月: 2022年1月

  • 「千と千尋の神隠し」について

    「千と千尋の神隠し」について

     「千と千尋の神隠し」は2001年に公開された。

     当時記録的な興行収入を上げた。


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    「千と千尋の神隠し」と異世界

     「千と千尋の神隠し」は、異世界に行く話である。

     日本の古いものとそれ以外のものが入り混じった華美で俗悪な異世界に、観客は主人公とともに入っていく。

    「千と千尋の神隠し」と「労働」

     「千と千尋の神隠し」はまず子どもが労働者になるということを描いている。

     主人公の千尋はまだ子供であって労働する年齢ではないが、

    ・突然保護者としての親を失う。

    ・働かなくてはならないとされる。

     人は働かなくてはならないということを描いているようにも見える。

    「千と千尋の神隠し」の湯婆婆

     「千と千尋の神隠し」で千尋が働くのは、湯婆婆の下でである。

     千尋はただ労働するのでなく、湯婆婆の下で働くのである。

     湯婆婆の下での労働には、ただの労働とは違う意味がある。

    ・湯婆婆は千尋の両親を豚の姿にした者である。

     湯婆婆の下で働くことには、両親のために働くという意味がある。

    ・湯婆婆は名を奪う者である。―千尋の名を奪った。ハクの名を奪った。

     湯婆婆の下で働くことには、湯婆婆に隷属するという意味がある。

     その隷属に対して解放が求められることになる。

    「千と千尋の神隠し」の銭婆

     千尋はハクを救うために銭婆のところに行くことを決意する。

     銭婆のところに行くことは、行くことはできても帰ることができるかわからないことと言われている。

     日が暮れる水の上を走る鉄道に乗っていくところは、死の国に行くようにも見える。

     ところが銭婆のところに行ってみると、それまで言われていたような、帰ることができるかどうかわからないような障害はない。

     銭婆はひたすら千尋にやさしい。

     千尋は銭婆のところから帰る途中でハクを救う。そして湯婆婆のところに帰ってきて、両親を救う。

     いずれも千尋が簡単に解決してしまう。―湯婆婆との対決は簡単に決着がついてしまう。

    「千と千尋の神隠し」のハク

     「千と千尋の神隠し」は千尋がハクを救うという話になる。

     はじめに少女を救った少年を、次に少女が救うという話は、話として面白い。

     しかし湯婆婆に対して両親を救うという主題から考えると、とってつけたような話でもある。

     たしかにハクを救うことは、湯婆婆との対決という意味を持っている。

     また、千尋がハクを救うために湯婆婆の坊を連れて銭婆のところに行ったことによって、ハクが湯婆婆に坊を連れて来る代わりに千尋の両親を救うことを湯婆婆に申し出るという話になってもいる。

     千尋が両親を救うという話と、少年を救うという話と、二つの話が合わさっているということもできる。

     しかし二つの話を合わせるために、肝心の両親を救う話が映画の長い時間忘れられることになっていないか?

     二つの話を合わせるために、話が変に複雑になっていないか?

     ハクの正体もとってつけたもののように思われる。

    「千と千尋の神隠し」のカオナシ

     カオナシは「千と千尋の神隠し」の中でも印象深い存在である。

     ただし千尋と湯婆婆との対決という、「千と千尋の神隠し」のはじめからおわりまでを貫く主題と特に関係はない。

     くされ神の話のようなものではないか。

     ところが「千と千尋の神隠し」では、カオナシの部分が大きくなって、その一方で、千尋と湯婆婆との対決は小さくなってしまっている。

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  • 「雨に唄えば」の明るさと「巴里のアメリカ人」の暗さ

    「雨に唄えば」の明るさと「巴里のアメリカ人」の暗さ

     1951年に公開された映画「巴里のアメリカ人」。


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     1952年に公開された映画「雨に唄えば」。


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     いずれもアメリカのミュージカル映画の歴史の中で傑出した作品である。

