月: 2021年5月

  • 「いちご100%」タイトル表

    「いちご100%」タイトル表

     漫画「いちご100%」の各話のタイトル、掲載された「週刊少年ジャンプ」、収録された「ジャンプコミックス」を表にしてまとめた。

    タイトル表

     話の主要人物によって色を付けた。

     

    話数 タイトル 備考 「週刊少年ジャンプ」 ジャンプコミックス
    第1話 いちご注意報

    美少女との出会い。東城との出会い。

    西野に告白して、交際開始。

    2002年12号

    表紙「新連載」

    いちご注意報
    いちご100% モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    表紙<東城、西野>

    (2002年8月7日)

    第2話 そういうつもり?

    真中は西野とともに泉坂高校を目指す。

    東城が勉強を見ると言ってくる。

    13号
    第3話 教えてあげる   14号
    第4話 電話できないッ   15号
    第5話 Girl Meets Girl   16号
    第6話 鳥のように真中   17号
    第7話 密室ヘブンorヘル   18号
    第8話 早朝恋愛勉強会  

    19号

    表紙「NISHINO TOJO」

    第9話 いきなりON THE BED   20号

    幻の美少女再び
    いちご100% モノクロ版 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <東城>

    (2002年10月9日)

    第10話 暴走特急真中号 夜、西野家で二人きり。 21号
    第11話 せいいっぱいの決意   22・23合併号
    第12話 すれ違う想い 泉坂高校入試 24号
    第13話 幻の美少女再び 25号
    第14話 東城×東城=さらに東城 26号
    第15話 それでもいい   27号
    第16話 ふたりのESCAPE   28号
    第17話 つかさSTYLE

    合格発表。

    西野は桜海学園へいくという。

    北大路登場。

    29号
    第18話 思い出ください 中学卒業。 30号

    運命のクランク・イン⁉
    いちご100% モノクロ版 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <西野>

    (2003年1月11日)

    第19話 運命のクランクイン⁉ 散歩中に北大路と出会う。 31号
    第20話 恋の花咲くダイビングヘッド 高校で北大路と出会う。 32号
    第21話 真中以上の男   33号
    第22話 体育館倉庫の乱   34号
    第23話 決めちゃえよ 大草に「決めちゃえよ北大路に」と言われる。 35号
    第24話 好きで悪いか⁉   36号
    第25話 走る女・迷う男   37・38合併号
    第26話 再会 西野が泉坂高校に来る。 39号
    第27話 夢への第一歩 東城にビデオを見せられる。 40号

    キスしてほしい
    いちご100% モノクロ版 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <北大路>

    (2003年4月9日)

    赤マルジャンプ・2002年春号、2003年冬号掲載分収録

    第28話 東城 IN MY ROOM   41号
    第29話 真中包囲網   42号
    第30話 嵐を呼ぶ撮影合宿

    高1の合宿。北大路が主演女優。夜中に北大路は真中に…。

    真中と東城、海辺を歩く。

    43号
    第31話 さつき沸騰中 44号
    第32話 キスしてほしい 45号
    第33話 CRYING IN THE RAIN 46号
    第34話 つかさの悩み 「さつき、西野、東城…俺は一体誰とどうすればいいんだろう―」 47号
    第35話 打ち明けられた想い 大草に北大路が似合うと言われる。シャーペンも北大路に倒れる。 48号
    第36話 秘密の出来事 部室で東城と唇が触れる。 49号

    思い出の女
    いちご100% モノクロ版 5 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <南戸>

    (2003年6月9日)

    第37話 嵐の如き文化祭

    文化祭。

    北大路とキス。

    50号
    第38話 キスの余韻 北大路のアルバイト先で真中もアルバイト。 51号
    第39話 だから今夜こそ

    西野の家に招かれて気持ちを聞かれて「サヨナラ」と言われる。

    南戸登場。

    52号
    第40話 思い出の女 家に帰ると布団に南戸が寝ていた。 2003年1号
    第41話 一緒に入る⁉ 2号
    第42話 星降る夜⁉ クリスマスイブにアルバイト。北大路が来てプレゼント。 3・4合併号
    第43話 教えてお願い 東城が南戸の家庭教師として真中の家に来る。東城はそこで真中と西野が別れたと知る。 5号
    第44話 南北戦争勃発⁉ 南戸、北大路に抗議。 6・7合併号
    第45話 また会える 東南北とかくれんぼ。南戸が帰るのを駅で見送る。 8号

    天使再臨
    いちご100% モノクロ版 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <東西北、真中>

    (2003年8月9日)

    赤マルジャンプ2003年春号掲載分収録

    第46話 これぞ運命⁉ 天地登場、東城に惚れる。 9号
    第47話 アクシデントが止まらないッ 真中、天地に対抗する。 10号
    第48話 2月14日 東城からチョコレートをもらう。北大路はゴミ箱に捨てる。西野は部屋の前に置いていく。 11号
    第49話 天使再臨 南戸、桜海学園の入試のため真中の家に来る。そして西野と出会う。 12号
    第50話 予感 真中、部室で東城を抱きしめる。 13号
    第51話 さつき反撃 北大路、放課後の部室で真中に…。 14号
    第52話 放課後プラクティス 15号
    第53話 放さない

    真中、部室で東城を抱きしめる。

    夜の道で西野と再会。

    16号
    第54話 DASH 淳平 17号

    SWEET LITTLE SISTER
    いちご100% モノクロ版 7 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (2003年10月8日)

    第55話 接点 18号
    第56話 映画館の女 東城とデートで映画館に行く。そこで美鈴と出会う。 19号
    第57話 SWEET LITTLE SISTER

    高校2年、東城と別のクラスになる。

    映研に美鈴がくる。

    20号
    第58話 新入部員参上

    美鈴入部。

    風邪を引いた南戸のために女子校桜海学園にノートを返しに行く。

    そこで西野と出会う。

    21号
    第59話 救世主アゲイン 22・23合併号
    第60話 君を守りたい 24号
    第61話 涙のテアトル泉坂

    「今の方が/つきあってた頃より/西野のこと/考えてる―」「ちがうよ!/東城じゃな…」

    映画館でアルバイトを始める。

    25号
    第62話 最後の一枚 5月3日、北大路に誕生日プレゼント。 26号
    第63話 揺れてBIRTHDAY 北大路、東城から誕生日プレゼント。 27号

    温めあう?
    いちご100% モノクロ版 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (2003年12月9日)

    第64話 運命の扉

    アルバイト先の映画館で西野と出会う。西野のアルバイト先も近くてよく会うようになる。

    東城は「文芸星屑」の審査員特別賞に選ばれる。

    映研の映画のヒロインは西野になる。

    28号
    第65話 自分を信じて 29号
    第66話 オールOK 30号
    第67話 もうひとつの合宿 真中、東城は合宿に行く途中、山小屋に。 31号
    第68話 温めあう? 32号
    第69話 ドキッとした?

    高2の合宿

    西野が主演女優。

    西野と肝試し。

    33号

    表紙「ハジけなきゃ!トロピカルSUMMER

    第70話 恋人たちの伝説 34号
    第71話 迎えにきて 南戸唯から「たすけて」という手紙。田舎の南戸家へ行く。 35号
    第72話 最後の夜 36号

    迷える子羊と拾う神
    いちご100% モノクロ版 9 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <東西南北>

    (2004年3月9日)

    第73話 唯の味方 37・38合併号
    第74話 水着で個人指導 西野とプールに行って泳ぎを教えてもらう。 39号
    第75話 誰よりも甘い男 西野の部屋で、日暮と出会う。 40号
    第76話 迷える子羊と拾う神 41号
    第77話 抱擁 西野が抱き着いてくる。 42号
    第78話 誕生日アゲイン

    西野の誕生会が北大路、東城の約束と重なって、一緒に会うことになった。

    地震で火が広がる中、西野と二人になる。

    その後、西野と夜の中学校に行く。保健室。

    43号
    第79話 BIRTHDAY PANIC 44号
    第80話 思い出の校舎で 45号
    第81話 WONDERFUL TONIGHT 47号

    10

    抱いてワンダーワールド
    いちご100% モノクロ版 10 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <東城>

    (2004年5月5日)

    第82話 文化祭パニック 高2の文化祭。端本。 48号
    第83話 第4の天使 49号
    第84話 ちなみFEVER 50号
    第85話 急・転・直・下 屋上で東城と。 51号
    第86話 湯けむりの向こう側へ

    修学旅行。

    夜の浴場で北大路と。

    清水寺で東城と。

    そして西野。

    52号
    第87話 恋愛交差点 2004年1号
    第88話 ただ君に会いたい 2号
    第89話 抱いてアンダーワールド 3号
    第90話 サンタクロースがいっぱい   4・5合併号

    11

    届く気持ち 届かぬ気持ち
    いちご100% モノクロ版 11 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <西野>

    (2004年7月7日)

    第91話 触ってみる? 東城の家でいとこの遥と出会う。 6・7合併号
    第92話 ナンバー1 大学入試の話が出る。東城に誕生日プレゼントを渡す。 8号
    第93話 さつきタイムリミット 北大路が転校するという話。 9号
    第94話 届く気持ち 届かぬ気持ち バレンタイン。端本、北大路、東城、南戸からそれぞれチョコレートをもらう。 10号
    第95話 SWEET GIRL BITTER LOVE 夜、家の近くの公園で西野と。

    11号

    表紙「届けますバレンタインスペシャルポスター

    第96話 恋愛射程距離 12号
    第97話 遅れて来た女 外村と合コン。そこに南戸が来る。西野が来る。 13号
    第98話 このままずっと

    大草の提案で、南戸、西野とダブルデート。

    14号
    第99話 放さないで 15号

    12

    妄想少女
    いちご100% モノクロ版 12 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <北大路>

    (2004年9月8日)

    第100話 走り出した運命 東城を追いかけて行くと、塾に着いた。向井登場。 16号
    第101話 ここは別世界 西野に贈る下着を買いに行く話。 17号
    第102話 妄想少女 塾で向井と親しくなる。 18号
    第103話 SMILE FOR ME 19号
    第104話 純情シネマ交差点 真中と向井を北大路が追いかける。東城はそれを後ろから見ている。 20号
    第105話 追いかけてトゥナイト 21号
    第106話 UNDER THE MOONLIGHT 22・23合併号
    第107話 目覚ましGIRL 突然西野が来て海のデートに誘ってくれる。 24号
    第108話 天地覚醒 天地が東城一筋になる。 25号

    13

    あの娘のスキャンダル
    いちご100% モノクロ版 13 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <南戸>

    (2004年11月9日)

