと伝えている。

    https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/750059

     現在進められている5~11歳のワクチン接種では、「生後10カ月の女児」に対して接種が行われることはない。

    米国の死亡者数と日本の死亡者数

     手を洗う救急医Taka氏は、日本でも、米国で多くの子どもが死亡したことと「同じことが起きる」と語っている。

     しかし日本でも米国でも2年以上、新型コロナウイルスの感染が広まって数度の波が起こっている中で、米国と日本とで死者数がけた違いであるにもかかわらず、「同じことが起きる」ということができるのであろうか?

    https://www.ipss.go.jp/projects/j/Choju/covid19/index.asp

    ワクチン接種のリスク

     手を洗う救急医Taka氏は、ワクチン接種のリスクを問題としていないようである。

     ワクチン接種にはベネフィットしかない、それゆえに接種を進めない手はないと考えているようである。

     それでいいのであろうか?

     慎重派はリスクを問題としている。

    https://cocoro-mi.com/5-11-children-covid-vaccine-risk-benefit/

    「承認にかなり時間をかけた」ということ

     手を洗う救急医Taka氏は、日本で「承認にかなり時間をかけ」たことを問題として、「これは科学的な態度ではないし検証が必要です」とまで言っている。

     「日本では亡くなった例はないことから」、「承認にかなり時間をかけ」たことは「科学的な態度ではない」というのである。

     しかしそれまで児童の亡くなった例のない国で、児童のワクチン接種の承認に時間をかけることは、それこそ「科学的な態度」ではないか?

     逆に、手を洗う救急医Taka氏のように、「日本では亡くなった例はない」にもかかわらず、承認に時間をかけてはならないということは「科学的な態度」であるのか?

    独裁気質

     以上のように、手を洗う救急医Taka氏の考えは異論のあるものである。

     ところが手を洗う救急医Taka氏は自分の考えが正しいと信じて疑わない。科学的だと信じて疑わない。

     そして手を洗う救急医Taka氏と違う考え人は科学的ではないとみなしている。

     5~11歳のワクチン接種が始まる前に慎重な意見が出ていたが、手を洗う救急医Taka氏はそういう意見と議論を戦わせることもなく、すでにきまったことのように「こびナビ」のリーフレットを紹介していた。

     手を洗う救急医Taka氏は、自分は科学的で、自分と異なる者は科学的でないと固く信じていたのである。

  • 新型コロナウイルス第6波収束についての「専門家」手を洗う救急医Taka氏の予測について

    新型コロナウイルス第6波収束についての「専門家」手を洗う救急医Taka氏の予測について

     手を洗う救急医Taka氏は2月初めに日本でのオミクロン株の感染がその後にどうなるか、予測していた。

     それから1カ月たって、振り返ってみた。

    第6波のピークアウト

     手を洗う救急医Taka氏が三浦瑠麗氏の出した予測に対して「ほぼ確実に外すと思います」と言ったことは、前にも取り上げた通り。

     三浦氏とは異なる予測をもっていたわけである。

     実際にはどうなったか?

     2月はじめにピークアウトしたようである。

    オミクロン株の収束のしかた

     手を洗う救急医Taka氏は、オミクロン株の収束のしかたについても予測していた。

    https://maidonanews.jp/article/14542544

     その主張は、佐々木俊尚氏が引用している通りである。

     手を洗う救急医Taka氏は、オミクロン株の「世代時間が短い」ことに着目した。

     そして「デルタに比べて『世代時間が短い』ということが急速な感染拡大に大きく影響しています」という。

     具体的には、

    木下「実効再生産数が2で、世代時間が5日の場合、10日間のうちに感染者は2×2で4倍にしかなりません。しかし、オミクロンのように世代時間が2日の場合、2日に一度2倍の割合で増えていくので32倍にもなるのです」

    まいどなニュース 専門医、オミクロンからは「逃げきれる」 基本的な感染対策の継続が条件

     このように増えるときには「一気に増える」が、減る時には「一気に減る」という。

    木下「感染対策をしたり、集団の中で免疫を持つ人が増えたりすると、実効再生産数が落ちてきて、実効再生産数が1を切った瞬間から収束に向かいます。オミクロンの場合、世代時間が短いので、実効再生産数が0.5になると10日間で32分の1まで感染者が減ります。倍々で増えていくし、倍々で減っていくということです」

    まいどなニュース 専門医、オミクロンからは「逃げきれる」 基本的な感染対策の継続が条件

     記事のタイトルで「オミクロンからは「逃げきれる」」というのはそのことと関係があるようである。

     実際にはどうなったか?