     いずれもジーン・ケリーが主役であるが、「雨に唄えば」は明るく、「巴里のアメリカ人」は暗いところがある。

    「雨に唄えば」と「巴里のアメリカ人」の共通点

     「雨に唄えば」と「巴里のアメリカ人」は同じような構造を持っている。

    ・ジーン・ケリーの演ずる主人公は、第一の女性と仕事で深い関係になっている。(「雨に唄えば」では、映画の相手役リーナ。「巴里のアメリカ人」では、絵を売るために手伝うマイロ)

    ・その女性はジーン・ケリーの演ずる主人公に対して恋愛感情を持っている。

    ・ところがジーン・ケリーの演ずる主人公は、その第一の女性とは別の、その女性より若い女性に対して恋愛感情を抱く。(「雨に唄えば」では、女優志望のキャシー。「巴里のアメリカ人」では、化粧品店員リーズ)

    「雨に唄えば」と「巴里のアメリカ人」の相違点

     次に「雨に唄えば」と「巴里のアメリカ人」とで違うところ。

    第一の女性

     まず「第一の女性」が違う。

     「雨に唄えば」のリーナはドンに対して恋愛感情を見せるが、共感しがたい。

     リーナは、ドンが映画でリーナの相手役という地位を獲得してから、ドンに対して好意を示すようになった。それゆえに純粋な恋愛感情とは思えない。

     その上にリーナは権力によってキャシーを排除しようとした。

     「巴里のアメリカ人」のマイロのジェリーに対する恋愛感情は、それより共感される。

     マイロは自分の恋愛感情のために自分の地位を利用しない。

     それゆえに「雨に唄えば」で主人公がリーナを遠ざけても可哀想ではないが、「巴里のアメリカ人」で主人公がマイロを遠ざけることは可哀想である。

    主人公の性格

     「雨に唄えば」では、観客は安心して主人公に共感することができる。

     「巴里のアメリカ人」では、観客はそれほど安心して主人公に共感することはできない。共感するにも痛みが伴う。

    第一の女性との関係

     ドンはリーナから理不尽な損害を被っている。ドンがそれに対して反発することに、観客は共感する。

     ジェリーはマイロから理不尽な損害を被っておらず、逆に利益を受けている。それにもかかわらず、可哀想な目にあわせている。

    第二の女性との関係

     「巴里のアメリカ人」のジェリーがリーズと仲良くなろうとするところは、やり方が強引であって、単純に共感できない。

     「雨に唄えば」のドンがキャシーと仲良くなるところにはそういうことはない。

     「巴里のアメリカ人」の脚本を担当したアラン・ジェイ・ラーナーは、ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」の音楽をもとにして、ジェリーの性格を “impudent” (図々しい)ものにしたと語っている。

     たしかに「巴里のアメリカ人」の主人公ジェリーは図々しいところのある人物であって、無条件にいい人とは言えない。

     ただし「巴里のアメリカ人」で主人公が子供と仲良くしているところは、「雨に唄えば」にはない明るいところではある。

    ヒロイン

     「雨に唄えば」で主人公の恋愛対象となるキャシーは、若々しく明るい。

     「巴里のアメリカ人」で主人公の恋愛対象となるリーズには、暗いところがある。

     「巴里のアメリカ人」のリーズには、ジェリーと出会う前に、特別な関係にある男性がいた。

     ジェリーとリーズがくっつくことは、その男性を傷つけることになる。(この設定は「カサブランカ」に似ている)

