カテゴリー: 政治

  • なぜか宮澤大輔氏と対決しない知念実希人氏 5~11歳のワクチンをめぐって

    なぜか宮澤大輔氏と対決しない知念実希人氏 5~11歳のワクチンをめぐって

     2022年2月21日、泉大津市は5~11歳のワクチン接種について、接種券を送付せず、希望者が申請すると発表した。

     それに対して知念実希人氏は、「とんでもない決定」、「許されない」こととするツイートを拡散した。

     そういう知念氏のやり方に疑問を感じた。

     そもそも接種券を送付しないということは、宮澤大輔氏によるところが大きい。ところが知念氏はなぜか宮澤氏と対決しない。そのことにも疑問を感じた。

    泉大津市の決定

     そもそも今度の5~11歳のワクチンは、オミクロン株に対するエビデンスが十分にないことから、努力義務の規定は適用されないことになっている。

     厚生労働省も次のように説明している。

    小児については、現時点において、オミクロン株に対するエビデンスが確定的でないことも踏まえ、小児について努力義務の規定は適用せず、今後の最新の科学的知見を踏まえ、改めて議論することが適当であるとされました。

    新型コロナワクチンQ&A なぜ小児(5~11歳)の接種は「努力義務」が適用されていないのですか。

     泉大津市の決定は、その厚生労働省の決定をもとにしている。

    現在、この年齢層への接種の安全性やワクチンの効果などに関する十分な情報やデータが揃っておらず、予防接種法の努力義務の規定は適用されていないことから、接種券の一括送付は行わないため、接種を希望する人は、必ず事前に申請をしてください。

    泉大津市 5歳から11歳の新型コロナワクチン接種について

     努力義務ということは、予防接種法に次のように定められている。

    (予防接種を受ける努力義務)
    第九条 第五条第一項の規定による予防接種であってA類疾病に係るもの又は第六条第一項の規定による予防接種の対象者は、定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種(同条第三項に係るものを除く。)を受けるよう努めなければならない。
     前項の対象者が十六歳未満の者又は成年被後見人であるときは、その保護者は、その者に定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種(第六条第三項に係るものを除く。)を受けさせるため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

    昭和二十三年法律第六十八号 予防接種法

     努力義務とされると、「対象者」は「予防接種」を「受けるよう努めなければならない。」のであり、「保護者」は「予防接種」を「受けさせるため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」のである。

     知念氏は、「努力義務」ということは「任意」ではないということだと語っている。

     そして今度の5~11歳のワクチンでも「任意でいい」と語っている。

     泉大津市が接種券を一括送付せずに、希望者が申請するようにしたことは、接種を任意にするためではないか?

     それを知念氏のように「とんでもない決定」とか「許されないこと」とかいって、たたきつぶそうとすることには違和感がある。

     逆に、道徳義務の規定は適用しないとされたにもかかわらず、接種券を一括送付しなくてはならないという方が説明を要するのではないか?

     知念氏はツイッターの自己紹介に「エビデンスに基づいた有用な情報提供を心掛けております」と書いているが、今度のワクチンが「小児については、現時点において、オミクロン株に対するエビデンスが確定的でないこと」に「基づいた有用な情報提供」はできているのか?

    反「反ワクチン」の問題

     知念氏は泉大津市長を「反ワクチン活動を行っている」として、その市長による決定を批判している。

     次のツイートでも、泉大津市長を「様々な反ワクチン運動にかかわっている危険人物」とよび、「非科学的なイデオロギーで市民の生命を危険に晒しています」と語っている。

     しかし接種券を一括送付しないということは、必ずしも「反ワクチン」ではない。必ずしも「非科学的なイデオロギー」ではない。

     それを「反ワクチン」ときめつけて攻撃することは、正しくないのではないか?

     接種券を送付するかどうかを問題としている時に、市長のその他の活動は関係ないのではないか?

    なぜ宮澤大輔氏と対決しないのか?

     泉大津市のように、5~11歳のワクチン接種について、自治体が接種券を送付せず、希望者が申請するようにすべきだということは、宮澤大輔氏によるところが大きい。

     宮澤氏がその考えをツイッターで広めてきたのである。

     宮澤氏がツイッターでその考えを広めていく間、知念氏は放っていて、泉大津市の決定が出て突然大変なことが起こったかのように問題としていることは、奇妙に見える。

     知念氏が泉大津市の決定に対して「とんでもない」とか「許されない」とか考えるのであれば、それより前からそういう考えを広めていた宮澤氏と対決すべきではなかったか?

     日本全国の5~11歳の子どもにとっても、保護者にとっても、できるだけ議論を尽くすべきだと思われるのに、何故に知念氏は宮澤氏と議論を尽くさなかったのか?

     宮澤氏は繰り返し議論を求めていたのに、何故に答えなかったのか?

    宮澤大輔氏と対決しない知念実希人氏

     知念氏はなぜか宮澤氏と直接に対決せずに、次のようなことをしている。

    「殺害予告」

     知念氏は宮澤氏を「私に殺害予告をした医師」とよんでいる。そしてその証拠を出している。

     これは「殺害予告」であろうか? これをもって宮澤氏を「反社会的な人物」とよぶことができるであろうか?

     知念氏にとって宮澤氏は「殺害予告をした医師」として印象づけられたのかもしれない。

     しかし宮澤氏は多くの場合、新型コロナウイルスに関すること、ワクチンに関することで知念氏に問いかけていた。

     それにもかかわらず宮澤氏を「殺害予告をした医師」とよぶことは、偏った印象を与えることではないか?