     「一気に増え」たが、「一気に減」ってはいない。

     上に挙げた東京都もそうであるが、全国も同様。

    情報提供:NHK

     1月はじめから2月はじめにかけて、「一気に増え」た。

     2月はじめから減り始めたが、3月になってもまだそれほど減っていない。

     ところで手を洗う救急医Taka氏は3月10日に次のようなツイートをリツイートしている。

     「1月はじめのころには多くの専門家が「ピークを迎えれば急降下」と考えていた第6波。なのになぜ緩やかにしか下がらないのか??」というのである。

     手を洗う救急医Taka氏がそういうことを語っていたのは2月9日の記事であったが、その「専門家」に含まれるのではないか。

     このツイートの主張は次の通り。

    ①感染者に占める子どもの割合が増えている。

    (子どもがワクチン接種していないことを問題としている)

    ②世代期間が短いため、接触者調査や広い検査によって感染者を早期に見つけて隔離する対策の効果が薄れている。(一方で、世代期間が短いと、接触機会の減少や免疫獲得による感染制御の効果は大きく現れる)

    (「接触者調査や広い検査によって感染者を早期に見つけて隔離する対策」ではなく「接触機会の減少や免疫獲得による感染制御」をすべきだということか)

    ③ー1ワクチンや既感染によって獲得した免疫の効果が、経時的に低下している。

    (まず高齢者の免疫効果の低下を問題としている)

    ③ー2感染をひろげやすいと言われている若年~中年層は昨年の夏ごろに一斉にワクチンを接種して第5波の制御に大きく貢献したが、逆にそれから半年程度たったこれからは集団としての免疫の効果が急激に落ちていく可能性がある。

    (若年~中年層のワクチン接種が「第5波の制御に大きく貢献した」として、その層の免疫効果の低下を問題としている)