    第109話 二つの予言   26号
    第110話 恋の共同戦線 向井と真中をくっつけるという話に東城も協力を求められる。 27号
    第111話 SLEEPLESS NIGHT 28号
    第112話 寝顔GIVE&TAKE 家に帰るとベッドに西野が寝ていた。 29号
    第113話 DISTANT VOICES 東城、眼鏡をかけて塾に行く。 30号
    第114話 誓いの言葉 北大路、友達宣言。 31号
    第115話 RAINY見えすぎて 高校の体育の時間に東城と二人きりになる。 32号
    第116話 あの娘のスキャンダル

    西野は雑誌に載せられて男たちに囲まれた。そこに日暮登場。

    33号

    表紙「2004年ジャンプスーパーアニメツアー」BLEACHと東城

    第117話 DREAM重なって 34号

    14

    初めての…⁉
    いちご100% モノクロ版 14 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <向井>

    (2005年1月10日)

    第118話 初めての…⁉ 東城に言われて真中は向井とデートする。 35号
    第119話 ○○○なっちゃった 36号
    第120話 着せ替えヒロインズ   37・38合併号
    第121話 心、胸、サンドイッチ 真中、向井と東城に挟まれる。 39号
    第122話 ふたりで電車で 西野と二人で二泊三日の旅行。 40号
    第123話 FIRST DAY 41号
    第124話 SECOND NIGHT 42号
    第125話 MIDNIGHT 43号
    第126話 誰がために泳ぐ プールで東城をめぐって天地と戦う。 44号

    15

    両手に花でSOS
    いちご100% モノクロ版 15 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <端本、美鈴>

    袖に西野の「生徒手帳の写真風」

    (2005年4月9日)

    第127話 全員集合夏合宿

    高3の合宿。

    温泉でのドタバタ。(127~128)

    北大路とのやりとり。(129)

    小宮山と端本。(130)

    停電。(131~132)

    向井、東城と無人島へ。(132~133)

    東城、「同じ大学を目指すのやめるかも」という。(135)

    東城の演技。(135~136)

    45号
    第128話 湯けむり大脱出 46号
    第129話 トモダチ⁉それとも… 47号
    第130話 小宮山力也の奇跡 48号
    第131話 IN THE 暗闇 49号
    第132話 両手に花でSOS 50号
    第133話 どっち⁉ 51号
    第134話 風が吹いたら 52号
    第135話 SCENE122 53号

    16

    KISS大人味
    いちご100% モノクロ版 16 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <東城>

    (2005年6月8日)

    第136話 演技⁉本気⁉ 2005年1号
    第137話 気になって その気になって 合宿から帰ってくると西野がいた。東西南北で公園で遊ぶ。 2号
    第138話 デート×4 3・4合併号
    第139話 EAT!

    「ラブ・サンクチュアリ」のことが出て来る。

    北大路とキス。

    5・6合併号
    第140話 KISS 大人味 7号
    第141話 ホントに欲しいモノ 西野と水族館でデート。西野、けんすい。 8号
    第142話 運命⁉FLASH BACK 9号
    第143話 傾く気持ち…混乱 東城に彼氏ができたのか?

    10号

    表紙「祝連載3周年」

    第144話 甘えていいよ… 西野と。 11号

    17

    甘えていいよ…
    いちご100% モノクロ版 17 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <西野>

    (2005年8月9日)

    第145話 欲張りな唇 12号
    第146話 ふたりきりクライシス 北大路とのやりとり。 13号
    第147話 大切だけど そうじゃない 14号
    第148話 求めあう放課後 夜、部室で映画の編集をしていたところに西野が来た。 15号
    第149話 儚き結晶 文化祭の前日の試写会。真中と東城のやりとり。 16号
    第150話 気づいてほしい 文化祭。 17号
    第151話 どうして…? 18号
    第152話 love drive 文化祭の夜。東城と真中のやりとり。そして西野。 19号
    第153話 わかってたのに 20号

    18

    ふたりきり
    いちご100% モノクロ版 18 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <東西南北・向井・端本・美鈴>

    (2005年10月9日)

    第154話 噓ついた 21・22合併号
    第155話 未来という名の来訪者

    真中は映像コンクールの審査員に評価される。

    東城は中路賞を受賞。

    23号
    第156話 好機到来 24号
    第157話 何かが足りない⁉ 東城、真中、それぞれ行き詰る。 25号
    第158話 MOTIVATION 東城、真中は協力することにする。 26号
    第159話 恋人ならば クリスマスイブ、西野のフランス留学問題。 27号
    第160話 それぞれの聖なる夜 28号
    第161話 ふたりきり 大学受験直前の真中のために南戸が家庭教師として東城をよんだ。 29号
    第162話 決戦前夜 受験の前日、南戸が真中を責める。 30号

    19

    選んだ未来
    いちご100% モノクロ版 19 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    <東城、西野>

    (2005年12月7日)

    第163話 あたしから 真中の試験の後、東城の話。 31号
    第164話 あの日のノート

    東城のノート。

    真中と西野。

    32号
    第165話 旅立つまで 33号
    第166話 さようなら。泉坂 東城、卒業式の答辞。 34号
    最終話 選んだ未来 それぞれのその後。 35号
    番外編 京都初恋物語 大学に進学した美鈴の話。 ジャンプ the REVOLUTION! 2005年11/1号

    路線変更

     「いちご100%」は、途中で話が変わったと作者自ら語っている。

     どう変わったのか? 西野の人気によってきまったと言われることが多いが、どうなのか。下の記事で考えてみた↓

  • 【考察】「きまぐれオレンジ☆ロード」小説版の出来たいきさつについて

    【考察】「きまぐれオレンジ☆ロード」小説版の出来たいきさつについて

     「きまぐれオレンジ☆ロード」には小説版がある。

     その小説版が出来たいきさつは、そのあとがきに著者自らの言葉によって書かれている。しかし私はそれを読んで、かえって混乱した。

     そのことについて考えたことを書いてみた。

    基本的な事実

     まず「きまぐれオレンジ☆ロード」の小説版について基本的な事実について書く。

     「きまぐれオレンジ☆ロード」の漫画、TVシリーズ、劇場版、小説版の時系列は下の記事↓

    小説「新きまぐれオレンジ★ロード そして、あの夏のはじまり」

     小説「新きまぐれオレンジ★ロード そして、あの夏のはじまり」は1994年7月9日に集英社から書き下ろしとして出版された。

     漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」の作者まつもと泉先生と、そのTVシリーズのシリーズ構成、劇場版の脚本を担当した寺田憲史氏がともに著者に名を連ねるというかたちになっている。
     寺田憲史氏が小説の執筆を担当し、まつもと泉先生が挿絵を担当している。

    JUMPjBOOKS

     小説「新きまぐれオレンジ★ロード そして、あの夏のはじまり」は「JUMPjBOOKS」(集英社)の一つとして出版された。

     「JUMPjBOOKS」は「漫画⇆小説の新しさ!!」、「BIGネーム&人気漫画家の共演!!」を売りにするもので、それまでに「バスタード」、「電影少女」など「週刊少年ジャンプ」で連載されている漫画の小説版や、オリジナルの小説に漫画家が挿絵を描いたものが22冊出版されていた。

     「JUMPjBOOKS」は、1991年8月21日にVol.1が出版された「jump novel」(集英社)という「小説+漫画」をうたった雑誌がもとになっているようである。「きまぐれオレンジ☆ロード」の小説版の2冊目、3冊目は「jump novel」に掲載されている。

    劇場版

     その後に小説「新きまぐれオレンジ★ロード そして、あの夏のはじまり」をもとにした映画「新きまぐれオレンジ★ロード あの夏のはじまり」が作られて、1996年11月2日に公開された。

    劇場版

     私は小説版を読む前に、小説版をもとにして作られた劇場版を観ていた。

     私は2013年に「きまぐれオレンジ☆ロード」に対する関心が再燃した時にはじめて劇場版の存在を知った。その時にはじめて劇場版1作目「あの日にかえりたい」とともに2作目の「そして、あの夏のはじまり」を観たのである。

     私は劇場版「あの日にかえりたい」もいいと思わなかったが、劇場版「そして、あの夏のはじまり」は、それとは違う方向でよくないと思った。そしてそういう出来になったのは、寺田憲史氏によるところが多いのではないかと思っていた。

    衝撃

     私が衝撃を受けたのは、小説「新きまぐれオレンジ★ロード そして、あの夏のはじまり」の「postscript」でまつもと泉先生が小説版について次のように語っていたからであった。

    今回の小説は「その後」の話である。これは「言いだしっぺ」の私の仕事である。しかし一介のマンガ家が一夜漬けで、いきなり小説などという大それたものを書けるほど世の中甘くない。それならば、と私が「生みの親」であるなら、ここはひとつ「育ての親」に御頼みするのが良いと考え、私はプロットまでを作ることにし、後はアニメのまどか達を創造した張本人、寺田憲史さんにお願いした。

    「新きまぐれオレンジ★ロード あの夏のはじまり」、244頁

     まつもと泉先生はこの小説版について「これは「言いだしっぺ」の私の仕事である。」と言っている。そして自ら寺田憲史氏に小説版を依頼したと言っている。「寺田さんにはこのまつもとが「ぜひとも!」と、お願いして快く引き受けていただいた。」とも書かれている。(同、244頁)

     私は、小説版は主に寺田憲史氏が作ったものだと思っていた。
     ところが、まつもと泉先生はそれを「「言いだしっぺ」の私の仕事」とよんでいる。

     私は、まつもと泉先生は小説版に対しても寺田憲史氏に対しても自分から離れたものと考えていると思っていた。
     ところが、まつもと泉先生は自ら寺田憲史氏に依頼するのがいいと考えて依頼したと語っている。

     しかし考え直してみると、まつもと泉先生が自ら寺田憲史氏に依頼するのがいいと考えて依頼したということには疑問がある。そういうことはなかったのではないかと思う。

    依頼

     まつもと泉先生が自ら寺田憲史氏に依頼するのがいいと考えて依頼したということを、私がそのまま受け取ることができないわけを語る。

    それまでの寺田憲史氏

     第一に、それまで寺田憲史氏は、TVシリーズでも、劇場版でも、原作と違うものを作ってきた人である。

     原作と違うものを作る寺田憲史氏を、まつもと泉先生が消極的に受け入れることはあるであろうが、積極的に選ぶことはないのではないか?

    TVシリーズ

     寺田憲史氏はTVシリーズのシリーズ構成を担当した人であるが、TVシリーズには原作漫画と違うところが少なからずあった。

     まつもと泉先生も、問題としている「postscript」で「というワケで…と寺田憲史的口調にいきなり変わっちゃったりして。」と書いているところがある。(同、242~243頁)
     「寺田憲史的口調」という原作にないものがTVシリーズに入れられていたことをわざとやってみせているのである。逆に言うと、そのようにつき放したかたちでなく取り入れることはないということではないか?