     宮澤氏の主張と対決せずに、「殺害予告をした医師」という印象を与えているように見える。

     ここでも宮澤氏について「私に殺人予告をした眼科医」と言っている。

     知念氏が宮澤氏と対決してその主張をことごとく論破しているならば、「専門家でもなんでもなく、適当なことを言っているだけですよ」と言うことにも説得力があったかもしれない。

     実際にはそういうことはないので説得力はない。

    「ありきたりの情報」

     宮澤氏の批判を受けた知念氏のツイート。

     宮澤氏が知念氏について「ありきたりの情報を偉そうに語ってる」というのは、下のツイートをもとにしている。

    https://twitter.com/blanc0981/status/1496371195557855234?s=20&t=6H42788JWRGJSvhR8py37g

     宮澤氏のツイートと、それに対する知念氏のツイートとを比べてみると、知念氏に対して疑問を抱かざるを得ない。

     宮澤氏は知念氏に対して具体的な反論を出している。

     それに対してエビざんす氏のように「コロナ情報にオリジナリティはいらんやろ」と言い、「それこそ『ぼくのかんがえたさいきょうのころなたいさく』でしかない」と言っても、宮澤氏を論破したことにはならない。

     そういうエビざんす氏の、宮澤氏と対決せずに戯画化しただけツイートを、知念氏が引用して笑っている。

     ここでも、宮澤氏との対決という中身なしに、宮澤氏が笑うべき存在であるかのような印象をつくっているのである。

     前に書いたこともそのことと通ずるところがある↓

    おわりに

     知念実希人氏等「医クラ」と言われる人々が子どものワクチン接種について積極的な発言をなす中で、宮澤大輔氏が異論を出していたにもかかわらず、知念氏等が宮澤氏に答えず、対決しないままで、子どものワクチン接種が進められていったことは、奇妙なことであった。

     そして泉大津市の決定が出たところで、知念氏が突然「非科学的」な「反ワクチン」として否定するように扇動したことも、奇妙なことであった。

     何故に議論を尽くさないのか?

  • 【朗報】手を洗う救急医Taka氏、第6波のピークアウトについて予測した上、検証しましょうという!

    【朗報】手を洗う救急医Taka氏、第6波のピークアウトについて予測した上、検証しましょうという!

     2020年2月4日に三浦瑠麗氏が発表した新型コロナウイルス第6波の「ピークアウト」予測に対して、手を洗う救急医Taka氏が次のように発言した。

     「ほぼ確実には外すと思います」と言った上で、「しっかり検証しましょう」と言ったのである。

     これまでの新型コロナウイルスについての「専門家」の予測にモヤモヤしてきた人にとって朗報ではないか?

    予測をめぐる問題

     これまで新型コロナウイルスについての「専門家」の予測には、モヤモヤするところがあった。

    ・2021年夏の第5波について、西浦博氏等の「専門家」の予測は、現実より過大であったとか、

    ・2021年に、手を洗う救急医Taka氏などワクチン接種を推し進める人がワクチンの力について語ったことは過大であったとか、

     そういうことがあったにもかかわらず、「専門家」はそのことを問題とせずに、先に進もうとしているように見える。

     一方で「専門家」は、「専門家」でないと言われる人の予測を見下しているようである。

    期待

     今回、手を洗う救急医Taka氏は、三浦氏の予測に対して「ほぼ確実に外すと思う」と言った上で、「しっかり検証しましょう」と言っている。

     三浦氏の予測に対して「ほぼ確実に外すと思う」と言うことは、手を洗う救急医Taka氏が自ら、三浦氏の予測は「ほぼ確実に外す」という予測を出しているということである。

     手を洗う救急医Taka氏はどういう根拠によってそういう予測を出すことができたのか? 三浦氏の予測に対して「ほぼ確実に外すと思う」と言うことができるほどの根拠とはどういうものであったのか? 知りたいところである。

     手を洗う救急医Taka氏のような専門家がここまで強く言っているのであるから、十分な根拠があると思うが、手を洗う救急医Taka氏の予測が現実に正しかったかどうかも、確かめておかなくてはならない。

     手を洗う救急医Taka氏は「しっかり検証しましょう」と言っている。

     手を洗う救急医Taka氏は、予測に対して「しっかり」とした「検証」が行われなくてはならないという考えを示しているのである。

     三浦氏の予測に対しても、手を洗う救急医Taka氏の予測に対しても、「しっかり」とした「検証」が行われなくてはならないということである。

     三浦氏の予測、手を洗う救急医Taka氏の予測が、現実に合っていたかどうかということについて「しっかり」とした「検証」が行われたならば、モヤモヤはなくなって、感染の動向についての理解が深まるとともに、「専門家」に対して敬意をもつこともできる。

  • 大阪の感染対策は忽那賢志氏によって改善されたのではなかったのか?

    大阪の感染対策は忽那賢志氏によって改善されたのではなかったのか?

     新型コロナウイルス第6波で大阪は大変なことになっているという。

     大阪ではこれまでにも感染が拡大して東京を上回ることがあった。

     2021年7月に忽那賢志氏が大阪の感染対策に加わるという話があって、知念実希人氏などはそのことによって大阪の感染対策が劇的に改善されるかのように語っていた。

     ところが2022年はじめからの第6波でもまた大阪は感染拡大に苦しんでいるようである。

     知念氏などの語ったことに問題があったのではないか?

    これまで

     第6波より前にも、大阪の感染者数が東京を上回ったことはあった。

     たとえば2021年4月。

    https://www.jiji.com/jc/article?k=2021040400251&g=soc

     東京より人口の少ない大阪で何故にそういうことが起こるのか?