    ④伝播力が高く、従来のオミクロン株(BA.1)とも免疫的に異なるBA.2が国内で広まり始めている。

     以上の分析は、高齢者、中年層、若年層、子どものワクチン接種を進めることにつながるようである。

    「専門家」の問題

     ここで問題にするのは「専門家」ということである。

     上でとりあげた第6波の収束についての手を洗う救急医Taka氏の記事は「専門医」によるものと題されている。

     手を洗う救急医Taka氏は、新型コロナウイルスに関して「専門」ということを重視する人である。

     上のツイートをリツイートしたその少し前に、専門家でない者がいかに専門家からかけ離れているかについて語っている。

     その次の日にも、専門家でない者が専門家に対して反論することを問題としている。

     たしかに専門家でない者が「最低限の議論の土台となる前提知識もないのに」、専門家に食ってかかっても、意味がない。

     そこで手を洗う救急医Taka氏は、自身のことを当然のように専門家としている。

     上で取り上げた第6波の収束の予測の記事にもタイトルに「専門医」とある。

     しかしその予測は正しくなかった。

     古瀬氏は「1月はじめのころには多くの専門家が「ピークを迎えれば急降下」と考えていた」が、そうならなかったと語っている。

     「多くの専門家」が正しくなかったということである。

     2月はじめに手を洗う救急医Taka氏の予測をとりあげていた佐々木俊尚氏は、陰謀論にとらわれずに「専門家」を尊重することを説いている。

     佐々木氏は、ウクライナ問題でも、新型コロナウイルスに関することでも、陰謀論にとらわれずに「専門家」を尊重することを説いている。

    陰謀論や誤解の数々は、専門家たちの「共有されている認識」とかけ離れている

    東洋経済 ウクライナ侵攻「正しい情報」見抜くプロの読む力「陰謀論、間違った情報」にだまされない秘訣

    https://toyokeizai.net/articles/-/536199

     しかし第6波の予測に関しては、手を洗う救急医Taka氏を含めて「多くの専門家」が正しくなかったと言われている。

  • ロシアのウクライナ侵攻で日本に対立を引き起こす橋下徹氏

    ロシアのウクライナ侵攻で日本に対立を引き起こす橋下徹氏

     2022年2月下旬にロシアがウクライナに侵攻を始めた。

     ウクライナは抵抗の姿勢を示した。様々な国でロシアに対する非難の声が挙がった。

     その中で、日本では橋下徹氏の発言が物議をかもしている。

    橋下氏の主張について考える

     3月4日のグレゴリー・アンドリー氏の発言を取り上げた記事に対する橋下徹氏の発言をとりあげてみよう。

    「感情抜きの冷厳な戦況・見通し分析」

     橋下氏は「感情抜きの冷厳な戦況・見通し分析」をもとめている。

     橋下氏によると、「日本でも西側諸国でも」、政治家や専門家は「国際秩序が重要!プーチンは許してはならない!」と「感情を爆発させるばかり」。

     それに対して「感情抜きの冷厳な戦況・見通し分析」が重要だと主張しているようである。

    「感情抜きの冷厳な戦況・見通し分析」の具体的内容

     橋下氏が重要だという「感情抜きの冷厳な戦況・見通し分析」とは、具体的にはどういうことか?

     上に引用したところでは「軍事力・兵器比較、今後の見通し、ロシアが瓦解するのはいつなのか、中国の支援があれば経済制裁はどうなるのか、今の経済制裁は中途半端ではないかなどの分析」と言っている。

     また「ウクライナの獲得目標」が重要ともいう。

     「太平洋戦争時の日本」を例として挙げて、「獲得目標抜きで抵抗できるところまで抵抗するの精神論」ではなく、「冷厳な分析と判断力、頭を下げる外交の知恵」がなくてはならないと語っている。

     具体的には、「抵抗」か「住民避難」か「中国の外交的介入」かということのようである。

    「逃げろ!」

     橋下氏の主張は「逃げろ!」ということのようである。そして「戦え!」というアンドリー氏に反対している。

     橋下氏は、ウクライナが抵抗しても、ロシアをやっつけることはできないという「分析」をもとに、ウクライナの国民を国外に避難させて、西側諸国がロシアを倒すべきだ、と考えているようである。

    橋下氏の主張の気になるところ

     橋下氏の主張には色々と気になるところがある。

    誰と戦っているのか?

     第一に、橋下氏の主張は相手のグレンコ・アンドリー氏の主張とかみ合っていないようである。

     グレンコ・アンドリー氏は次のように語っている。

    「ただ現時点で少なくとも食い止められているし、またロシアに対する世界の目が厳しいわけですから、どんどんロシアに対する制裁が強くなっていく一方、その状態でロシアを疲弊させるチャンスでもあるんですね。逆にウクライナはこの時点で降伏したら、世界が今実施した制裁は残るんでしょうけど、これ以上のさらなる措置を実施する動きも鈍ってくる可能性があるんですね。それは最終的に、ロシアはこういう野蛮な侵略戦争を起こしても代償を支払わないということにもつながるんですね。なので、まだ食い止められるうちは戦おうという判断なので、誰も国民の総玉砕を目指しているわけではありません。このあたりはご理解いただきたいです」

    スポニチANNEX ウクライナ出身の政治学者アンドリー氏 橋下氏との討論振り返り「誤解のないように言っときますけど…」

     このようにアンドリー氏は「国民の総玉砕」を目指しているのではなく、「まだ食い止められるうちは戦おうという判断」をしていると語っている。

     そういうアンドリー氏の主張を橋下氏が「抵抗」一辺倒とみなして、それに対して「感情抜きの冷厳な戦況・見通し分析」を主張することは的はずれである。

     アンドリー氏は「感情抜きの冷厳な戦況・見通し分析」をしている。

     橋下氏は「日本でも西側諸国でも」、政治家や専門家は「国際秩序が重要!プーチンは許してはならない!」と「感情を爆発させるばかり」と語っている。

     中にはそういう人もいるかもしれないが、「感情抜きの冷厳な戦況・見通し分析」をしている人も少なくないのではないか?

     橋下氏は頭の中で勝手に敵を作り上げてその敵と戦っているように見える。

     そのことによって余計な対立を引き起こしているように見える。

    流動する現在

     橋下氏の「感情抜きの冷厳な戦況・見通し分析」とは、ウクライナが抵抗してもロシアをやっつけることはできないということのようである。

     そういう分析をもとにして、ウクライナの国民は国外に避難することを主張しているようである。

     しかしその前に、アンドリー氏が言うように、流動する現在があるのではないか?

     現に、ロシアが侵攻を始めた時に考えられていたのと比べて、ウクライナが踏みこたえているということもある。

     流動する現在から考えなくてはならないのではないか?

     橋下氏は、その流動する現在を否定しているのではないか?

     橋下氏によると、答えはわかっているのに、他の政治家、専門家はわかっていないかのようである。

     実際には、答えはわかっていないのではないか?