     そういうことに対するファンからの疑問もまつもと泉先生に寄せられていた。「ジンゴロとかいう猫がアニメに突然出て来たりしたとき」も、なぜかという質問がきたという。(同、242頁)
     そして「そういう人の質問には「私はそれに関わってないから分かりません。それは作られた方の個性じゃないんですか。」と答えることにしてきた」と語っている。(同、242頁)

     まつもと泉先生はアニメに対して次のような考えをもっていたという。

    今まで、アニメなどの原作のマンガ以外のオレンジロードは、絵に関しても、ストーリーに関しても所詮、他人の手で描かれるため、良いものになろうが、つまらなかろうが「オレンジロード風ガイドライン」からそう逸脱したものにならなければ、私はなるたけ関わる必要がないと決め込んでいた。だからアニメと私の原作とではストーリーが少しくらい違っていても、あまり注文など口は出さないようにしてきた。

    「新きまぐれオレンジ★ロード あの夏のはじまり」、242頁

     要するに、まつもと泉先生は、TVシリーズにおいて寺田憲史氏が原作と違うことをやってきたことに対して、自分から離れたものとしてみるという立場をとっていた。

     ところでまつもと泉先生が、積極的に寺田憲史氏に小説版の執筆を依頼したとすると、それまで自分から離れていたものとして見ていたものを、自分から積極的にもとめたことになる。おかしくないか?

    「あの日にかえりたい」

     寺田憲史氏は、劇場版「あの日にかえりたい」の脚本を担当した人でもある。劇場版「あの日にかえりたい」は、TVシリーズより原作から離れたものになっている。

     まつもと泉先生も「映画のオレンジロードと原作のオレンジロードとでは、なぜ話が違うの?」と質問されたと書いている。(同、242頁)

     まつもと泉先生は、原作と違うものになっても、なるべく口を出さないようにしてきたというが、劇場版「あの日にかえりたい」に対しては、口を出したと言われる。実情はわからないが、寺田憲史氏の「postscript」には次のように書かれている。

    ぼくが(映像スタッフと練り上げた)オリジナルのプロットをまつもとさんにお見せすると、たった一言「寺田さん、ひかるちゃんをあまりまり可哀想にしないで下さいね」とだけおっしゃった。

    「新きまぐれオレンジ★ロード あの夏のはじまり」、246頁

     まつもと泉先生が口を出したということは、「あの日にかえりたい」は「オレンジロード風ガイドライン」から逸脱したということではないか。

     寺田憲史氏は、原作と違うものを作ってきただけでなく、まつもと泉先生の考える「オレンジロード風ガイドライン」から逸脱したものを作った人でもあった。
     そういう人に対してまつもと泉先生が積極的に小説版の執筆を依頼するであろうか?

    寺田憲史氏の小説版の企画

     劇場版「あの日にかえりたい」は過去のことにとどまらない。まさに今回の小説に関わることである。

    「あの日にかえりたい」の続編

     小説「新きまぐれオレンジ★ロード そして、あの夏のはじまり」は劇場版「あの日にかえりたい」の「その後」の話になっているのである。小説の中で「あの日にかえりたい」のことが語られている。

     大学受験に明け暮れていた去年の夏、ぼくとひかるちゃんはキスをした。それが、鮎川の心を深く傷つけた。それから、三人の関係は音を立てるように崩れていった。

    「新きまぐれオレンジ★ロード あの夏のはじまり」、39頁

    ・そこで恭介が「結局ぼくは、ひかるちゃんにもう二人だけでは会えないことを告げた。」とか、

    ・それに対してひかるがまどかに対して「まどかさん! まどかさんは、ずるいですよ。まどかさんは、春日先輩に何かしましたか?」、「わたしは、なんだってできます。先輩のためなら。先輩のためなら、なんだってできます」と言ったとか、

    ・恭介に対して「だめですか? …あたしじゃだめですか? あたし、春日先輩のこと、諦めきれないんですよ。ちゃんとあたしを見て下さい。無視しないでよ~!」と言ったとか、(39頁)

     いずれも「あの日にかえりたい」に出て来たことである。

     「きまぐれオレンジ☆ロード」の小説版を、劇場版「あの日にかえりたい」の後の話にすることを企画したのは、まつもと泉先生とは思えない。

    まつもと泉先生

     まつもと泉先生が「きまぐれオレンジ☆ロード」の「その後」の話を企画したときに、「あの日にかえりたい」の「その後」の話を企画したとは考え難い。

     「あの日にかえりたい」は、原作とは異なる終わり方を描いたものである。

     原作者が「あの日にかえりたい」の「その後」の話を企画する必要はない。原作の「その後」の話を企画すればいいのである。

     劇場版「あの日にかえりたい」の「その後」の話を小説にしたいのであれば、そうしてもいい。しかしそのように原作を捨てて「あの日にかえりたい」の続編を企画するほど、まつもと泉先生は「あの日にかえりたい」を好ましいと思っていなかったようである。むしろ好ましくないと思っていたと言われている。そういうものの「その後」の話を積極的に作りたかったとは考え難い。

     まつもと泉先生は「postscript」で小説版について、「その後」の話とだけ言って、「あの日にかえりたい」の「その後」の話と言っていない。それだけ「あの日にかえりたい」に対して反発する気持ちを持っていたと読み取ることができるのではないか。

    寺田憲史氏

     それに対して寺田憲史氏には、「あの日にかえりたい」の「その後」の話を企画する理由がある。「あの日にかえりたい」は、寺田憲史氏が(映像スタッフとともに)作ったものだからである。

     寺田憲史氏は「postscript」を「あの日にかえりたい」のことから始めている。(原作者が「あの日にかえりたい」という言葉を一度も使わないことと対照的である)

     寺田憲史氏はまた「今回のノベルスは、『あの日に―』の<その後の恭介たち>である。」と書いている。(246頁)

    恭介とまどかは、二十二歳である。ひかるは二十歳。それぞれに、様々なコトがあったはずである。時に傷つき、時に燃えて、…だからこそ、それぞれが、<とても居心地がよかった時=あの日>は、ふと立ち寄ってみたくなる。でも…。

    「新きまぐれオレンジ★ロード あの夏のはじまり」、247頁

     この小説の企画が寺田憲史氏から出たと思われるもう一つの理由がある。

     寺田憲史氏は「postscript」の最後に、この小説の「その後」の話を書きたいと書いている。

    機会があったら、またこの三人の<その後>を書いていたいと思っている。そのため、ノベルスでは、敢えて<新>と付けさせて頂いた。最後にまどかの意味深なセリフ。
    「わたし、いつか超能力者、産むのかな?」
    こうなったら、そこまでこの三人の青春を追っかけてみようか、などと考えてしまっている今日この頃なのである。
    ―三人の夏は、もうすぐ!

    「新きまぐれオレンジ★ロード あの夏のはじまり」、247頁

     この小説の題が「新きまぐれオレンジ★ロード」となっているのは、「またこの三人の<その後>を書いていたいと思っている」からだというのである。

     「新きまぐれオレンジ★ロード」は寺田憲史氏の企画したもののようである。

    考察

     小説「新きまぐれオレンジ★ロード そして、あの夏のはじまり」の「postscript」のまつもと泉先生の言葉も、寺田憲史氏の言葉も、そのままで受け取ることはできない。何が起こっていたか、考えてみよう。

    二つの選択肢

     「postscript」で気になるところを考えなおしてみよう。

     まつもと泉先生は「postscript」のはじめに、「この小説の依頼話が来た時、私の頭にはとっさに二つの考えが浮かんだ。」といって、「作者としても描くべきではない、という考え」と、「どうせなら今までのストーリーの中に番外編を入れるくらいじゃ面白くないから「恭介やまどかの、その後」を描いてみるのも良いかもしれない、という考え」との二つの考えが浮かんだと語っている。
     そしての二つの考えの間で「あれこれ悩んだ末、とにかく引き受けることにした。」と語っている。

     これは奇妙ではないか? 何故にその二つしか選択肢がないのか? 何故に「今までのストーリーの中に番外編を入れる」という選択肢がはじめから排除されているのか?

     まつもと泉先生自身はその後に「今までのストーリーの中に番外編を入れる」ことしかやっていない。そういう選択肢がはじめから排除されているのである。

     まつもと泉先生が「でも、正直いうなら、どうせなら今回は自分で小説を書きたいと思った。」というところに、まつもと泉先生の本心はあったのではないか?
     TVシリーズでも、劇場版「あの日にかえりたい」でも、まつもと泉先生の思うようなものにはならなかった。それでもまつもと泉先生は、他の人が作ることであるから、「オレンジロード風ガイドライン」からそう逸脱したものにならない限りしかたがないと考えていた。
     しかし「正直」な気持ちは違った。
     とはいえ、まつもと泉先生自ら小説を書くことはできず、まつもと泉先生の思うような小説を書く人をよんでくることもできなかった。
     そこでこれまでと同じように寺田憲史氏の作る原作と違うものを、他の人が作るから仕方がないものとして受け入れることにしたということではないか?

    「その後」

     実際には「「恭介やまどかの、その後」を描いてみるのも良いかもしれない、という考え」が採用された。

     ところで「恭介やまどかの、その後」ということには、原作の「その後」の話も含まれると思われるが、実際には「あの日にかえりたい」の「その後」の話となった。

     そのことを考えると、はじめの選択肢の段階で「あの日にかえりたい」の「その後」の話として考えられていたのではないかと思われる。

     まつもと泉先生に小説版の話が来た時には、「あの日にかえりたい」の「その後」の話にするか、それともやめるか、選択肢は二つだけになっていたのではないか? その時点で寺田憲史氏の考えが取り入れられていたのではないか?