    忽那氏、大阪へ

     2021年7月に忽那賢志氏が大阪の感染対策に加わるという話があった。

     大阪府知事が忽那氏の意見を聞くようになったようである。

    「医クラ」の反応

     このことを受けて、「医クラ」はよろこびの声をあげた。

     このように絶賛している。

     知念氏等の語るところによると、

    ・忽那氏は「本物の専門家」である。

    ・忽那氏の意見が用いられることによって、感染対策は改善される。

    ・大阪府知事が忽那氏以前に聞いていたのは「本物の専門家」ではなかった。

    ・大阪府は「本物の専門家」の意見を用いなかったために、正しい感染対策ができなかった。

     たとえば知念氏は、忽那氏が東京を去って大阪に行ったことによって、東京で感染爆発が起こったと語っている。

     「本物の専門家」とそうでないものとを区別して、政治家が「本物の専門家」の意見を聞けば感染はおさまるが、そうでないと感染爆発すると語っている。

     吉村知事が忽那氏の意見を聞くようになって、「見違えるほどに感染対策がまともになった」と語っている。

     吉村知事が忽那氏の意見を聞くようになるまで、「大阪の新型コロナ対応は最悪だったというのが、医療関係者の共通認識だと思います」と言い切っている。

    第6波

     ところが第6波でもまた、大阪は感染拡大に苦しんでいるようである。

     2022年2月10日に、大阪府内の死者の総数が東京都の死者の総数を上回ったという報道があった。

    府内の死者総数は9日発表で3278人となり、東京都(3269人)を再び上回った。

    朝日新聞 大阪府でコロナ死者増加、東京の総数上回る 高齢者へ感染拡大

    https://www.asahi.com/articles/ASQ2B6QNKQ2BPTIL00W.html

     2月11日には、病床使用率が「全国ワースト」という報道があった。

     「人口10万人あたりの感染者数では、大阪が全国で最も多」いとも言われている。

    https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000244598.html

     2月16日の記事では「大阪府のコロナ確保病床の使用率が100%を超えています」と言われている。

     忽那氏は「東京などと比べて大阪で多い理由の一つは、まん延防止等重点措置のタイミングが遅かったことがあるかもしれません。」と語っている。

    https://www.asahi.com/articles/ASQ2H5SDRQ2GULBJ015.html?twico

     病床使用率100%ということについて。

    https://news.yahoo.co.jp/byline/kuraharayu/20220216-00282294

    批判

     こういう批判もある。

    https://twitter.com/chaosbalance_/status/1492254717225107456?s=20&t=6AGDe6nHhOZSgUj5_piW3Q

    大阪コロナ大規模医療・療養センター

     忽那氏は2月11日の記事で「これまでにないスピードで、軽症・中等症病床は埋まっている」と語っている。

     ところで大阪ではオミクロン株以前に、大阪コロナ大規模医療・療養センターというものがつくられていた。

     吉村知事の依頼で忽那氏が監修、責任医師をしている施設である。

     この施設の入所対象者は、

    ・宿泊療養施設がひっ迫した際の、軽症患者及び無症状患者(家族での療養なども想定)

    ・軽症中等症病床がひっ迫した際の、入院が必要な軽症患者及び中等症I患者

    とされている。

    https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20211107-00266989

     ところが利用者は少ないと報道されている。

    https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000244655.html

     大阪府の発表↓

    https://www.pref.osaka.lg.jp/default.html

     2月18日の大阪府新型コロナウイルス対策本部会議で忽那氏は次のように言われたという。

     何故に2月18日になってもそういうことができないのであろうか?

    https://www.pref.osaka.lg.jp/kikaku_keikaku/sarscov2/70kaigi.html

    問題

     知念実希人氏等は、忽那賢志氏が加われば大阪の感染対策は「劇的に改善」するかのように語った。

     ところが忽那氏が大阪の感染対策に加わっているにもかかわらず、第6波において大阪の成績は全国最悪と言われている。

     どういうことであろうか?

     忽那氏による感染対策は、それほどすぐれたものではなかったのか?

     忽那氏が悪いのではなく、大阪にもともと感染拡大の原因になることがあるのか?

     いずれにせよ、忽那氏がいれば感染を抑えることができる、とは限らないということになる。

     また、忽那氏がいてもこれほど感染拡大するのでは、忽那氏より前も、忽那氏と比べて「最悪」と言われるほど悪くなかったかもしれない。

     「医クラ」と言われる知念実希人氏等は、実際にどうなるかわからないのに、甘い期待をもっていたのではないか。

     また、味方を過度に持ち上げて、考えの異なるものを過度におとしめているようにも見える。

     ワクチンに関しても、持ち上げすぎたのではないか?

     先のことをよく考えずにものを言っているのではないか? と思ってしまう。

    追記

     知念氏、大阪の感染状況の悪化の原因を次のように推測している。

    https://twitter.com/MIKITO_777/status/1496443276848943107?s=20&t=IVxS22paVHGqjlTLDPl3ag

    ・「泉大津市にガチガチの反ワクチン市長」がいることが大阪の感染状況の悪化の原因になっているとか(泉大津市長にそのような力があるのか?)

    ・反ワクチンの長尾医師が「吉本興業に所属して芸人に影響を及ぼし、そこから関西メディアでかなりのコロナ軽視、反ワクチン思想が蔓延している」とか(長尾医師にそのような力があるのか?)

     「エビデンス」のない陰謀論を展開している。

     大阪で何故に感染が拡大するのか、知りたいことではあるが、知念氏の語るようなことであろうか?

     長尾医師に対してそこまで言うか、ということも気になる。

     知念氏は「吉村知事はくつ王がバックについてから、見違えるほどに感染対策がまともになった」と語っていた。

     今も忽那氏は吉村知事のバックについていると思うが、そのことと現在の「感染状況の悪化」とはどういう関係にあると考えているのであろうか?

  • アフリカのオミクロン株の感染のピークアウトとワクチン

    アフリカのオミクロン株の感染のピークアウトとワクチン

     2022年1月半ば、アフリカの新型コロナウイルスの感染がピークを越えたという。

     もともと「オミクロン株」は、2021年11月末に南アフリカの保健当局が発見したと発表したものであった。

     その後に感染が拡大したが、1月半ばには収まってきているというのである。

    感染は「横ばいに転じた」

     1月13日のWHOの発表をNHKは次のようにまとめている。

    新型コロナの変異ウイルス、オミクロン株によって感染の拡大が続いてきたアフリカの状況について、WHO=世界保健機関は「新規感染者の数は横ばいに転じた」としたうえで、感染拡大の波はこれまでで最も短い期間で収束に向かうとの見通しを示しました。

    NHK オミクロン株で拡大のアフリカ感染者数「横ばいに転じた」WHO

    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220114/k10013429891000.html

     「オミクロン株」を初めに発見したと発表した南アフリカも、1日あたりの感染者数が12月17日に過去最多の2万3473人を記録した後、減少を続けて、1月16日には2659人になっている。

     ただしアフリカでもモロッコ、チュニジアなどは増加傾向にあるという。

    https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/countries-and-territories/south-africa/