     「雨に唄えば」のキャシーにはそのようなことはない。

     「巴里のアメリカ人」のレスリー・キャロンはフランス人であって、アメリカ人からみるとミステリアスなところがあると思われる。

     「雨に唄えば」のデビー・レイノルズはアメリカ人であって、そういうところはない。

    主人公の友人

     「雨に唄えば」で主人公の友人を演じたのはドナルド・オコナ―である。

     そのことも「雨に唄えば」という映画が明るくなっていることと関係があると思われる。

     「巴里のアメリカ人」で主人公の友人を演じたのはオスカー・レヴァントである。

     オスカー・レヴァントにはコミカルなところもあるが、暗いところもある。

     ドナルド・オコナ―はスラップスティックの明るさをもっていて、オスカー・レヴァントのような暗さはない。

     「雨に唄えば」の主人公の友人の役にはもともとオスカー・レヴァントが考えられていたようであるが、ドナルド・オコナ―になったことによって明るさが増したと思われる。

    恋愛感情の違い

     「雨に唄えば」で最も有名なのは、ジーン・ケリーが雨の中「雨に唄えば」を歌い踊るところであろう。

     キャシーとの恋愛で高まった感情を、雨の中で歌い踊ることによって表現しているところは、映画スターであるにもかかわらず初めての恋愛を心から喜んでいるような若々しさがある。

     「巴里のアメリカ人」で最も有名なのは終盤のバレエであろう。

     ジェリーはリーズと結ばれることができなくなった。その気持ちがバレエで表現されている。

     「巴里のアメリカ人」の場合、結ばれないことによって傷つくが、結ばれても他の人を傷つけることになる。どちらに進んでも傷つくことになる。

     夜の雨の中でも明るい「雨に唄えば」と、色彩あふれる中で暗い「巴里のアメリカ人」。

    ミュージカルの歴史に関して

     「巴里のアメリカ人」は、ジーン・ケリーが有名になった1940年のブロードウェイの舞台「パル・ジョイ」に通ずるところがあると思われる。

     ジーン・ケリーはもともと自己中心的なところのある人物を演じて有名になった人であった。

     「巴里のアメリカ人」もその流れにある。

     映画ではジーン・ケリーの明るいところが生かされた。「雨に唄えば」はその明るいところが生かされた作品である。

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  • 映画「巴里のアメリカ人」

    映画「巴里のアメリカ人」

     映画「巴里のアメリカ人」(原題は “An American in Paris” )は1951年に公開されたアメリカのミュージカル映画。

     ジョージ・ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」をはじめとする楽曲をもとにしている。

     ジーン・ケリーの相手役を演じたレスリー・キャロンは新人であったがこの映画によって鮮烈な印象を残した。

     終盤のバレエは圧巻。

     アカデミー賞で作品賞を含む6部門を受賞。


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    映画「巴里のアメリカ人」のストーリー

     アメリカ人のジェリー(ジーン・ケリー)は第二次世界大戦中、軍人としてパリに来て、戦後も画家としてとどまっていた。

     ある日、それまで売れなかったジェリーの絵に、金持ちのアメリカ人女性マイロ(ニーナ・フォッシュ)が関心を示した。マイロはジェリーの絵が売れるようにはたらくという。マイロはジェリーに対して異性として好意をもっているようでもある。

     ところがジョーはたまたま出会ったフランス人の少女リーズ(レスリー・キャロン)に一目惚れする。・・・

    ガーシュウィンの楽曲

     この映画で使われているのはすべてガーシュウィンの楽曲である。

     1945年公開の映画「アメリカ交響楽」ではジョージ・ガーシュウィンの伝記の中にガーシュウィンの楽曲を入れるというかたちをとっていた。


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     「巴里のアメリカ人」ではジーン・ケリーを主役とした新たな話の中に楽曲を入れるというかたちをとっている。