    寺田憲史氏に依頼したということ

     まつもと泉先生に小説版の話が来る前に、担当編集者の根岸氏か、他の人かわからないが、寺田憲史氏を執筆者の候補として話をしていたのではないかと思われる。

     寺田憲史氏はTVシリーズのシリーズ構成を担当していたので、話が早かった。

     「きまぐれオレンジ☆ロード」の小説版を書きたいという人は多かったのではないか、と私などは思うが、まつもと泉先生も、担当編集者の根岸氏も、そう思っていなかったのではないか。
     現に平井和正氏は1994年に「きまぐれオレンジ☆ロード」に魅了されて、1995年に「ボヘミアン・ガラス・ストリート」という小説を出している。(アスベクト、1995年3月4日)

     小説版の話を聞いた寺田憲史氏は、「あの日にかえりたい」の「その後」の話にすること、「新きまぐれオレンジ★ロード」にすることを主張したと思われる。

     まつもと泉先生に小説版の話が来た時には、寺田憲史氏の主張を受け入れるか、小説版をやめるか、選択しは二つに一つとされていた。他の執筆者に依頼することもできたと思われるが、なぜか考慮されなかった。

     まつもと泉先生が「これは「言いだしっぺ」の私の仕事である」と言い、「寺田憲史さんにお願いした。」と言い、「寺田さんにはこのまつもとが「ぜひとも!」と、お願いして快く引き受けていただいた。」と言っているのは、その決断はあくまでもまつもと泉先生がなしたものだからと考えられる。

     実際には、まつもと泉先生からみると、小説版は、TVシリーズと同じような位置にあるものと思われる。「きまぐれオレンジ☆ロード」の名を使って、他の人がやるのである。
     「そしてまた私はしばらく少し離れたところからそっと見守っていることにする。」(244頁)というところも、小説版に対して、TVシリーズに対してしたのと同じように離れて見守るという立場をとることを明らかにしている。

     そこでまつもと泉先生は「あの日にかえりたい」の「その後」の話にすることを認める代わりに、「オレンジロード風ガイドライン」から「そう逸脱したもの」にならないことを求めたのではないか。

     以上、私の推測である。

  • 「きまぐれオレンジ☆ロード」タイトル表

    「きまぐれオレンジ☆ロード」タイトル表

     漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」の第1話から第156話までのタイトル、掲載された「週刊少年ジャンプ」、それぞれの話が収められたジャンプコミックス、愛蔵版、文庫版を表にまとめた。


    [まとめ買い] きまぐれオレンジ★ロード

    タイトル表

     基本的に一話完結であるが、複数の話にまたがるものもある。同じ色によって示した。

    話数 タイトル 週刊少年ジャンプ ジャンプコミックス 愛蔵版・文庫版
    1 まっ赤な麦わら帽子

    1984年15号
    (3月26日号)
    きまぐれオレンジロード 新連載週刊少年ジャンプ1984年15号 キン肉マン キャッツアイ ウイングマン 北斗の拳 奇面組 キャプテン翼

    表紙「巨弾新連載2」(1は14号で始まった「Mr.ホワイティ」)

    1

    まっ赤な麦わら帽子!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1984年10月15日)

    1

    まっ赤な麦わら帽子

    愛蔵版
    きまぐれオレンジ★ロード  1巻

    (1991年12月18日)

    文庫版
    きまぐれオレンジ★ロード 1 (集英社文庫 ま 7-1)

    (1998年2月23日)

    2 シュートはブルー 16号
    (4月2日号)
    3 くちびるシークレット 17号
    (4月9日号)
    4 哀愁チーク 18号
    (4月16日号)
    5 レイクサイド狂想曲 19号
    (4月23日号)
    6 恋のディスタンス 20号
    (4月30日号)
    7 危険なウワサ 21号
    (5月7日号)
    8 秘密のアルバイト 22号
    (5月14日号)
    9 ファースト・テスト 23号
    (5月21日号)

    2

    ジェラシー・レイン!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1985年2月15日)

    10 ショッピング・ブギ! 24号
    (5月28日号)
    11 疑惑の指輪 25号
    (6月4日号)
    12 アルコールぶるうす 26号
    (6月11日号)
    13 ちぐはぐ気分! 27号
    (6月18日号)
    14 二枚のスナップ 28号
    (6月25日号)
    15 ジェラシー・レイン 29号
    (7月2日号)
    16 あいにく片想い! 30号
    (7月9日号)

    2

    禁じられた恋の島

    愛蔵版
    きまぐれオレンジ★ロード  2巻

    (1992年1月25日)

    文庫版
    きまぐれオレンジ★ロード (2) (集英社文庫―コミック版)

    (1998年2月23日)

    17 くるみちゃん気をつけて! 31号
    (7月16日号)
    創刊16周年記念号

    3

    禁じられた恋の島!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1985年5月15日)

    18 チケット・トラブル! 32号
    (7月23日号)
    19 渚のパニック! 33号
    (7月30日号)
    20 漁火恋唄 34号
    (8月6日号)
    21

    禁じられた恋の島

    35号
    (8月13日号)
    巻頭カラー
    22

    子供じゃないの!

    36号
    (8月20日号)
    23

    アイ・ライク・ジャパン!

    37号
    (8月27日号)
    24

    ドキドキ遊園地!

    38号
    (9月3日号)
    25

    疑惑光線・ユラッ!

    39号
    (9月10日号)
    26

    ビートで嫉妬!

    40号
    (9月17日号)

    4

    星空に予知夢!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1985年8月15日)

    27

    優柔不断でゴメンなさい!

    41号
    (9月24日号)
    28

    とまどいアクシデント!

    42号
    (10月1日号)
    29

    マラソンしましょ!

    43号
    (10月8日号)
    30

    疑惑のひかるちゃん

    44号
    (10月15日号)

    31

    しあわせの花!

    45号
    (10月22日号)
    32

    ハートのAをひいちゃった!

    46号
    (10月29日号)

    3

    星空に予知夢

    愛蔵版
    きまぐれオレンジ★ロード  3巻

    (1992年2月25日)

    文庫版
    きまぐれオレンジ★ロード 3 (集英社文庫 ま 7-3)

    (1998年4月22日)

    33

    星空に予知夢

    47号
    (11月5日号)
    34

    恭介くん変身す!

    48号
    (11月12日号)

    表紙「まどかの心と秋の空」

    5

    ゆれてララバイ!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 5 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1985年11月15日)

    35

    テレパシー・キッド!

    49号
    (11月19日号)
    36

    ラッキィ・バースディ!

    50号
    (11月26日号)
    37

    もういちど予知夢!

    51号
    (12月3日号)
    38

    カゼのミステリー

    52号
    (12月10・17日合併号)
    39

    ぱにっくキッド!

    1985年
    1-2合併号
    (1月1日号)
    40

    タイムスリップ・クリスマス!

    3号
    (1月8日号)
    41

    ゆれてララバイ

    4-5合併号
    (1月15日号)
    42

    スケーターズ・ワルツ

    6号
    (1月22日号)

    謹賀新年で作者の写真

    43

    レッツ・チェンジ!

    7号
    (1月29日号)

    6

    ルージュの伝言!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1986年2月15日)

    44

    スノー・スケッチ

    8号
    (2月4日号)
    45

    ロマンティック・ナイト

    9号
    (2月11日号)
    46

    雪夜のふたり

    10号
    (2月18日号)

    表紙「もらって不安なChocolate…!」(JC5巻の表紙と同じ)

    47

    夢色バレンタイン

    11号
    (2月25日号)

    48

    進学えれじい

    12号
    (3月4日号)

    4

    ルージュの伝言

    愛蔵版
    きまぐれオレンジ★ロード  4巻

    (1992年3月24日)

    文庫版
    きまぐれオレンジ★ロード 4 (集英社文庫 ま 7-4)

    (1998年4月22日)

    49

    誘惑ひなまつり

    13号
    (3月11日号)

    50

    純情ブルース

    14号
    (3月18日号)

    連載50回突破ということで「ついでにとんちんかん」「シェイプアップ乱」とともに表紙

    51

    ルージュの伝言

    15号
    (3月25日号)
    巻頭カラー

    52

    天使の誘惑

    16号
    (4月1日号)

    7

    天使の誘惑!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 7 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1986年5月15日)

    53

    ぱにっくキッド・アゲイン!

    17号
    (4月8日号)

    54

    いけないチーク

    18号
    (4月15日号)

    55

    春=ショック!

    19号
    (4月22日号)

    56

    ジェラス・カード

    20号
    (4月29日号)

    57

    おまかせハリケーン!

    21号
    (5月6日号)

    58

    Hでハプニング!

    22号
    (5月13日号)
    59

    スキンシップに御用心!

    23号
    (5月20日号)
    60

    恋の知能犯

    24号
    (5月27日号)
    61

    プライヴェート・メモリー

    25号
    (6月3日号)

    8

    恋の逃亡者!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1986年8月15日)

    62

    シャッター・チャンス!

    26号
    (6月10日号)
    63

    パラレル・トリップ!

    27号
    (6月17日号)

    5

    恋の逃亡者

    愛蔵版
    きまぐれオレンジ★ロード  5巻

    (1992年4月25日)

    文庫版
    きまぐれオレンジ★ロード 5 (集英社文庫 ま 7-5)

    (1998年6月23日)

    64

    だってパラダイス!

    28号
    (6月24日号)
    65

    デンジャラス・ビーチ!

    29号
    (7月1日号)
    66

    目撃者・あかね!

    30号
    (7月8日号)
    67

    堕ちないでダーリン!

    31号
    (7月15日号)
    68

    恋の逃亡者

    32号
    (7月22日号)
    69

    S・Hは恋のイニシャル

    33号
    (7月29日号)
    70

    ホラーはいかが?

    34号
    (8月5日号)

    表紙「おいしいコミック」

    9

    予知夢でチャンス!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 9 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1986年10月15日)

    71

    キャンプでシェイク!

    35号
    (8月12日号)
    巻頭カラー
    72

    ルーツ・パニック!

    36号
    (8月19日号)
    73

    夏雪恋色慕情

    37号
    (8月22日号)
    74

    プールでチェイス!

    38号
    (9月2日号)
    75

    カンニングはダメよ!

    39号
    (9月9日号)
    76

    予知夢でチャンス!

    40号
    (9月16日号)
    77

    妄想カメラ

    41号
    (9月23日号)
    78

    破滅がいっぱい!

    42号
    (9月30日号)
    79

    パラレル・ブギ!

    43号
    (10月7日号)

    スペシャルアニメ制作記念巻頭カラー

    10

    恋の思秋期!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 10 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1986年12月10日)

    6

    恋の思秋期

    愛蔵版
    きまぐれオレンジ★ロード  6巻

    (1992年5月25日)

    文庫版
    きまぐれオレンジ★ロード 6 (集英社文庫 ま 7-6)

    (1998年6月23日)

    80

    パラレル・ナイト!

    44号
    (10月14日号)
    81

    パラレル・ヒーロー!

    45号
    (10月21日号)
    82

    恋の思秋期

    46号
    (10月28日号)
    83

    危険な転校生

    47号
    (11月4日号)
    84

    ビデオでLOVE!

    48号
    (11月11日号)
    85

    秘密のスナップ

    49号
    (11月18日号)
    86

    なんたって誕生日!

    50号
    (11月25日号)
    87

    スラップスティックきのこ狩り!

    51号
    (12月2日号)
    88

    好きといいなさい!