    追記

     南アフリカの感染者数は2021年12月半ば以降、減少を続けているようである。

     死者数はそれより遅れて1月前半に跳ね上がって、減少しているように見えた後、また増加して2月中頃に跳ね上がったが、3月上旬には減少している。

    アフリカでのワクチン接種

     アフリカではワクチン接種が遅れていると言われている。

     2022年1月12日にWHOのテドロス事務局長はアフリカのワクチン接種が遅れていることを問題としている。

    テドロス事務局長は記者会見で、人口の40%にワクチンを接種する目標は90カ国以上で達成されていないほか、アフリカでは人口の85%以上がまだ1回目の接種も済ませていないと指摘。「世界で多くの人が接種を受けることができていない中、新型コロナの拡散を許してはならない」と述べた。

    REUTERS オミクロン株、重症化リスク低い 未接種者には危険=WHO

    https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-who-omicron-idJPKBN2JM1TT

     ところでワクチン接種が遅れているアフリカで、上に引用したように、感染拡大が収まってきているとすると、ワクチン接種が遅れていても感染は収まるということになる。

     南アフリカでは2022年1月16日現在、ワクチン接種完了は27.3%、完了していないものも含めると32.43%になっている。(オックスフォード大学「Our World in Data」)

    https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

     その南アフリカで感染が収まっているとすると、ワクチン接種が30%前後でも、感染は収まるということになる。

     テドロス氏も、オミクロン株について、「デルタ株と比べて重篤度が低い」が、「ワクチン未接種者は重症化する恐れがあると警告した。」というように、ワクチンの役割は重症化を抑えることにあると考えているようである。

     しかしまた「感染して入院している人の大部分はワクチン未接種者となっている」というように、ワクチンを接種することによって感染をおさえることができるとも考えているようである。

     テレ朝の記事によると、現地保健当局は「国民の60〜80%が新型コロナの感染をすでに経験しているとみられ、多くの国民が何らかの免疫を獲得している」と語っているという。

    https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000240998.html

  • 手を洗う救急医Taka氏の「接種者よりも非接種者の方が感染している割合が高い」という発言の気になるところ

    手を洗う救急医Taka氏の「接種者よりも非接種者の方が感染している割合が高い」という発言の気になるところ

     2022年1月12日、東京の感染者数が2198人と発表された。

     それまで1000人前後の日が続いていたのに、突然2000人を超えた。

     その発表を受けて手を洗う救急医Taka(木下喬弘)氏がツイートしたことが気になった。

    手を洗う救急医Taka(木下喬弘)氏の気になる発言

     気になったのは次のスレッド。

     木下氏は、今日の東京都の感染者数のうち、「ワクチン接種してる人半分しかいない」ことを問題としている。

     そして全人口の78%がワクチン2回接種済みという事実と考え合わせて、「接種者よりも非接種者の方が感染している割合が高い」という結論を出している。

    気になるところ

    全人口というところ

     まず、全人口のワクチン2回接種済みの割合ではなく、東京都のワクチン2回接種済みの割合を考えなくてはならないのでは?

    新規感染者の中のワクチン非接種者の割合

     次に新規感染者の中のワクチン非接種者の割合が問題となる。

     木下氏は引用しているNHKの記事で「全体の半数近い1071人がワクチンを2回、接種していました。」というところをもとにして、「ワクチン接種してる人半分しかいない」と言っているのであろうか。

     東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」の2022年1月12日の「最新のおしらせ」には次のように書いてある。

    2022年1月12日 【新規陽性者のワクチン接種状況】2回接種1,071人、1回接種26人、接種なし474人、不明627人

    東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト 最新のおしらせ 

     新規感染者2198人のうち、半数近くの1071人が2回接種済みであるが、その他の半数以上が接種していないということではない。

     非接種者は474人。

     その他に不明とされる人が627人いる。

    年齢層

     今回の感染拡大では、若年層の感染者数が多いと言われている。

     東京都の発表でも、20代が745人で最も多くなっている。(30代436人、40代302人、50代228人、10代201人と続く)

     10代では201人、10歳未満では107人の感染者が出ている。

     もともと接種に関しては年齢層によって区別してきている。

    https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0044.html

     それぞれの年齢層によって分けて考えなくてはならないのではないか?

    おわりに

     私はワクチン2回接種済みの人が多く感染しているということが印象に残った。

  • コロナ禍で医師が感染者を馬鹿にすることについて

    コロナ禍で医師が感染者を馬鹿にすることについて

     2022年1月、それまで新型コロナウイルスの感染がおさまっていた日本でも、感染が拡大し始めた。

     その中で、筋肉博士Takafumi Osaka@muscle_penguin_という人のツイートが話題になった。

    問題のツイート

     問題のツイート↓

     Dr.丼という人の「発熱外来の嘆き事例ミニ~第6波編~」の①から④までをとりあげている。

     筋肉博士という人はそれに続けて次のようなことを言っている。

    賛否両論

     Dr.丼も、筋肉博士という人も、認識不足ゆえに感染が起こっていることを問題としている。

     筋肉博士、Dr.丼が認識不足を戒める教えを広めたことに対して感謝している人も多い。

     しかし、筋肉博士、Dr.丼に対して批判している人も多い。

     両者が多くて、全体として多くなっている。

    疑問

     筋肉博士、Dr.丼に対して、気になるところがある。

     診察してこれこれの問題が見つかったとして、広く警戒を呼び掛けることは、有益なことであろう。

     しかしそのために個々の診察を公開することは、倫理的に問題があることではないか?

     しかも、患者を馬鹿にするかたちで公開している。

     そういう人の診察を受けたいであろうか?

     現実とは違う例を作り上げたのかもしれないが、それはそれで問題があるのでは?

     筋肉博士がDr.丼の四つの例から結論を引き出していることもよくわからない。

     認識不足によって感染は起こっているかのように語ることにも疑問がある。

     感染者を愚者として差別することにならないか?

     Dr.丼の挙げた例をみると、ワクチン2回接種をすませて、日本で10月から12月まで感染者数が極めて少なくなっていた中で、仲間内でマスクを外していた者が多いが、それほど批判されるべきことなのか?

     そもそも専門家でない人が、専門家の思うように行動していなかったということは、それほど批判されなくてはならないことなのか?