    リアリズム

     橋下氏は、リアリズムを主張しているように見える。

     しかし流動する現在を否定するのではリアリズムに反することにならないか?

     そもそも橋下氏がリアリズムをとるのであれば、自分の主張が現実に行われるようにすべきではないか?

     日本国内の多くの人を説得できず、逆に多くの人に反発されている現状は、橋下氏自身にリアリズムが欠けていることを現わすことではないか?

    ウクライナの主体性

     橋下氏の頭の中では、ロシアに対して戦うというウクライナ国民の主体性がなくなっているようである。

    「太平洋戦争時の日本」

     橋下氏は「太平洋戦争時の日本」を例としてウクライナの「抵抗」に反対している。

     たしかに当時の日本では「勇ましいこと」を言って「感情抜きの冷厳な戦況・見通し分析」をおろそかにするところがあったが、それだけではない。

     抵抗せずに降伏することは必ずしもいいことばかりではない。

     日本は降伏していいこともあったが、悪いこともあった。

     有馬哲夫氏はそのことについて論じている。それに対してまた橋下氏は反論している↓

     橋下氏は、本来の当事者はNATOであるのに、ウクライナを犠牲にしているとみている。そしてそのことを問題としている。

     NATOにも責任があるとか、NATOはもっと努力すべきだとかいうことはできるかもしれない。

     しかしロシアとウクライナの戦争で、ウクライナが主体的にロシアと戦っているのに、ウクライナはNATOの犠牲になっているから、NATOとロシアで政治的妥結をはかるべきだというのは、それこそウクライナの主体性を無視しているのではないか?

    いきすぎ

     池田信夫氏に対する下のような橋下氏のツイートなど、意味がわからない。

  • 中国はロシアのウクライナ侵攻をどう考えるのか?

    中国はロシアのウクライナ侵攻をどう考えるのか?

     2022年2月4日に行われた北京冬季五輪開会式では、米国をはじめ多くの国が政府関係者を送らない「外交的ボイコット」をしたが、ロシアのプーチン大統領は出席した。

     開会式に先立って、プーチン大統領と習近平中国国家主席とは会談を行い、共同声明を発表した。

    https://www.bbc.com/japanese/60262771

     2月20日に五輪の閉会式が行われた。

     その後に、ロシアはウクライナに侵攻を始めた。

     中国はそのロシアの行動をどう考えているのか?

    いとぐち

     ロシアがウクライナ侵攻を始めるまで、中国の人は、ロシアの侵攻などない、英米が自分の利益のために煽っているだけだと語っていた。

     「人民網」も、「中国に帰った中国人」宋文洲氏も、そうであった。

     実際には、ロシアが侵攻を始めた。

     「人民網」も、宋文洲氏も、間違えていたわけである。

     その間違いは、個人の問題にとどまることでなく、中国と関わることである。

     宋文洲氏は、中国を代表しているように見える。

     人民日報は、中国共産党中央委員会の機関紙である。

     宋文洲氏も、「人民網」も、中国と親しいロシアは、英米のような悪いものではないゆえに侵攻などしない、と語っていた。

     ところがロシアは侵攻という悪いことをした。

     中国側は、あれほど自信をもってしていた予測を外したことになっている。

     あれほど英米を馬鹿にしていたのに、英米が警戒したような悪いことをロシアが実行したので、英米が正しくて、中国は間違っていたことになっている。

     中国はロシアに裏切られたのであろうか?

     とはいっても、中国はその後もロシアより米国を攻撃し続けているようである。

     それとも実は知っていたのであろうか?

     ウクライナ国境にロシアが軍を集結させていた状況では、米英のように侵攻に警戒する方が自然で、中国のように米英が自分の利益のために煽っているときめつける方が不自然ではないかとも思うが、中国にとっては自然だったのであろうか?