    52号
    (12月9・16日合併号)

    11

    初夢KISS!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 11 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1987年2月15日)

    89

    心ジャックWAR!

    1986年
    1-2合併号
    (1月1日号)

    90

    ホワイト・クリスマス

    3-4号
    (1月8日号)

    91

    催眠術をかけないで!

    5号
    (1月15日号)
    新記録435万部達成
    92

    初夢KISS!

    6号
    (1月22日号)
    表紙は作者の写真と漫画の絵
    初詣ポスター(JC16巻の表紙の絵)
    93

    冬山 恐怖伝説

    7号
    (1月29日号)
    94

    ホラー・ストーリー

    8号
    (2月3日号)
    95

    涙なみだのS・U!

    9号
    (2月10日号)

    7

    危険なふたり

    愛蔵版
    きまぐれオレンジ★ロード  7巻

    (1992年6月24日)

    文庫版
    きまぐれオレンジ★ロード (7) (集英社文庫―コミック版)

    (1998年8月16日)

    96

    ラブ・フォーカス!

    10号
    (2月17日号)
    97

    バレンタイン・キッド!

    11号
    (2月24日号)

    12

    危険なふたり!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 12 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1987年4月15日)

    98

    ロボット恭ちゃん!

    12号
    (3月3日号)
    99

    初恋

    13号
    (3月10日号)
    100

    留学するって本当ですか?

    14号
    (3月17日号)
    101

    春がきた!

    15号
    (3月24日号)

    表紙「Rock’n まどかLIVE!」(JC7巻の表紙と同じ)

    連載100回突破で巻頭カラー

    102

    危険なふたり

    16号
    (3月31日号)
    103

    まなみの大冒険!

    17号
    (4月7日号)
    104

    4月の馬鹿に御用心!

    18号
    (4月14日号)
    105

    春霞恋模様

    19号
    (4月21日号)
    106

    凶相・恭ちゃん!

    20号
    (4月28日号)

    13

    感情表現100%!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 13 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1987年6月15日)

    107

    おしゃべりオウム

    21号
    (5月5日号)
    108

    オレは男だ!

    22号
    (5月12日号)
    109

    フシギな時計

    23号
    (5月19日号)
    110

    おめざめKISS!

    24号
    (5月26日号)
    111

    フォトジェニック・ガール

    25号
    (6月2日号)

    8

    夜の口紅

    愛蔵版
    きまぐれオレンジ★ロード  8巻

    (1992年7月25日)

    文庫版
    きまぐれオレンジ★ロード 8 (集英社文庫 ま 7-8)

    (1998年8月16日)

    112

    見せちゃだめだめメッセージ!

    26号
    (6月9日号)
    113

    感情表現100%!

    27号
    (6月16日号)
    114

    恋のバス・ストップ!

    28号
    (6月23日号)
    115

    あぶない教師

    30号
    (7月7日号)

    表紙「つかまえてごらんキミのマーメイド!」(JC9巻の表紙と同じ)

    14

    あぶない教師!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 14 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1987年8月15日)

    116

    再会のラビリンス

    31号
    (7月14日号)
    117

    失恋予知夢

    32号
    (7月21日号)
    118

    吾輩はネコである!

    33号
    (7月28日号)
    119

    わかれの夏休み

    34号
    (8月4日号)
    120

    あこがれのハワイ!

    35号
    (8月11日号)
    121

    女の戦場ハワイ!

    36号
    (8月18日号)
    122

    常夏ビーチはサスペンス!

    37号
    (8月25日号)
    123

    ハワイアン・ミステリー

    38号
    (9月1日号)
    124

    サマーナイト・ホラー

    39号
    (9月8日号)

    15

    夜の口紅
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 15 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1987年10月15日)

    125

    特別編・まつもと泉 千葉をゆく!(愛蔵版では「千葉へゆく」)

    40号
    (9月15日号)
    126

    夜の口紅

    41号
    (9月22日号)
    127

    密室テンプレーション

    1987年12号
    (3月2日号)

    表紙「まどかといっしょに風になれ!」(JC12巻の表紙と同じ)
    「TVアニメ化決定大紹介!!」
    巻頭カラー

    9

    春はアイドル

    愛蔵版
    きまぐれオレンジ★ロード  9巻

    (1992年8月25日)

    文庫版
    (文庫版の第9巻は「思いがけないシチュエーション」まで)
    きまぐれオレンジ★ロード (9) (集英社文庫―コミック版)

    (1998年10月21日)

    128

    甘く危険な映画館

    13号
    (3月9日号)
    129

    進級レッドゾーン

    14号
    (3月16日号)
    130

    想い出の樹の下で

    15号
    (3月23日号)
    131

    のぞいてジェラシー

    16号
    (3月30日号)
    132

    ハプニング・キッス

    17号
    (4月6日号)

    16

    春はアイドル!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 16 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1987年12月9日)

    133

    帰れない男

    18号
    (4月13日号)
    表紙「CITY HUNTER」とアニメ放映ダブルスタート
    134

    そしてダ・カーポ

    19号
    (4月20日号)
    135

    春はアイドル

    20号
    (4月27日号)
    136

    街角のハプニング!

    21号
    (5月4日号)
    137

    夜はアドベンチャー

    22号
    (5月11日号)
    138

    悲恋白書

    23号
    (5月18日号)
    139

    思わずキューピッド!

    24号
    (5月25日号)
    140

    夢のステージ

    25号
    (6月1日号)
    141

    スタア誕生!

    26号
    (6月8日号)

    17

    片想いグラフィティ!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 17 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1988年2月15日)

    142

    ハート・オン・ファイア!

    27号
    (6月15日号)
    143

    思いがけないシチュエーション!

    28号
    (6月22日号)

    10

    永遠の夏

    愛蔵版
    きまぐれオレンジ★ロード  10巻

    (1992年9月23日)

    文庫版
    (文庫版第10巻は「いつわりのB・F」から)
    きまぐれオレンジ★ロード 10 (集英社文庫 ま 7-10)

    (1998年10月21日)

    144

    いつわりのB・F

    29号
    (6月29日号)
    145

    ふたりだけの寝室

    30号
    (7月6日号)
    146

    あこがれのひかるちゃん!

    31号
    (7月13日号)
    147

    片思いグラフティ!

    32号
    (7月20日号)
    148

    ロボット恭ちゃんII

    33号
    (7月27日号)
    149

    おさかなになったボク!

    34号
    (8月3日号)
    150

    想い出の湖

    35号
    (8月10日号)

    18

    永遠の夏!
    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 18 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    (1988年7月15日)

    151

    夏のペンダント

    36号
    (8月17日号)
    152

    逃げろや逃げろ!

    37号
    (8月24日号)
    153

    石像に祈りを…

    38号
    (8月31日号)
    154

    夏のフィナーレ!

    40号
    (9月14日号)
    155

    帰れないふたり

    41号
    (9月21日号)
    156

    永遠の夏

    42号
    (9月28日号)

    時系列

    漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」の時系列
    • 1984年
      「週刊少年ジャンプ」で連載開始

      「週刊少年ジャンプ」1984年15号

    • 1984年10月
      ジャンプコミックス発売

      1984年10月15日に第1巻発売

    • 1987年
      連載終了

      「週刊少年ジャンプ」1987年42号

    • 1988年7月
      ジャンプコミックス最終巻(第18巻)

      ・18巻は1988年7月15日に発行。
      ・ジャンプコミックス第18巻では、連載時の最終話(155話、156話)に45Pの加筆がなされた。

    • 1991年~1992年
      愛蔵版刊行

      ・1991年12月18日に1巻、1992年9月23日に10巻。それまで出されていた全話を収めた。
      ・最終話(156話)に加筆がある。

    • 1996年
      「パニックin銭湯!」

      ・1996年2月に発売されたデジタルコミック「COMIC ON Vol.1」CD-ROM(東芝EMI)に、「パニックin銭湯!」が描き下ろされた。
      ・「パニックin銭湯!」は「スーパージャンプ」1996年10月号に掲載された。

    • 1998年
      文庫版

      ・1998年に文庫版10巻が出された。
      ・最終話の後に「パニックin銭湯!」が加えられている。
      ・1巻には平井和正氏の解説、10巻には作者の解説が載せられている。

    • 1999年
      「ほんでもってとーめー恭介!」

      「週刊プレイボーイ」1999年44号に「ほんでもってとーめー恭介!」が掲載された。

    • 2011~2012年
      コンビニ本

      2012年に集英社ジャンプリミックスの一つとして全6冊のコンビニ本が出された。内容は、愛蔵版、「パニックin銭湯!」、「ほんでもってとーめー恭介!」。

     ジャンプコミックス


    きまぐれオレンジロード 全巻 全18巻 まつもと泉 1巻以外 17冊初版

     愛蔵版


    きまぐれオレンジロード 愛蔵版 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10巻 まつもと泉 全巻セット 初版本 絶版 少年ジャンプ 集英社

     文庫版


    きまぐれオレンジロード 文庫版 完結 全10巻初版セット 栞付き まつもと泉

     コンビニ本


    きまぐれオレンジロード 1―美女ジャンプ6 (SHUEISHA JUMP REMIX)

    気になるところ

    休載期間

     「週刊少年ジャンプ」1986年41号から1987年12号までの間、「きまぐれオレンジ☆ロード」の連載がとまっている。

     当時編集長であった西村繫男氏はそのことについて「休ませたんですよ、遅くて」と語っている。(「まんが編集術」、白夜書房、1999年、261頁)

     1987年12号で連載を再開した。その時にTVアニメ化決定が伝えられている。


    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 15 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    ジャンプコミックスの間隔

     ジャンプコミックス第1巻と第2巻の間は4カ月、第2巻と第3巻の間は3カ月、それから8巻まで3カ月おきに出ていたが、それから2カ月おきになった。

     ところが第17巻と第18巻の間は5カ月空いている。


    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 18 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    最終話

     漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」の最終話は三通り。

    ・「週刊少年ジャンプ」(1987年41~42号)に掲載されたもの

    ・ジャンプコミックス(第18巻)で加筆されたもの(1988年)

    ・愛蔵版(第10巻)で加筆されたもの(1992年)

    タイトル

     ジャンプコミックス、愛蔵版のそれぞれの巻のタイトルは、その巻に収められた話のうちの一つの話のタイトルからとられている。

     文庫版には、巻ごとのタイトルはない。


    きまぐれオレンジ★ロード カラー版 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)

    作者の死

     2020年10月6日に「きまぐれオレンジ☆ロード」の作者まつもと泉先生は亡くなった。

  • 「天気の子」はどうして人を怒らせるのか? 「若者文化」から「セカイ系」まで

    「天気の子」はどうして人を怒らせるのか? 「若者文化」から「セカイ系」まで

     2019年に公開された映画「天気の子」について、新海誠監督は人を「怒らせたい」と語っている。

    https://news.yahoo.co.jp/feature/1389

     「怒らせたい」とはどういうことか? 新海誠監督はどういうことを考えているのか? 「天気の子」はどういう作品なのか?