     新型コロナウイルスに関して専門家でない人も、それぞれの仕事をもち、専門をもっていて、新型コロナウイルスの専門家も他の面ではその恩恵を受けている。新型コロナウイルスの専門家が上位にいるのではない。

     筋肉博士、Dr.丼のように感染者を馬鹿にするやり方は、多くの人を、そういうやり方を避けるように導くであろうが、その感染者を馬鹿にするというかたちになる。

     一方で、感染者を馬鹿にすることに反発する人も多い。

     必要のない対立を作っていると思われる。

    四つの例

    例①

     ワクチン2回接種済みの大学生。

     年末年始に大学のグループ13人でキャンプに行ってマスクをしていなくて感染したという。

    女性「でも、コロナ、ずっと感染者いなくなってましたよね?」
    Dr.丼「いなくなってましたね…確かに。当院も10~12月は陽性者全然いませんでした」
    女性「でっしょ?だから、コロナもう終わったんだなーって思ってました。
    Dr.丼「いや…あの…終わっては…」

    発熱外来の嘆き事例ミニ~第6波編①~

     コロナはもう終わったと言って感染した人の認識不足を問題としているわけである。

    例②

     ワクチン2回接種済み。44歳男性。

     12月17日から29日まで13日連続で飲み会(職場6回、友人4回、家族1回、実家で親戚と2回)

    男性「いやー。感染経路不明ですよね。海外渡航とかしてませんよ!」
    Dr.丼「ハイ、感染経路不明デスネ。(棒読み)」
    男性「こうやってコロナは広がるんですね。」
    Dr.丼「コレダケ、飲ミ会ガアレバ、広ガリマスネ(棒)」
    男性「いや、時短営業にもなってないし、緊急事態宣言も解除されてますしね。飲みまくりました!」
    Dr.丼「飲ミマクリマシタネ…(棒読)」

    発熱外来の嘆き事例ミニ~第6波編②~

     これは連続の飲み会がいいかどうかということはあるが、ワクチン2回接種済みで、知り合いの間でマスクを外していたというケース。

     「飲ミマクリマシタネ…(棒読)」というところににじむ上から目線。

    例③

     74歳男性。ワクチン2回接種済み。心疾患。12月24日から12月29日まで、息子夫婦とどんちゃん騒ぎ、テーマパーク、旅行。

     これもワクチン2回接種済みで、身内と遊んでいたというケース。

    男性「オミクロンですかね?オミクロンだったらいいなあ!」
    Dr.丼「な、なぜですか?」
    男性「だってオミクロンは全員軽症なんでしょ?最高じゃないですか。」
    Dr.丼「あなたは高齢者なので、わかりません。基礎疾患もあるので、あなたは入院で、コロナの新しい治療薬の使用を検討します」
    男性「え?だってオミクロンだったらそんなのいらないんですよね?」
    Dr.丼「オミクロンかどうかわかるのは数日かかります。」
    男性「オミクロンだったら全員軽症ですよね?治療要らないんじゃないんですか?」
    Dr.丼「全員軽症ではありません!イギリスの最近の報告では、成人は入院率は1/3、小児では1/2になる程度です。1/100や1/1000になるわけではないのです。」
    男性「え?だってマスコミはオミクロンは全員軽症って言ってますよ?」
    Dr.丼「それに、重症化するのは数日後です。初診時に重症なわけではありません。初診時に中等症なわけでもありません。中等症になるのは数日後、そして重症になるのはさらにその後です!来院した時は全員軽症なのは当然なのです。」
    男性「えええ…?じゃあ、まだ、わからないってことですか?」
    Dr.丼「わかりません。だからこそ、ハイリスク要因が揃っているあなたは、即入院なのです!」

    発熱外来の嘆き事例ミニ~第6波編③~

     こんなことをグダグダ書くより、患者の中で、オミクロンについて誤解を持った人がいる、と言った方がいいのではないか?

     このDr.丼という人は、何に時間を使っているのだろうか?

    例④

     ワクチン未接種。「怖いので打っていない」とのこと。

     12月27日から沖縄に旅行。1月3日に東京に帰る。

     これはワクチン未接種のケース。

    考察

     医クラの間で、マスコミがオミクロンを軽く言いふらしたゆえに、軽く考えて感染する人が増えたという人が多いようである。

     マスコミに責任があるというのである。

     しかしそういう論法では、医クラがワクチンの効果を過度に持ち上げたゆえに、ワクチンを過信して感染する人が増えたということもできるのではないか?

  • 手を洗う救急医Taka(木下喬弘)氏の気になるところ 感染対策と為政者の発言の関係

    手を洗う救急医Taka(木下喬弘)氏の気になるところ 感染対策と為政者の発言の関係

     新型コロナウイルスの感染が拡大して、それに対する政治家の弁舌のよしあしが話題になった。

     そのことについての手を洗う救急医Taka(木下喬弘)氏の発言が気になった。

    2020年4月

     2020年4月ころには、ニューヨーク州のクオモ知事の弁舌が話題になっていた。

     そしてクオモ氏を持ち上げて、トランプ大統領(当時)をおとしめるとか、安倍首相(当時)をおとしめるとかいうことが盛んになされていた。

     そのことに関して木下氏は次のように語っていた。

     ここではNY市長のこととNY州知事のこととが混在しているが、NY州知事のこととして考えよう。

     木下氏が引用したツイートは「ファクトや成果ではなくイメージと格好良さで政治を評価している」ことを問題としている。

     それに対して木下氏が「その通りです」と同意しているのは、「イメージと格好良さ」ではなく、「ファクトや成果」によって評価すべきだということのように聞こえる。

     ところが木下氏はそれに続けて「安倍総理の語り口調は少し弱い感じがします」と言っている。

     「語り口調」が「少し弱い感じ」というのはまさに「イメージと格好良さ」を問題とすることである。

     そしてNY州(市)の感染対策が日本より悪かったとは言えないと言っている。

     「ファクトや成果」は必ずしも明らかではないというのである。

     たとえばNY州(市)に与えられた状況が日本に与えられた状況より厳しかったとすると、NY州(市)の死者数が日本の死者数より多くても、対策が悪かったとは言えない、ということであろうか。

     しかし木下氏はNY州知事などと比べて「安倍総理の語り口調」が「少し弱い感じ」がするということを問題としている。

     「ファクトや成果」は明らかでないにもかかわらず(死者数は日本の方が少ないにもかかわらず)、日本の首相の感染対策は、英米の指導者と比べて問題があると語っているのである。

     そういうことは科学的であろうか?