     ただしオスカー・レヴァントは両作品で「ヘ調のピアノ協奏曲」を演奏している。「巴里のアメリカ人」ではコミカルな演出がなされている。

     映画「巴里のアメリカ人」の中では「パリのアメリカ人」が最も重要であるが、そのことは後に書く。

     ジーン・ケリーその他がパリの街中で歌い踊る楽しい楽曲も多い。

     ジーン・ケリーとレスリー・キャロンがセーヌ川のほとりで “Love Is Here To Stay” を歌い踊るところは「ロマンティック」。

    レスリー・キャロン

     この映画でジーン・ケリーの相手役を演じたレスリー・キャロンは、パリでバレエをやっているところをジーン・ケリーによって見出された人である。

     当時19歳。

    「パリのアメリカ人」バレエ

     この映画の最大のみどころは、終盤のバレエ。

     パリの様々なところをそれぞれ有名な画家―デュフィ、ルノワール、ユトリロ、ルソー、ゴッホ、ロートレック ― の絵のように描いた美術。

     そういう背景と、ガーシュウィンの楽曲と、ジーン・ケリーとレスリー・キャロンを中心としたバレエとが合わさって、芸術的でもありコミカルでもある大変なものが出来上がった。

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     「巴里のアメリカ人」の特に終盤のバレエは、美術も踊りも画質が高いほどいいのではないか。

     出演者、スタッフによる作品解説も充実。(プロデューサーのアーサー・フリードの言葉も収録されている)


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  • 映画「踊る不夜城」 1938年の「ブロードウェイ・メロディー」

    映画「踊る不夜城」 1938年の「ブロードウェイ・メロディー」

     映画「踊る不夜城」の原題は “Broadway Melody 1938” 。1938年の「ブロードウェイ・メロディー」。

     1929年の「ブロードウェイ・メロディー」、1936年の「ブロードウェイ・メロディー」(「踊るブロードウェイ」)に続く3作目。

     ただし1938年の「ブロードウェイ・メロディー」(「踊る不夜城」)が公開されたのは1937年。

     主役は前作と同じエレノア・パウエル。

     ジョージ・マーフィーとのダンスもある。

     幼いジュディ・ガーランドが強烈な印象を与える。


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    映画「踊る不夜城」のあらすじ

     競走馬のことから話は始まる。

     優秀な競走馬の調子が悪いので、持主の金持ちはニューヨークに連れて行くことにした。

     もともとその馬を育てていたサリー(エレノア・パウエル)はその馬が心配で、隠れてその電車に乗り込んでついていった。

     そこで副調教師になっていた元芸人のソニー(ジョージ・マーフィー)、ピーター(バディ・イブセン)と出会った。

     3人で踊っているところにスティーヴ(ロバート・テイラー)が入ってきた。スティーヴは、その競走馬のオーナーとブロードウェイでショーをやる契約をしていた。

     スティーヴはサリーをそのショーに出そうと考えた。

     ところがスポンサーの奥さんがサリーを外せと言ってきた。

    映画「踊る不夜城」の見どころ

    エレノア・パウエル

     豪華な舞台でトリを飾るのはエレノア・パウエルの踊り。

     ジョージ・マーフィーと親しい感じで踊るところも見どころ。雨の中で踊るところは「雨に唄えば」の先駆け。

    ジュディ・ガーランド

     この映画はジュディ・ガーランドが出演していることでも重要。

     1939年の「オズの魔法使い」で有名になる前。

     生意気だが歌のうまい子どもの役で出ている。

     クラーク・ゲーブルに対する愛を歌うところは有名。

     最後のショーにも出て来る。

    競馬とオペラ

     この映画で初めに出て来る楽曲はビゼーの「カルメン」。

     オペラ好きの人物(チャールズ・イーゴー・ゴーリン)が出て来てオペラを歌うのであるが、競馬とからめてコミカルに使われている。

    歴史

     この映画ではエレノア・パウエルとジュディ・ガーランドが共演している。

     エレノア・パウエルは、1930年代後半のMGMミュージカル映画を代表するスターであった。「踊る不夜城」でもトリを飾っている。

     ところが1940年代には、ジュディ・ガーランドがMGMミュージカル映画を代表するスターになって、エレノア・パウエルはしりぞいていった。

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  • 手を洗う救急医Taka(木下喬弘)氏の気になるところ 感染対策と為政者の発言の関係