    検証

    問題提起

     五輪が開幕して間もない2月6日、宋氏は「ロシアがウクライナを侵攻する」というのは、米国が「政治作戦」として言っていることだと語っていた。

     米国が悪い、米国が「陰湿」だというのである。

     そして「結果を見守ってください」と語っている。それほどその予想に自信をもっていたわけである。

     漫画は前から引用していたと思うが、米国が各国を従わせているということをあらわしているようである。

     今度のことも、米国が悪い企みに各国を従わせようとしているということであろうか。

     宋氏はこのようにその予想によって米国をはじめとする様々な国、人を馬鹿にしてきていた。

     宋氏の予想が覆ると、そのことも覆ることになる。―上に挙げられた国々ではなく、宋氏自身が誤解のとりこになっていたわけである。

     2月9日に宋氏は、米国とロシアと、「誰が嘘吐きかを確認する良い機会」だと言っている。

     たしかに「良い機会」である。

    2月16日侵攻説

     2月16日にロシアが侵攻する、とバイデン米大統領が語った。

     宋氏はそのことを問題としている。

     その予測は外れると思っていたようである。

     2月15日。

     そして2月16日。

     予測は外れた、というわけである。

     しかし実際には、それから間もなくロシアがウクライナに侵攻した後から振り返ると、必ずしも予測が正しくなかったとは言えない。

     ロシアは、予測通り、ウクライナに侵攻する意図を持っていたからである。

     この場合、時期の予測が当たらなかったことは、それほど大きな問題ではない。駆け引きがあるからである。

     ロシアが侵攻する意図をもっていなかった場合には、米国が空騒ぎしただけであったということになる。そうであったならば、宋氏の批判は正しい。しかし今回そうではなかった。

     逆に、宋氏が何故にあれほど自信満々にロシアは侵攻しないと思い込んでいたのか、気になる。

    英米の目標

     宋氏は当初、英米がロシアによるウクライナ侵攻に警鐘を鳴らすのは、英米自身の利益のためときめつけていた。

     まず米国は次のような利益のためにロシアがウクライナに侵攻すると煽ったと語っている。

     次に、「米国がEU経済と独自軍事体制を打撃するため」という。

     「ロシアと欧州との連帯を阻止する」という目標があるという。

     米国の真の狙いはロシアから欧州へのエネルギー供給を排除することだと語っている。

     本質は欧州と米国の戦いと語っている。

     ここまでのことをまとめると、パイプラインによるロシアから欧州へのエネルギー供給を止めることによって、ロシアと欧州との連帯を阻止し、その代わりに米国のガスと武器を押収に売るために米国は動いているというのである。

     英国も米国とともに欧州とロシアとの連帯を阻止しようとしているということであろうか。

     人民網でも同様に、米国が扇動して、欧州と対立していると言われている。

    内政面で実績に劣るバイデン政権は、ウクライナ問題を利用して国民の関心をそらすとともに、ロシアを共通の敵に仕立て上げることで欧州の同盟国を抱き込み、米国が主導・掌握・コントロールする欧州秩序を維持する必要がある。そのため、ウクライナ情勢の緊張が続くことは米国の利益に資するのだ。しかし、ウクライナをめぐる軍事衝突の発生が米国に及ぼす影響は限定的だが、欧州諸国には難民の大量流入、対露制裁による巨額の経済的損失、「ノルドストリーム2」プロジェクトの頓挫といった耐え難い結果をもたらす。だからこそ、欧州はウクライナをめぐる衝突の回避を最重要目標としているのだ。

    人民網日本版 2月17日 ウクライナ情勢の誇張、米欧それぞれに思惑

    http://j.people.com.cn/n3/2022/0217/c94474-9959431.html

     この記事にあるように、バイデン政権が現在低下している支持率の対策として、ロシアによるウクライナ侵攻を言い出したということは、宋氏も言っている。

     次の記事も同様。

     2月21日の記事でこういうことを言っていることからも、ロシアと中国との間で意思疎通がなかったのではないかと思われる。

    米国政府はロシアが近くウクライナに「侵入」するとの宣伝を連日繰り返している。ロシア側がウクライナへの武力行使の意図はないと繰り返し強調し、米国と始めとする西側に対しその安全保障上の懸念を真剣に受け止めるよう望む中でもなお、米政府は「侵略はいつでも起こり得る」と言い張っている。戦争の危機を誇張・宣伝し、意図的に緊張をつくり出す米側のこうした行為は、不信と分断を激化させ、ウクライナ危機及びこれに関係する問題の適切な解決を妨げるだけだ。

    人民網日本語版 2月21日 戦争の危機の誇張・宣伝はウクライナ危機の解決に無益

    http://j.people.com.cn/n3/2022/0221/c94474-9960881.html

     ロシアがウクライナに侵攻した後からみると、米英は警戒すべきことを警戒していたと思われる。

     宋氏や人民網が語ることは、空想のようである。

    イラク戦争

     米国がロシアはウクライナに侵攻すると語ったことを、宋氏は、イラク戦争の時に米国が語っていたことと同じようなこととみなしていた。

     2月18日のツイート。

     2月21日のツイートでも、両者を全く同じようにみなしている。

     イラク戦争の時と同じように、今度も米国は自国の利益のために口実を設けて戦争を始めようとしているというのである。

     英国に対しても同じように批判している。

     こういう論法は2月10日に趙立堅氏がやっていた。

     これをみると、中国政府もそう考えていたように見える。

     実際には、米国が語っていたように、ロシアはウクライナに侵攻した。

     中国政府も、米国の過去の行動から導き出したパターンにとらわれていて、ロシアの実情を知ることができなかったのであろうか?