     クオモ氏の感染対策に関しては、その弁舌の裏で死者数を過小に報告していたということが問題とされた。

    同州の死者数をめぐっては、セクハラ問題で辞任したクオモ氏が知事だった2月、高齢者施設の入所者の新型コロナによる死者数を故意に少なく公表していた疑惑が発覚している。24日に就任したホークル氏は、基準を見直して死者数を幅広く捉えることで、州政府のイメージを刷新したい狙いがあるとみられる。

    「朝日新聞」NY州のコロナ死者1万2千人増 新知事が基準を改める

    https://www.asahi.com/articles/ASP8V2TTMP8VUHBI003.html

     木下氏は2020年10月ころには次のようなツイートをしていた。

     米国は2020年10月になっても「感染対策をしないと感染は収まらない」ということに気づいていないというのである。

     木下氏は2020年4月に「NYCの方が多くの人が死んだからといって、日本より対策が悪かったかというと、なんとも言えません」と語っていた。

     整合性はどうなるのであろうか?

    ドイツ首相と日本の首相の比較

     2020年12月にドイツのメルケル首相(当時)が新型コロナウイルスに関してドイツ国民に訴えたことが話題となった。

     木下氏はそのメルケル氏の発言をとりあげて次のようにツイートしている。

     ドイツのメルケル首相(当時)の発言を日本の菅首相(当時)の発言と比較して、「えらい違い」と言っているのである。

     しかし感染対策として、メルケル氏はそれほどすぐれたことをしたのか? 菅氏はそれほど劣ったことをしたのか?

     2020年12月後半、日本でもドイツでも感染が拡大した。

     12月31日に東京で新規感染者が1300人を超えて過去最多となった。

    https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000202806.html

     ドイツでは1日の死者が1000人を超えた。

     問題は、与えられた状況に対してどのように効果的に対処するかである。

     ところが木下氏はメルケル氏が「数字を直視しなさい」と訴えたことだけをとりあげて持ち上げている。

     そして菅氏が「ガースーです」と言ったことだけをとりあげておとしめている。

     そういうことは科学的と言えるのであろうか?

    まとめ

     感染対策で重要なことは結果である。

     ところが2020年に新型コロナウイルスの感染が拡大してから、NYのクオモ氏やドイツのメルケル氏などの弁舌を結果と切り離して称賛する論調が日本でも欧米でも盛んであった。

     木下喬弘氏もそういう論調に傾いているように見える。

  • 有本香氏による宮澤大輔氏の紹介を問題としたEARL氏、知念実希人氏

    有本香氏による宮澤大輔氏の紹介を問題としたEARL氏、知念実希人氏

     12月8日、有本香氏が宮澤大輔医師を「日本で唯一、個人でコロナの論文を書かれた」と紹介した。

     それに対して、EARL氏、知念実希人氏が反論した。

     そのやりとりが興味深かったので、書いて置こう。

    有本香氏のツイート

     発端になった有本香氏のツイート↓

    有本香氏のツイートに対する反論

    EARL氏の反論

     まず「EARLのコロナツイート」の反論をとりあげる。

     「日本で唯一」というのはおかしいというのである。

     これに対して宮澤大輔氏は次のように反論している。

     「個人で」というのは「個人開業医で」ということだというのである。

     それに対するEARL氏、宮澤氏は「ゴールポスト移動させ」たといって、「凡例」を出している。

     宮澤氏はまた「個人で」というのは「どこの組織にも属していない」ということだという。

     まとめる。

     EARL氏は、有本香氏が宮澤大輔氏を「日本で唯一、個人でコロナ論文を英語で執筆された」と紹介したツイートを見て、「阪大微生物研究所の宮坂先生の論文」のように日本で「個人でコロナ論文を英語で執筆された」という反例は簡単に見つかると思った。

     ところで宮澤大輔氏は、「日本で唯一、個人でコロナ論文を英語で執筆された」という「個人で」とは、「個人開業医で」、「どこの組織にも属していない」医師で、ということだと考えていた。

     EARL氏は、宮澤大輔氏がそういうのを聞いて、宮澤氏が「急に条件増やし」たとか、「ゴールポスト移動させ」たとか言った。

     しかし有本氏が「個人で」といったのは、はじめから宮澤大輔氏が言うように「個人開業医で」、「どこの組織にも属していない」医師で、という意味であったのではないか?

     たしかに、EARL氏が引用している「阪大微生物研究所の宮坂先生の論文」も、「個人でコロナ論文を英語で執筆」したものということはできるかもしれない。

     しかし有本氏が「個人開業医で」、「どこの組織にも属していない」医師で、という意味で「個人で」と書いたことは、正しくないとは言えないのではないか。

     宮澤氏が「急に条件増やし」たとか、「ゴールポスト移動させ」たのではなく、EARL氏が誤解していたのではないか。

    知念実希人氏の反論

     次に知念実希人氏の反論をとりあげる。

     知念氏は、「日本で唯一」というのは「ほんの数分調べれば明らかに間違いだと分かること」だとEARL氏と同じようなことを言っている。

     そのことについては上で考えた。

     知念氏は、「新型コロナ診療もしていない眼科開業医を感染症の権威のように紹介して」いることによって、「日本の医師、科学者を貶める」ことにつながることを問題としている。

     ここでも知念氏が有本氏の紹介を読んで思い込んだことと、有本氏がその紹介を書く時に考えていたこととが、食い違っているようである。

     知念氏は有本氏が宮澤氏を過剰に持ち上げたと思い込んだ。

     しかし宮澤大輔氏について、「どこの組織にも属していない」「日本の個人開業医」でコロナの英文論文を出しているという意味で、「日本で唯一、個人でコロナ論文を英語で執筆された」と紹介することは、宮澤大輔氏を過剰に持ち上げることではないのでないか?