    手を洗う救急医Taka(木下喬弘)氏の気になるところ 感染対策と為政者の発言の関係

     新型コロナウイルスの感染が拡大して、それに対する政治家の弁舌のよしあしが話題になった。

     そのことについての手を洗う救急医Taka(木下喬弘)氏の発言が気になった。

    2020年4月

     2020年4月ころには、ニューヨーク州のクオモ知事の弁舌が話題になっていた。

     そしてクオモ氏を持ち上げて、トランプ大統領(当時)をおとしめるとか、安倍首相(当時)をおとしめるとかいうことが盛んになされていた。

     そのことに関して木下氏は次のように語っていた。

     ここではNY市長のこととNY州知事のこととが混在しているが、NY州知事のこととして考えよう。

     木下氏が引用したツイートは「ファクトや成果ではなくイメージと格好良さで政治を評価している」ことを問題としている。

     それに対して木下氏が「その通りです」と同意しているのは、「イメージと格好良さ」ではなく、「ファクトや成果」によって評価すべきだということのように聞こえる。

     ところが木下氏はそれに続けて「安倍総理の語り口調は少し弱い感じがします」と言っている。

     「語り口調」が「少し弱い感じ」というのはまさに「イメージと格好良さ」を問題とすることである。

     そしてNY州(市)の感染対策が日本より悪かったとは言えないと言っている。

     「ファクトや成果」は必ずしも明らかではないというのである。

     たとえばNY州(市)に与えられた状況が日本に与えられた状況より厳しかったとすると、NY州(市)の死者数が日本の死者数より多くても、対策が悪かったとは言えない、ということであろうか。

     しかし木下氏はNY州知事などと比べて「安倍総理の語り口調」が「少し弱い感じ」がするということを問題としている。

     「ファクトや成果」は明らかでないにもかかわらず(死者数は日本の方が少ないにもかかわらず)、日本の首相の感染対策は、英米の指導者と比べて問題があると語っているのである。

     そういうことは科学的であろうか?

     クオモ氏の感染対策に関しては、その弁舌の裏で死者数を過小に報告していたということが問題とされた。

    同州の死者数をめぐっては、セクハラ問題で辞任したクオモ氏が知事だった2月、高齢者施設の入所者の新型コロナによる死者数を故意に少なく公表していた疑惑が発覚している。24日に就任したホークル氏は、基準を見直して死者数を幅広く捉えることで、州政府のイメージを刷新したい狙いがあるとみられる。

    「朝日新聞」NY州のコロナ死者1万2千人増 新知事が基準を改める

    https://www.asahi.com/articles/ASP8V2TTMP8VUHBI003.html

     木下氏は2020年10月ころには次のようなツイートをしていた。

     米国は2020年10月になっても「感染対策をしないと感染は収まらない」ということに気づいていないというのである。

     木下氏は2020年4月に「NYCの方が多くの人が死んだからといって、日本より対策が悪かったかというと、なんとも言えません」と語っていた。

     整合性はどうなるのであろうか?

    ドイツ首相と日本の首相の比較

     2020年12月にドイツのメルケル首相(当時)が新型コロナウイルスに関してドイツ国民に訴えたことが話題となった。

     木下氏はそのメルケル氏の発言をとりあげて次のようにツイートしている。

     ドイツのメルケル首相(当時)の発言を日本の菅首相(当時)の発言と比較して、「えらい違い」と言っているのである。

     しかし感染対策として、メルケル氏はそれほどすぐれたことをしたのか? 菅氏はそれほど劣ったことをしたのか?