     新海誠監督の言葉を手掛かりにして「天気の子」という映画について考えてみよう。(敬称略)

    社会との対立

    Steve BuissinneによるPixabayからの画像

     新海誠監督は「「『君の名は。』に怒った人をもっと怒らせたい」――新海誠が新作に込めた覚悟」という記事で次のように語っている。

    帆高の叫びを描きたいという話をしましたけれど、その叫びってどういう叫びかというと、帆高と社会の価値観が対立したときに生まれた叫びなんです。

    YAHOOニュース「『君の名は。』に怒った人をもっと怒らせたい」――新海誠が新作に込めた覚悟

    https://news.yahoo.co.jp/feature/1389

     新海誠監督によると「天気の子」は、社会と対立する主人公の「叫び」を描いた作品である。

     「天気の子」という作品によって「人を怒らせる」ということは、そのことと関係があるようである。

     新海誠監督は「新海誠と川村元気が「天気の子」を“当事者の映画”にした思考過程」という記事では次のように語っている。

    主人公の帆高は、家出をすることで社会から逸脱し、結果として社会と対立することになっていきます。

    新海誠と川村元気が「天気の子」を“当事者の映画”にした思考過程

     銃が出て来るのはそのためだという。

    その行き着く先に銃がでてくると物語が明快になるなと最初から考えていて

    新海誠と川村元気が「天気の子」を“当事者の映画”にした思考過程

    https://eiga.com/news/20190803/1/

     さらに詳しく考えてみよう。

    若者文化

    Photo by Islander Images on Unsplash

     映画「天気の子」において、主人公が「社会と対立する」ことは「若い子たち」が「大人」と対立するというかたちをとっている。

     「天気の子」はそのことによって、アメリカで1950年代から盛んになった「若者文化」の後を継ぐものということができる。

    キャッチャー・イン・ザ・ライ

     「天気の子」では、主人公が漫画喫茶でアルバイトを探している時に、カップ麺の上に村上春樹訳の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を置いているところが描かれている。

     村上春樹の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」は、サリンジャー J.D.Salinger の “The Catcher in the Rye” を訳したものである。”The Catcher in the Rye” は1950年代の「若者文化」の代表的な作品である。

    村上春樹の解説

     「天気の子」ではわざわざ村上春樹訳が描かれているので、村上春樹の「『キャッチャー・イン・ザ・ライ』訳者解説」をとりあげよう。

    「『キャッチャー・イン・ザ・ライ』訳者解説」は、「サリンジャーのアメリカ本国のエージェントから日本のエージェントに「訳者が本に一切の解説をつけてはならない」という強いトーンのお達しがきた」ことを受けて、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の巻末から外され、雑誌「文學界」のサリンジャー特集号に掲載された後、訳者が手を入れたものが「翻訳夜話2サリンジャー戦記」に収められた。(「翻訳夜話2サリンジャー戦記」、6頁)

     その中に作品が「人を怒らせる」ことについて語っているところがある。

    健全な社会が『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を糾弾しつづける最も大きな理由は、(中略)ホールデン少年が、一人の個人として、学校や社会という既成のシステムに対して、はっきりと臆することなく根元的な「ノー!」の叫びを上げており、彼のそのような反抗的姿勢があらゆる時代を通して、多くの若者にとって強い説得力を持っているという事実にあるのだ。

    「翻訳夜話2サリンジャー戦記」、文春新書、2003年、213~214頁

     「キャッチャー・イン・ザ・ライ」は、「健全な社会」によって「糾弾」され続ける作品であるという。

     新海誠監督は「天気の子」は人を怒らせる作品だと言った。そのことと「キャッチャー・イン・ザ・ライ」が「健全な社会」によって「糾弾」され続けたということとは、関係があると思われる。

     村上春樹は「キャッチャー・イン・ザ・ライ」が「健全な社会」によって「糾弾」され続ける理由について、主人公が「既成のシステム」に対して「根元的な「ノー!」の叫び」を上げていて、そのことが「あらゆる時代を通して、多くの若者にとって強い説得力を持っている」と語っている。

     「天気の子」は、2019年にその後を継ごうとしたものということができるのではないか。

    共通するところ

     「天気の子」と「キャッチャー・イン・ザ・ライ」には共通するところがある。

     「キャッチャー・イン・ザ・ライ」でも「天気の子」でも主人公は16歳である。

     「キャッチャー・イン・ザ・ライ」では、主人公は、それまで通っていた学校を退学させられて、家に帰らずに、ニューヨークに行くことにする。
     「天気の子」では、主人公は、学校に行かず、家を出て、東京に行くことにする。

     「天気の子」が「キャッチャー・イン・ザ・ライ」をもとにしていると思われるところについて下の記事で語った。↓

     最も重要なところは、主人公の「叫び」であろう。―「キャッチャー・イン・ザ・ライ」では主人公が「一人の個人として、学校や社会という既成のシステムに対して、はっきりと臆することなく根元的な「ノー!」の叫びを上げて」いるが、「天気の子」では主人公と「社会の価値観が対立したときに生まれた叫び」を描きたかったと新海誠監督は語っている。

    理由なき反抗

     私は「天気の子」を初めて観た時に、「理由なき反抗」を思い出した。

     たとえば「天気の子」で、主人公とヒロインとヒロインの弟の三人がラブホテルでつかの間の幸せをかみしめるところを見ていて、「理由なき反抗」で、主人公とヒロインともう一人の男子が三人で空き家でつかの間の幸せをかみしめるところを思い出した。

     また「天気の子」で主人公が拳銃を手にするところを見て、「理由なき反抗」で一人の少年が拳銃を手にするところを思い出した。

     「天気の子」の作り手が「理由なき反抗」を考えていたかどうか私は知らない。今までそのことに触れている人を見たこともない。

     いずれにせよ「理由なき反抗」も1950年代の「若者文化」を代表する作品であって、主人公等の「若者」が大人と対立するところが描かれている。そして人を「怒らせる」作品でもある。

     「天気の子」はその後を継ぐものということができる。

    「天気の子」

     映画「天気の子」は、1950年代の「若者文化」の後を継ぐものとして、「若者」が大人と対立するところを描いている。

    親、学校

     「天気の子」は、1950年代の「若者文化」の後を継ぐものであるが、主人公と親との対立はほとんど描かれていない。

     「天気の子」は、主人公が家出をするところから始まる。親と対立するところから始まるのである。しかしそのことは映画の中ではほとんど描かれない。

     「天気の子」の主人公の親は、警察が主人公を捕まえに来ることのもとになった届け出によって、主人公と警察との対立に間接的に関わるだけである。

     ただし1950年代の「若者文化」でも、「理由なき反抗」では主人公と親の対立が多く描かれているが、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」ではそれほど描かれていない。

     「天気の子」では、主人公と学校との対立もほとんど描かれていない。警察官との対立が描かれている。

    「天気の子」の対立

     「天気の子」では、ヒロインが犠牲になるということに関して、主人公と社会の対立が描かれている。その対立はまた若者と大人の対立というかたちをとっている。

    犠牲と夢

    Andrealison Leao de SouzaによるPixabayからの画像

     終盤、主人公は犠牲になったヒロインを取り戻そうと走る。それを警察官が止める。そこで対立が生ずる。

     ヒロインが犠牲になったと信じている主人公と、そのことを知らない警察官はそのことを知らない警察官との対立が生ずるのである。

    主人公

     ヒロインは犠牲になった、と主人公が信じた根拠は、そういう夢を見たことをヒロインの弟とともに思い出したことと、ヒロインに贈った指輪が空から足元に落ちて来たことである。

     それからの主人公の言動はその「夢」をもとにしている。―小説版では、そのことは映画版より明らかにされている。たとえば小説版では、警察署の前で主人公をカブに乗せた夏美が、ヒロインを救うために罪を犯している主人公と自分について、「その根拠はただの夢。我ながら笑えてくる」と独白している。(「小説 天気の子」、239頁)

    夏美

     夏美も、主人公の言葉を聞いて、その前の夜にヒロインが「祈りながら空に昇っていく夢」を見たことを思い出したと独白している。(同、234頁)

    須賀と娘

     須賀は、幼い娘がヒロインの夢を見たと言い、ヒロインが「天気にしてくれた」と聞いて、はっとした表情をしている。―小説版では「俺も夢に見たのだ」と独白している。そして「東京中の人間が同じ夢を見たのではないか」と独白している。(同、221頁)

    警察官

     それに対して警察官は、主人公からヒロインが犠牲になったゆえに空は晴れたと聞いて、「鑑定医、要りますかね?」と言っている。

     警察官にとってそのことは存在しないのである。

    安井刑事

     須賀のところに来た安井刑事は、ヒロインが天気のために犠牲になったという主人公の話を持ち出して、信じてはいないが「そこまでして会いたい子がいるってのは、私なんかにゃ、なんだかうらやましい気もしますな」とも言っている。

     その「夢」は「そこまでして会いたい子がいる」ことと考えられている。

     そのことは自分には存在しないが、うらやましいことであるという。

    整理

     小説版を読むと、須賀が言うように「東京中の人間が同じ夢を見た」という事実があるようである。その事実に対して、
    ・主人公、ヒロインの弟、須賀の娘のような子供は、その夢をそのまま存在することと思うが、
    ・警察官は存在しないことと考える、
    ・中間にいて子ども寄りの夏美は、忘れていたが存在することとして主人公を応援する、
    ・大人寄りの須賀は存在することとするに至らない、
    と分かれているようである。

     「東京中の人間が同じ夢を見た」という事実があるとすると、主人公が警察官に対して「知らないふり」をしていることを責めることは正しいことになる。

     ただし小説版でも、「東京中の人間が同じ夢を見た」のではなく、ヒロインと関係のあった人だけがその夢を見たということもありうるのではないかとも思う。

     映画版では、夏美、須賀が夢を見たということはない。須賀が「東京中の人間が同じ夢を見たのではないか」と独白することもない。映画版を見ると、主人公、ヒロインの弟、須賀の娘という子どもだけが夢を見たようである。