     さてその後で、知念氏は宮澤氏の論文をおとしめた。

     それに対して宮澤氏が知念氏に対して英分の論文を書いたことないのではないかと追及し、知念氏は「論文を書いたことはない」という、やりとりになった。

     そこで有本氏が話を引き戻して、知念氏に問い返している。

     たしかに知念氏が有本氏による宮澤大輔氏の紹介を「間違い」ときめつけたことは、科学によることではなく、「マウント」をとることではないか。

    まとめ

     たしかに宮澤大輔医師を「日本で唯一、個人でコロナの論文を書かれた」と紹介することは、誤解を招くことであった。

     しかしそこでEARL氏、知念氏がその誤解にとびついて、そのことによって宮澤大輔医師の主張についての科学的な議論が行われなかったことは、無益なことでなかったか。

  • 戦史/紛争史研究家山崎雅弘氏、中国は日本の原子力発電所を攻撃すると語る

    戦史/紛争史研究家山崎雅弘氏、中国は日本の原子力発電所を攻撃すると語る

     2021年11月27日、戦史/紛争史研究家の山崎雅弘氏が気になることをツイートしていた。

     中国は日本の原子力発電所を攻撃するというのである。

     どうにも理解に苦しんだので、書いて置こうと思った。

    山崎雅弘氏のツイート

     私が理解に苦しんだ山崎雅弘氏のツイート↓

     山崎雅弘氏の言葉は、岸田首相が「敵基地攻撃能力」保有を排除せず検討すると述べたことに対して、発せられたものである。

     そこで山崎雅弘氏は、日本は「中国から目と鼻の先に、原発をぶら下げて」いて、日本中の原発を中国の攻撃から守ることはできない、「敵基地攻撃能力」を保有する意味はない、というのである。

     しかし中国は日本の原子力発電所を攻撃することができるゆえに、「敵基地攻撃能力」は意味がないというのはおかしくないか?

     第一に中国が日本の原子力発電所を攻撃すると考えていることはおかしくないか?

     たしかに日本の原子力発電所が攻撃されると日本に住む者は困る。

     しかし中国にとって得策であろうか?

     国際法的にも、国際倫理的にも、原子力発電所を攻撃することは、いいこととされない。

     戦術的にも問題がある。

     日本は「中国から目と鼻の先に、原発をぶら下げて」いるかもしれないが、中国も日本から「目と鼻の先に、原発をぶら下げて」いる。―中国は海の近くに多くの原子力発電所を建設している。

     それにもかかわらず、日本の原子力発電所を攻撃するであろうか?

     原子力発電所を攻撃することは、日本に住む者が困るだけでなく、中国にとっても困ったことになるのではないか?

     そのことによって、中国が日本を利用することが困難になるのみならず、中国にまで害が及ぶかもしれない。

     中国はいまだに日本の原発事故の影響を問題として日本に言ってきている。

     そういう国が自ら原発事故を起こすであろうか?

    山崎雅弘氏の返答

     山崎雅弘氏は、反論に対して次のように答えている。

     「現実の戦争を、戦争ゲームと同レベルで理解している幼い人」と評している。

     たしかに今の中国は、既存の国際秩序に対してただ従うものではない。

     しかし上に言ったように、中国にとっていろいろな意味でためにならないと思われることを、第一に中国がやることとして山崎雅弘氏が語ることは、「現実の戦争」を理解しているものということができるであろうか?

     山崎雅弘氏はそれに続くツイートでも中国が原発を攻撃しないというのは「非現実的思考」だと言っている。

     しかし上に述べた理由から、私は中国が日本の原発を攻撃するということの方が「非現実的思考」だと思う。

     山崎雅弘氏は、日本が報復しても日本の被害は消えないというが、日本が報復するゆえに中国はそういうことをしないということではないか?

    山崎雅弘氏の主張についての考察

     山崎雅弘氏は、日本は防衛に関して積極的なことをすべきではない、ということに、日本の原子力発電所に反対する考えを結びつけたのではないか、と思った。

     それゆえに「敵基地攻撃能力」を保有することに反対することと、中国が日本の原子力発電所を攻撃するということとが結びつけられているのではないか、と思った。

     しかし中国が日本の原子力発電所を攻撃するということは、どうにも理解に苦しむ。

  • イエレン米財務長官、2021年のインフレ予測の誤りを認める

    イエレン米財務長官、2021年のインフレ予測の誤りを認める

     2022年5月31日、米国のイエレン財務長官はCNNのインタビューに対して、2021年にインフレを軽視していたことは誤りだったと認めた。

    CNN
    US treasury secretary: I was wrong about inflation in 2021 2022/06/01

    https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-05-31/yellen-says-i-was-wrong-last-year-on-the-path-of-us-inflation

     イエレン財務長官は、2021年にインフレは一時的なものにすぎず、対応することができると語っていた。

    2月、イエレン氏、インフレを軽視する

     2021年2月に、イエレン氏がインフレを軽く見ているという記事が出ている。

    https://www.foxbusiness.com/economy/yellen-inflation-biden-trillion-stimulus-bill

     イエレン氏は次のように語ったという。

    ・長年インフレについて研究してきて、インフレが起こった場合に対応することのできる手段を持っている。

    ・最大の危険は、現在直面している経済問題にある。景気刺激策が通れば、2022年には米国は完全雇用に戻る。

    “I’ve spent many years studying inflation and worrying about inflation, and I can tell you, we have the tools to deal with that risk if it materializes,” she continued. “But we face a huge economic challenge here and tremendous suffering in the country. We’ve got to address that. That’s the biggest risk.”
    Yellen said she expects the U.S. to return to “full employment” in 2022 if the stimulus package passes.

    Yellen downplays inflation fears amid Biden’s $1.9T stimulus bill

     この時には、イエレン氏はインフレのことを大した問題と考えていなかったようである。それより景気刺激策が重要だと考えていた。

    3月、イエレン氏、インフレのリスクは小さいという

     3月のABCでの発言でも、インフレのリスクは小さいと語っている。

    https://news.bloombergtax.com/daily-tax-report/yellen-says-u-s-inflation-risk-remains-small-manageable

     イエレン氏曰く。

    ・インフレのリスクは小さく、対応できる。

    ・価格の上昇は、新型コロナウイルスによって下がった価格が元に戻ることによることである。一時的な動きにすぎない。

    ・それは重大なリスクではない。

    “Is there a risk of inflation? I think there’s a small risk and I think it’s manageable,” Yellen said on ABC’s “This Week” on Sunday. Some prices that fell last year when the Covid-19 pandemic spread across the U.S. will recover, “but that’s a temporary movement in prices,” she said.
    “I don’t think it’s a significant risk,” said Yellen, a former Federal Reserve chair.