     2020年12月後半、日本でもドイツでも感染が拡大した。

     12月31日に東京で新規感染者が1300人を超えて過去最多となった。

    https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000202806.html

     ドイツでは1日の死者が1000人を超えた。

     問題は、与えられた状況に対してどのように効果的に対処するかである。

     ところが木下氏はメルケル氏が「数字を直視しなさい」と訴えたことだけをとりあげて持ち上げている。

     そして菅氏が「ガースーです」と言ったことだけをとりあげておとしめている。

     そういうことは科学的と言えるのであろうか?

    まとめ

     感染対策で重要なことは結果である。

     ところが2020年に新型コロナウイルスの感染が拡大してから、NYのクオモ氏やドイツのメルケル氏などの弁舌を結果と切り離して称賛する論調が日本でも欧米でも盛んであった。

     木下喬弘氏もそういう論調に傾いているように見える。

  • 映画「雨に唄えば」

    映画「雨に唄えば」

     映画「雨に唄えば」(原題は Singin’ in the Rain )は1952年に公開された。

     そしてアメリカのミュージカル映画を代表する作品として、時代を超えて愛されている。

     ジーン・ケリーが雨の中を歌って踊るところは特に有名。


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    「雨に唄えば」のストーリー

     映画がサイレント(無声)であった時から話は始まる。(1927年とされている。)

     ドン(ジーン・ケリー)はサイレント映画でリーナ(ジーン・ヘイゲン)と恋人役を演じて人気者になっていた。

     ところがトーキー(有声)映画が流行して、2人もトーキー映画をやらざるを得なくなった。

     トーキー映画を作るのに色々と問題が生じた。特にリーナの声がよくないことは大きな問題であった。

     そこでドンと仲良くなっていたキャシー(デビー・レイノルズ)にリーナの声をあてさせるという考えが出て来た。

     映画はうまくいくか?

     ドン、リーナ、キャシーの関係はどうなる?

    「雨に唄えば」の見どころ

     「雨に唄えば」は明るい映画である。

     もともと暗い雨を、明るい気持ちを表現するための題材にしてしまう「雨に唄えば」という楽曲は、その明るさを代表している。

     ストーリーも、映画がサイレントからトーキーに移行する時のごたごた、その中での恋愛などを明るくコミカルに描いている。

     ジーン・ケリーをはじめとする出演者も映画を明るくしている。

     画面の色彩も明るい。

    「雨に唄えば」の構成

     「雨に唄えば」という映画は、先に楽曲があって、その楽曲をもとにして作られている。

    「雨に唄えば」Singin’ in the Rain

     「雨に唄えば」という映画のタイトルは「雨に唄えば」という楽曲をもとにしている。

     しかし「雨に唄えば」という楽曲はこの映画のために作られたものではない。

     1929年に公開された映画「ハリウッド・レビュー」(原題は “The Hollywood Revue of 1929” )という映画で歌われていた楽曲である。


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     「雨に唄えば」という楽曲は、映画「雨に唄えば」の20年以上前に作られていたのである。

     ジーン・ケリーの有名な踊りのために作られたのではない。

    アーサー・フリード

     「雨に唄えば」という楽曲は、アーサー・フリードが作詞し、ナシオ・ハーブ・ブラウンが作曲した楽曲である。

     映画「雨に唄えば」は、「雨に唄えば」をはじめとしてアーサー・フリードが作詞した楽曲をもとにして作られた。

     アーサー・フリードは、1920年代から1930年代にかけて多くのヒット曲の作詞を担当していた。

     アーサー・フリードは1939年からMGMのプロデューサーとなって、1940年代、1950年代にかけて多くのミュージカル映画をヒットさせた人でもある。映画「雨に唄えば」のプロデューサーでもあった。

     映画「雨に唄えば」は、プロデューサーのアーサー・フリードがそれまでに作詞した楽曲をもとにして作られた映画である。

    All I Do Is Dream of You

     キャシー(デビー・レイノルズ)がパーティーで歌い踊る「 “All I Do Is Dream Of You” 」は、1935年の映画「踊るブロードウェイ」で歌われていた楽曲である。