     夢についても、その夢の中身、すなわちヒロインが天気のために犠牲になったということは、この映画の世界の中で実在することなのか、そうでないのか、という問題がある。

     いずれにせよ、その夢をそのまま存在することと思うことは「若い子たち」にあることであって、大人にはなく「うらやましいこと」と言われているのである。

    晴れ女の扱い

    Photo by Anastasia Shuraeva from Pexels

     ここでそれまでの晴れ女の扱いを振り返っておこう。

    はじめ

     主人公ははじめ「晴れ女」の話を「ラノベの設定みたいな話」といい、「天気はそういうもんじゃない」、「自然現象」だと言っていた。
     それに対して須賀は「ぜんぶ分かっててエンタメを提供してんの」という考えであった。

    分岐

     ところが主人公はヒロインが晴れをもたらしたところを見てから、「晴れ女」の力を信ずるようになった。

     須賀の考えは変わらなかった。
     小説版では、須賀は神主から「天気の巫女」の話を聞いた後、「今でも俺は、天気の巫女だの晴れ女だのは信じていない。その後に起きたいくつかの出来事には、他にいくらでも合理的な説明がつくはずだと思っている」と独白している。(小説版、145頁)

     「天気の子」の世界は、「晴れ女」が晴れをもたらす力をもつということを大人が信じない世界である。そういうことは大人には存在しないのである。

     ただし須賀は、そこで「胸騒ぎを感じていた」とも言っているように(小説版、145頁)、「晴れ女」を信ずる気持ちに傾くところもあった。

    対立

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     犠牲になったヒロインを取り戻すために走る主人公と、その主人公を捕まえようとする警察官との対立について考えてみよう。

    警察の取調室

     主人公は警察の取調室に入るように言われたところで、ヒロインを取り戻すために逃げ出す。

     この場面では、警察官は主人公がヒロインを取り戻したいということに反対しているのではない。話は中で聞くと言っている。

     主人公は、警察官が主人公に反対していないにもかかわらず、警察官から逃げ出したというかたちになっている。

    廃ビルの須賀

     廃ビルで、主人公がヒロインを取り戻すために鳥居に行きたいというが、それに対して須賀は警察に戻った方がいいという。

     須賀は主人公が鳥居に行きたいということに反対しているのではない。

     主人公は、須賀が主人公に反対しているのではないにもかかわらず、須賀を自分の邪魔をする者と見なして銃口を向けるというかたちになっている。

     小説版では、その時に主人公は「どうして誰も彼もが、理不尽となって僕の前に立ち塞がるのか」と独白している。(253頁)
     しかしそういう主人公こそ「理不尽」に見える。

    廃ビルの警察官

     廃ビルに来た警察官も、主人公が鳥居に行きたいということに反対しているのではないにもかかわらず、主人公は自分の目的に反対するものとみなして銃口を向けている。

     主人公はそこで警察官に対して「なんで邪魔するんだよ? 皆何も知らないで、知らないふりして!」と言っている。
     警察官はそのことを知らないのに「知らないふり」をしているというのはおかしいと思われる。
     ただし、上で言ったように、警察官も同じ夢を見ていたかもしれない。そうだとすると、「知らないふりして」いるということは正しいことになるかもしれない。しかし同じ夢を見ていたとしても、その夢を存在することと受け取るとは限らないのではないか?

    正しくない

     このあたりの主人公の言動は正しくないように見える。

     主人公は、犠牲になったヒロインを取り戻したいのに、警察官も須賀もその邪魔をしていると見なして、逃げ、銃口を向けている。

     しかし警察官も須賀も、主人公がヒロインを取り戻そうとしていることに反対しているのではない。
     警察官は、主人公の親からの行方不明の届によって、また主人公が拳銃を持っていたという疑いによって、主人公をつかまえに来ているのである。
     須賀は、事を丸く収めるために来ているのである。

     このあたりで主人公は対立を引き起こすだけではない。「若者」として大人と対立するだけではない。正しくないと思われる対立を引き起こしているのである。

     それゆえに多くの人を怒らせると思われる。

     小説版で、須賀が娘萌花からの電話に対して次のように独白しているところがある。

    世の中の全てのものが自分のために用意されていると信じ、自分が笑う時は世界も一緒になって笑っていると疑わず、自分が泣く時には世界が自分だけを苦しめていると思っている。なんて幸福な時代なのだろう。俺はいつ、その時代をなくしたのだろう。あいつは―帆高は今でも、その時代にいるのだろうか。

    「小説 天気の子」、角川文庫、220~221頁

     このあたりの主人公の言動はまさにそういうものになっている。

     新海誠監督は小説版の「あとがき」でそのことに関して次のように語っている。

    映画は(あるいは広くエンターテインメントは)正しかったり模範的だったりする必要はなく、むしろ教科書では語られないことを―例えば人に知られたら眉をひそめられてしまうような密やかな願いを―語るべきだと、僕は今さらにあらためて思ったのだ。教科書とは違う言葉、政治家とは違う言葉、批評家とは違う言葉で僕は語ろう。道徳とも教育とも違う水準で、物語を描こう。それこそが僕の仕事だし、もしもそれで誰かに叱られるのだとしたら、それはもう仕方がないじゃないか。

    「小説 天気の子」、295~296頁

     新海誠監督は、「天気の子」の主人公が「正しかったり模範的だったりする」のでない言動をすることによって、人に「眉をひそめられ」、「叱られる」ことを知りながらあえてそうしたというのである。

     「人に知られたら眉をひそめられてしまうような密やかな願い」とは、この映画の「夢」を真実と信ずることであろう。

    終盤

    Photo by Divyanshi Verma on Unsplash

     主人公は警察から逃げて鳥居をくぐった。そして空の上でヒロインと出会って、ヒロインを取り戻した。

     その後も映画は続く。

    流れ

     その後に主人公は鳥居で目を覚ましたところを警察に逮捕された。主人公は高校卒業までの二年半保護観察処分とされた。

     高校を卒業した後、主人公は東京の大学に入るためにまた東京に出て来た。東京はあの日から降り続く雨によって水浸しになっていた。

     主人公はまず、「晴れ女」の依頼をしていた老女に会ったが、東京はもともと海だったので現在東京が水没しているのは元に戻っただけだと言われた。

     次に須賀に会ったが、主人公が世界のかたちを変えたと言うのに対して、そんなわけはない、うぬぼれるなと言われた。世界はもともと狂っていると言われた。

     その二人の言葉を聞いて、世界がこうであるのは誰のせいでもないのか、と主人公は考えながら歩いていた。

     ところが、ヒロインが祈っている姿を見て、主人公は自分が世界を変えたと確信する。自分がこの世界を選んだと確信する。

    意味

     映画のはじめの主人公の独白は、主人公が映画終盤で至った結論である。

    秘密

     はじめに「これは、僕と彼女だけが知っている世界の秘密についての物語だ」という主人公の独白がある。

     「僕と彼女だけが知っている世界の秘密」とは、この映画に描かれている「晴れ女」とか、ヒロインが犠牲になったこととか、主人公がそのヒロインを救ったこととかのことである。そのことは主人公とヒロインだけが知っていることである。

     映画「天気の子」は、主人公とヒロインだけが知っている「晴れ女」のことと、そのことをめぐる大人とのやりとりを描いたものである。「僕と彼女だけが知っている世界の秘密についての物語」というのはそういうことである。

     主人公は、はじめの独白で次に「あの景色、あの日見たことは全部夢だったんじゃないかと今では思う」と言っている。

     「あの景色、あの日見たこと」、すなわち犠牲になったヒロインを主人公が取り戻したことは、大人には存在しないことである。―主人公を逮捕した警察官には存在しない。晴れ女の依頼をしていた老女にも存在しない。須賀も存在しないという。

     主人公は、そういう大人の考えを二人から聞いて、「夢」だったのではないかと思った。「今では」そう思うというのは、時が経って隔たったこと、主人公自身、高校を卒業して大人に近づいていることによると思われる。

    結論

     しかし最後に主人公は「でも夢じゃないんだ。あの夏の日、あの空の上で僕たちは世界の形を変えてしまったんだ」と言う。

     主人公はヒロインが祈っている姿を見て、自分が世界を変えたと確信する。そのことは「夢」ではなかったと確信する。

    考察

     「天気の子」の終盤は、「天気の子」という作品の重要なところである。終盤の意義について小説版の須賀の言葉によって説明してみよう。

     小説版では、終章で大学生になるために東京に出て来た主人公に対して須賀は次のように言っている。

    若い奴は勘違いしてるけど、自分の内側なんかだらだら眺めててもそこにはなんにもねえの。大事なことはぜんぶ外側にあるの。自分を見ねえで人を見ろよ。どんだけ自分が特別だと思ってんだよ

    「小説 天気の子」、284~285頁

     「自分の内側」というのは、ヒロインが犠牲になったのを主人公が取り戻したということである。それに対して「大事なことはぜんぶ外側にある」というのは、大人の考え方ということができる。

     主人公はそういう須賀の言葉に動かされて「ヒロインが犠牲になったのを主人公が取り戻した」ことは「夢」だったのではないかと思ったが、ヒロインが祈っている姿を見て、「夢」ではなかったと確信する。

     「天気の子」という作品は、須賀の所謂「自分の内側」を中心とする物語である。逆に言うと、「外側」のことはそれほど重要ではない。

     この映画で主人公の選択による犠牲が水没した東京の光景くらいしか描かれていないのはそのことと関係がある。

     東京に出て来た主人公に二人の大人が主人公の責任を否定していることについて、主人公に甘いと言う批評があるが、この作品の主旨を考えると、主人公に甘くしているのではなく、問題を主人公の「内側」に限定していると思われる。

     たしかにそれにしても主人公が自分が大変なことをしでかしたと心慄くところがあってもよかったと思われる。老女に「なんであんたが謝るのさ?」と言われてうつむいているだけでは弱いと思われる。

     「晴れ女」の設定が粗いことも、「内側」のことであって、「外側」にはないことだからと考えることができる。
     多くのつっこみどころもそのように考えることができる。
     しかしそれにしてももう少し気にならないくらいに作り込んでもよかったのではないかと思う。

     つっこみどころについて↓

     「セカイ系」との関係については、長くなったので下の記事に書いた↓


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  • 新海誠監督の映画「天気の子」のストーリーの考察、つっこみどころなど

    新海誠監督の映画「天気の子」のストーリーの考察、つっこみどころなど

     2019年に公開された新海誠監督の映画「天気の子」。

     「天気の子」はその年に最も売れた映画であるが、そのストーリーのつっこみどころが気になる人もいる。

    https://tenkinoko.com/

    TOHO animation チャンネル
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    家出少年

    Photo by Jean Vella on Unsplash

     まず、主人公の高校生の少年が家出をしてフェリーで東京に行くところから気になる。

     主人公は何故に家出をして東京に行くのか?

     主人公はそもそも何をしようとしているのか?