    米国の情報網

     宋氏は、はじめ米国の情報力を馬鹿にしていた。

     2月19日には、『米国の「情報力」は凄い』と皮肉を言っている。

     「偽情報をばら撒く米国」と言うのである。

     2月20日にも『米国の「情報力」』を馬鹿にしている。

     イラク戦争などのパターンによってみるのが正しいと思い込んでいたようである。

     2月20日にも、米国の「情報力」を馬鹿にしている。

     アフガニスタンの時のことをもちだしている。

     このように宋氏は米国の「情報力」を繰り返し馬鹿にしていた。

     ところが、2月25日には、宋氏は米国の情報力がすぐれていることを認めている。

     米国の情報が正しかったことが明らかになったからである。

     ついでに宋氏がリツイートした中華人民共和国駐大阪総領事のツイートもとりあげておこう。

     2月19日のツイートで、米国に対して「戦争デマをばらまく」と語っている。

     「戦争で血をすってきた凋落覇権アメリカが世界平和が続くと持たない」というのは、宋氏と同様の見方。

     逆にそれこそ「デマ」ではないか?

     それにしても総領事として言葉遣いが「異常」。

    謝罪

     宋氏の以上の見通しは外れた。

     現実にロシアはウクライナに侵攻した。

     米英が自国の利益のために語っていたのではなかった。

     宋氏自らそのことを認めて謝罪している。

     宋氏は、「プーチンはまるで別人のようで…」と語っている。

     宋氏がそれまで見て、予想していたのとは別人のようにプーチン大統領は動いたというのである。

     それまで宋氏はプーチン大統領を擁護していたが、現実のプーチン大統領は擁護できないことをしたと考えているようである。

     しかしまた「そこまで追い込まれたのか」というように同情してもいる。

     宋氏はロシア国内の専門家にとっても想定外であったという記事を引用している。

     宋氏は侵略を支持しないという。

     ただし同時に米国に反対することを忘れない。

    中国の態度

     宋氏はそれぞれの時の中国の態度を伝えている。

     2月13日のツイート。

     後から見ると、事情を知っていたロシア、米国に対して、中国は事情を知らずにいたのではないかとも思われる。

     2月22日。ウクライナ東部の親ロ派地域の独立をプーチン大統領が承認したことを受けて。

     ロシアに対しては賛成できないという。

     しかしまた米国も悪いということは言い続ける。

     2月25日。ロシアによるウクライナへの全面侵攻開始を受けて。

     やはりロシアも悪いが米国も悪いという主張。

     「ロシア」という言葉が出てこない。

    まとめ

     ロシアがウクライナに侵攻するまで、宋文洲氏も人民網も、英米がそのことをいうのは自分の利益のためだと語っていた。

     実際にはロシアはウクライナに侵攻した。

     宋氏等の予想は外れた。

     ロシアと中国とは一致していないようにも見える。

     それとも実は一致しているのであろうか?

     いずれにせよ宋氏等はその後、ロシアと距離をとりながらも、ロシアを攻撃せず、米国等に対する批判を続けている。

     2月25日には、プーチン大統領と習近平国家主席との間で電話会談が行われた。

    ロシアのプーチン大統領は25日、中国の習近平国家主席と電話会談し、ウクライナとハイレベル協議を開催する意向があると述べた。習主席は、ロシアとウクライナの対話を通じた問題解決を支持すると伝えた。中国外務省が協議内容を公表した。

    REUTERS 2022年2月25日 プーチン氏「ウクライナとハイレベル協議の意向」、中国主席に表明

    https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-china-xi-idJPKBN2KU1CO

     距離をとりながらも連携するかたちか。

     ちなみに3月4日から13日まで開催される北京パラリンピックはどうなるのであろうか?

     プーチン大統領は、北京五輪の開会式に出席して、閉会式の後にウクライナへの侵攻を始めたので、北京五輪を立てたようである。

     しかしウクライナ侵攻という大事件によって、北京五輪の印象は薄れているのではないか?