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    「グッドモーニング」Good Morning

     映画「雨に唄えば」でデビー・レイノルズ、ジーン・ケリー、ドナルド・オコナ―の3人が歌って踊っている「 “Good morning” 」という楽曲も、もともとは1939年の映画「青春一座」でミッキー・ルーニーとジュディ・ガーランドが歌っていたものである。


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    You Were Meant for Me

     ドン(ジーン・ケリー)が映画のセットを使ってキャシーに愛を告白するところで歌う ” You Were Meant for Me ” という楽曲も、もともとは1929年の映画「ブロードウェイ・メロディー」で歌われていた。


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    「ブロードウェイ・メロディー」Broadway Melody

     映画「雨に唄えば」の中で作られる映画の現代の部分は「ブロードウェイ・メロディー」と呼ばれていて、「ブロードウェイ・メロディー」という楽曲が使われている。

     「ブロードウェイ・メロディー」は、1929年の映画「ブロードウェイ・メロディー」の主題歌である。


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     映画「雨に唄えば」では、ドン(ジーン・ケリー)が「ブロードウェイ・メロディー」を思いついたことにしている。

     そしてドンが主役になって、ブロードウェイで成功しようとする若者のミュージカルが、劇中劇として入っている。

     「ブロードウェイ・メロディー」は、1929年に作られた後、1936年、1938年、1940年とシリーズとして作られていた。

     映画「雨に唄えば」は、その後にまた「ブロードウェイ・メロディー」をとりあげているのである。

    「ブロードウェイ・リズム」Broadway Rhythm

     映画「雨に唄えば」の「ブロードウェイ・メロディー」の部分では、はじめに「ブロードウェイ・メロディー」が歌われたが、その後は「ブロードウェイ・リズム」が歌われている。

    「ブロードウェイ・リズム」は、1935年の映画「踊るブロードウェイ」で歌われた楽曲。


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    Beautiful Girl

     映画の途中のファッションショーで歌われている “Beautiful Girl” という楽曲は、もともと1933年の映画「虹の都へ」で歌われていたようである。

     「虹の都へ」は、「市民ケーン」のモデルとされた新聞王ハーストが推していたマリオン・デービス主演の映画。


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    楽曲の文脈

     映画「雨に唄えば」の楽曲は、それぞれ過去の映画の中で意味をもっていた。

     映画「雨に唄えば」は、そういう映画からとりだした楽曲群をもとにして新たな物語を作ったものである。

     映画「雨に唄えば」の中で楽曲群は新たな意味をもつものとして位置づけられている。

    「雨に唄えば」の歴史的意義

     もともとアーサー・フリードが作詞した楽曲「雨に唄えば」は、映画がサイレントからトーキーに移行する時に作られたものであった。「ブロードウェイ・メロディー」もそうであった。

     そして「雨に唄えば」が歌われた映画「ハリウッド・レビュー」、「ブロードウェイ・メロディー」が歌われた映画「ブロードウェイ・メロディー」は、映画がサイレントからトーキーに移行する時に作られたミュージカル映画の代表的なものであった。―「ブロードウェイ・メロディー」はその年のアカデミー賞を受賞している。

     映画「雨に唄えば」で映画がサイレントからトーキーに移行する時にミュージカル映画を作るという話が描かれていることは、そういうことと関係があるわけである。

     MGMのミュージカル映画の名場面を集めた映画「ザッツ・エンタテインメント」も「ハリウッド・レビュー」で「雨に唄えば」が歌われた映像をとりあげて、映画がサイレントからトーキーに移行する時期にミュージカル映画が盛んになったことについて語っている。

     映画「雨に唄えば」は、映画「ザッツ・エンタテインメント」とあわせてみることによって理解が深まるものである。


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    (初回限定生産)雨に唄えば 日本語吹替音声追加収録版 (4K ULTRA HD & ブルーレイセット)(2枚組) [4K ULTRA HD + Blu-ray]