    Bloomberg Tax Yellen Says U.S. Inflation Risk Remains Small, ‘Manageable’ (1)

     この時にもイエレン氏は、インフレのリスクは大したことないと語っていた。

     価格上昇については、新型コロナウイルスのために下がった価格が元に戻ることによって起こることだと説明している。

    5月、イエレン氏、インフレは一時的だと予測

     5月、米国下院歳出委員会でイエレン氏は、インフレは一時的だという予測を語った。

    https://thehill.com/policy/finance/555799-yellen-expects-high-inflation-rates-to-be-temporary

     イエレン氏曰く。

    ・現在のインフレは一時的なものにすぎないであろう。

    ・インフレは数カ月続くであろう。今年末まで続くであろう。

    “My judgment right now is that the recent inflation that we have seen will be temporary. It’s not something that’s endemic,” Yellen said at a hearing held by a House Appropriations subcommittee. “I expect it to last, however, for several more months, and to see high annual rates of inflation through the end of this year.”

    THE HILL Yellen expects high inflation rates to be temporary

     この時にもインフレは一時的なものにすぎないと語っている。

     ただし、2月、3月のころにインフレは大したことないと語っていた時と比べると、それより長く続くと考えるようになったようである。

    6月、イエレン氏、今年インフレは前年比3%に達するという

     6月、インフレは今年中に進むが、新型コロナウイルスによる落ち込みの回復によるものだとイエレン氏は語る。

    https://www.washingtonpost.com/business/2021/06/05/yellen-3-percent-inflation/

     イエレン氏曰く。

    ・今年の間にインフレは進んで前年比3%あたりになるであろう。

    ・ただし一時的なものであると信ずる。

    “We have in recent months seen some inflation, and we — at least on a year-over-year basis — will continue, I believe through the rest of the year, to see higher inflation rates, maybe around 3 percent,” Yellen said following a meeting of Group of Seven finance ministers in London. “But I personally believe that this represents transitory factors.”

    The Washington Post Yellen says inflation could reach 3 percent this year as recovery continues

     FRBのパウエル議長等の考え。

     需要は回復しているが、供給が間に合っていないことに問題はある。その問題が解決されれば状況はよくなる。

    Powell and others have given a few reasons for why inflation is on the upswing and why the Fed isn’t worried about bringing it down too soon. Consumer demand for goods and services — from airline tickets to restaurant reservations — is rebounding as people unleash pent-up savings. Meanwhile, the supply side of the equation is taking longer to pick up. Those bottlenecks are expected to ease as factories ramp back up to full capacity and workers come back on the payrolls. But it won’t happen right away.

    The Washington Post Yellen says inflation could reach 3 percent this year as recovery continues

     イエレン氏はインフレがさらに進むことを認めている。

     しかしなお一時的なものだと考えている。

    10月、イエレン氏、インフレはなお数カ月続くという

     10月、インフレはなお数カ月高止まりするとイエレン氏は語る。

    https://www.cnbc.com/2021/10/05/yellen-sees-inflation-staying-higher-for-the-next-several-months.html

     イエレン氏曰く。

    ・インフレを起こしている供給の障害が進んでいる。

    ・インフレは一時的なものであるが、数カ月で終わるものではない。

    “Supply bottlenecks have developed that have caused inflation,” she said during a live “Squawk Box” interview. “I believe that they’re transitory, but that doesn’t mean they’ll go away over the next several months.”

    CNBC Yellen sees inflation staying higher for the next several months

     イエレン氏等が30年ぶりの、前年比3.6%のインフレを「一時的なもの」とよんでいることに対して、CNBCの記者も疑問を持っているようである。

     それに反対する経済学者の主張をとりあげている。

    Fed officials often use the word “transitory” to describe the current run that has inflation running at a 3.6% year-over-year rate, a 30-year high, according to their preferred gauge. Other measures of inflation, such as the consumer price index, are registering considerably higher, and some economists believe the central bank is understating the durability of inflation.

    CNBC Yellen sees inflation staying higher for the next several months

    11月、イエレン氏、経済対策によってインフレはおさまるという

     11月、イエレン氏は、1.75兆ドルの歳出法案によってインフレはおさまると語っている。

    https://www.cbsnews.com/news/spending-bill-social-climate-change-inflation-yellen/

     イエレン氏曰く。

    ・原因はパンデミックにある。ワクチンキャンペーンなどが成功して生活が正常にもどれば、インフレ率は2%近くに落ち着く。

    ・工場が閉鎖している中で需要が急騰したことによって供給の障害が生じている。

    ・バイデン政権の巨額の財政出動によって価格は下がる。

    “This is really because of the pandemic,” Yellen told Cordes of higher consumer prices when asked if inflation would decline next year, “and as we succeed in the vaccination campaign and other countries do as well and life goes back to normal, I truly believe that this will subside and Americans will see inflation rates much closer to the 2% that we want and they’re accustomed to.”
    The Treasury secretary said there has been a spike in demand for goods amid factory closures, which has led to supply bottlenecks. But Yellen said she believes provisions of a $1.75 trillion framework for Mr. Biden’s domestic policy package unveiled Thursday will also help drive prices down.

    CBSNEWS Yellen says “transformative” $1.75 trillion framework will help return Americans to workforce and drive inflation down

    まとめ

     2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻によってインフレは進んだが、その前からインフレは進んでいた。

     2021年はじめに、イエレン氏はインフレのリスクは大したことないと語っていたが、現実に合わせてインフレの予測を広げてかざるをえなくなった。

     しかしそれでも一時的なものだと語っていた。

     2022年5月31日、ついにイエレン氏は2021年の自身の予測が間違っていたことを認めた。