     気になるが、明らかにされない。

     新海監督は「天気の子」で主人公の過去が描かれていないことについて、インタビューで次のように答えている。

    映画を見て、主人公である帆高の過去や家出の理由が描かれなかったことが気になった人も多いだろう。新海監督のなかで多少の迷いはあったそうだが、企画当初から考えていた「前を向いたまま止まらずに転がり続ける少年少女の話」を貫徹させるため、帆高の人物像は変えなかった。
     新海「主人公が過去のトラウマを克服するために何かをさせるのは、気分として今回はやりたくないなと考えていました。仮に描いたとしても、凡庸などこかで見た話にしかならないと思いましたから」

    映画.com「新海誠と川村元気が「天気の子」を“当事者の映画”にした思考過程」

    https://eiga.com/news/20190803/1/

     映画の中で主人公の「過去や家出の理由が描かれなかったこと」は、新海監督がわざとしたことであったという。

     新海監督は「天気の子」という作品を、「主人公が過去のトラウマを克服する」話ではなく、「前を向いたまま止まらずに転がり続ける少年少女の話」にすることを考えていたという。

     「天気の子」において「主人公の過去のトラウマ」は重要ではなく、その後に起こることが重要だということであろうか。

     しかし「天気の子」の主人公は、過去に何があったのか、気になるような作りになっている。

     主人公は高校一年生で家出をして東京で生きていくという、異常な、容易でないことを何故にやっているのか? ということは気にならざるを得ない。

     上の記事でも「映画を見て、主人公である帆高の過去や家出の理由が描かれなかったことが気になった人も多いだろう」と言われている。

     新海監督が言うように、「過去のトラウマ」を問題とせず、「前を向いたまま止まらずに転がり続ける少年少女の話」とするためには、主人公の過去が気にならないような作りにすべきではなかったか?

    共感

     川村元気プロデューサーは「天気の子」を「当事者の映画」として作ったと語っている。

    https://eiga.com/news/20190803/1/

     「当事者の映画」とは、観客が登場人物のことを自分のことのように観る映画のことのようである。

     観客が登場人物に共感できる映画のことのようである。

     新海監督はそのインタビューで「モブをモブとして描かないようにして、見ている人が、『これって私かもしれない』と思えるような人物になればと考えていました。」と言っている。

     主人公だけでなく、それぞれのキャラクターを、観客が共感できるように作ることを考えたというのである。

     「これって私かもしれない」という言葉をみると、「サブカルチャー神話解体」(宮台真司・石原英樹・大塚明子)の「これってあたし!」という言葉を思い出す。(増補版、ちくま文庫、32頁)

     しかし、主人公の過去が気になる作りになっているのに、それが描かれていないので、主人公に共感しにくい。

    金銭感覚

     主人公とその周りの人物の金銭感覚も気になる。

     高校一年生の主人公が身寄りのない東京で生きようとする場合、金が大きな問題となる。

     そして金について考えるとできることは限られる。

     それゆえに主人公は何故に東京にいたいのか、過去に何があったのか、ということが気になるのである。

     そこで主人公が中年男に食事をおごるという話が出てきて、混乱させられる。

    キャッチャー

     映画のはじめに、主人公はフェリーの甲板で一人で雨を浴びるが、流されて船から落ちそうになる、そこを須賀という人物に救われる。

     この場面は、現実的に考えると無理とも思われる。

     主人公が流されて船から落ちそうになるのを救うことができるところにちょうどその男がいたということは、ありえないことと思われる。

     この場面は、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」をもとにした象徴的な場面と思われる。

     「天気の子」では主人公が、村上春樹訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を持っているところが描かれている。

     「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の主人公と「天気の子」の主人公に通ずるところがあると考えられているにちがいない。

     問題の場面は、小説版では、「だめだ、落ちる―その瞬間、誰かに手首を摑まれた。」と書かれている。(角川文庫、19頁)

     その言葉は、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の有名な言葉を思わせる。

    とにかくさ、だだっぴろいライ麦畑みたいなところで、小さな子どもたちがいっぱい集まって何かのゲームをしているところを、僕はいつも思い浮かべちまうんだ。(中略)ちゃんとした大人みたいなのは一人もいないんだよ。僕のほかにはね。それで僕はそのへんのクレイジーな崖っぷちに立っているわけさ。で、僕がそこで何をするかっていうとさ、誰かその崖から落ちそうになる子どもがいると、かたっぱしからつかまえるんだよ。つまりさ、よく前を見ないで崖の方に走っていく子どもなんかがいたら、どっからともなく現れて、その子をさっとキャッチするんだ。そういうのを朝から晩までずっとやっている。ライ麦畑のキャッチャー、僕はただそういうものになりたいんだ。

    「キャッチャー・イン・ザ・ライ」、白水社、2006年、293頁

     「天気の子」小説版の「だめだ、落ちる―その瞬間、誰かに手首を摑まれた。」というところは、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の「よく前を見ないで崖の方に走っていく子どもなんかがいたら、どっからともなく現れて、その子をさっとキャッチする」というところを思わせる。

     「キャッチャー・イン・ザ・ライ」では、主人公ホールデンが「よく前を見ないで崖の方に走っていく子どもなんかがいたら、どっからともなく現れて、その子をさっとキャッチする」という「ライ麦畑のキャッチャー」になりたいというのであるが、「天気の子」のはじめで、須賀は「ライ麦畑のキャッチャー」のように、「崖から落ちそうになる子ども」(=主人公)を「どっからともなく現れて、その子をさっとキャッチする」者になっているようである。

     そして須賀は、その時だけでなく、その後も「ライ麦畑のキャッチャー」のように主人公を「キャッチ」している。

     はじめの船の上での出来事は、その後に起こることを象徴している。

    ・主人公は解放感を求めて甲板に出た。―そのことは、主人公が解放感を求めて東京に来たことを象徴する。

    ・甲板に出た主人公に、大量の水が落ちてきて主人公は流された。―東京に出た主人公は現実の厳しさに直面する。そして雨に濡れる。

    ・主人公は須賀に手首を摑まれてたすかった。―主人公は須賀に仕事と住まい、食事を与えられてたすかった。

     このように象徴と考えるとよくわかる。

     しかしこの場面を現実的な場面としてみると、主人公のように家出している人には、衣服を雨で濡らすことは、その後に困ることが多いと思われるのに、手放しでよろこんでいいのか? ということが気になる。

    出会い

    Photo by Stillness InMotion on Unsplash

     映画「天気の子」は、主人公の少年と、ヒロインとの関係を中心としているゆえに一見恋愛ものに見える。

     しかし恋愛ものとしては気になるところがある。

     新海監督はそもそも恋愛ものを作るつもりはなかったとすると、理解できる。

    https://kai-you.net/article/66464

     新海監督は「『天気の子』が“若い2人のラブロマンス”っていうつもりもなかったですし」とか「疑似家族──家出した少年が東京で人と出会って疑似家族のようなものを形成していって。そこで出会った相手がたまたま異性でしたが──一人のすごく大切なヒロインと大きなことを乗り越えるっていう話にしようと思っていました」とか語っている。

     「疑似家族」を形成する話であって、恋愛の話ではないとすると理解できる。

    深夜のファストフード店

     はじめての出会いは西武新宿駅近くのマクドナルド。

     主人公が飲み物だけで夜を過ごしていると、店員の女の子がビッグマックを持ってきて、「あげる。内緒ね」と言い、「君、三日連続でそれが夕食じゃん」と言って、微笑んだ、というもの。

     恋愛ものとして違和感があったが、ヒロインが恋愛対象としてではなく、保護者として現れていると考えると理解できる。

    歌舞伎町

     次に出会ったのは歌舞伎町の路地である。

     主人公はその女の子が風俗営業の男に連れて行かれるところに出くわして、自分の意に反して連れて行かれていると思い込んで、女の子を逃がそうとしたが、その男につかまる。

     主人公が持っていた銃を撃って、その男が虚を突かれた時に、女の子に連れられて二人で代々木の廃ビルに行く。

     この場面はいろいろと奇妙である。

     まず、主人公が実情を知らずに、自分が正しいと思い込んだことのために突き進むところは、主人公のそういう人物像を表現したものとみることができる。

     しかし、ヒロインが自ら水商売をしようとしていたことは、恋愛もののヒロインの性格造形として奇妙である。

     その後にヒロインは主人公を連れて風俗営業の男から逃げているが、ヒロインには風俗営業の男から逃げる理由はない。

     ヒロインは、主人公を代々木の廃ビルにまで連れて行きながら、主人公に「最悪」という言葉を投げつけて出て行こうとしているが、主人公に「最悪」と言うためには、代々木の廃ビルに行く必要はない。

     ヒロインはその後に反省した主人公のところに帰ってきて優しい言葉で自分の事情を説明している。

     以上の奇妙なところは、ヒロインが恋愛の相手としてでなく、保護者として振る舞おうとしていると考えると理解できる。

     保護者として振る舞おうとしているゆえに、水商売で働こうとするのであり、

     主人公のために保護者として振る舞おうとしているゆえに、自分のことを置いて、主人公とともに行くのであり、

     保護者として振る舞おうとしているゆえに、主人公に対して飴と鞭を使い分けて導こうとしているのである。

     ヒロインが主人公に対して年上だと偽るのも、保護者として振る舞おうとしているからである。

     「天気の子」の話は、自分を保護者として、自分のことを犠牲にして他の人のために働こうとするヒロインに対して、主人公が主体的になって、ヒロインが犠牲になることをやめさせる話ということができる。

     「天気の子」は一見、二人が初めて出会ったところから、恋愛ものとして始まっているように見える。

     しかし実際にはヒロインが恋愛の相手としてではなく保護者として振る舞おうとしているゆえに、恋愛関係にはならない。

     主人公がヒロインの保護者として振る舞おうとするところをやめさせようと働きかけることから、新たな関係が生ずるのである。

    ヒロインの弟

     主人公はヒロインの弟の女性とうまくつきあうすべを知っていることを尊敬して「センパイ」と呼んで教えを乞うている。

     これは、主人公がヒロインに対しても、ヒロインの弟に対しても、正面から向き合うことができていなかったということであろうか?

    超常要素

    Photo by Yoav Aziz on Unsplash

     映画のはじめに、ヒロインがその力を身に付けるところが描かれている。

     病院で眠る母の病室の窓の外に、空からさす一筋の光を見て、ヒロインは、その光のさすところへ行ってみた。―その光は、廃ビルの屋上にさしていた。屋上の鳥居にさしていた。その鳥居をヒロインが手を合わせて目をつむって鳥居をくぐる。「思わず強く願いながら彼女は鳥居をくぐった」という主人公のナレーションがある。突然、下から吹き上げるような風があって、ヒロインは空高く飛んでいた。

     そのことによってヒロインは、晴れていない空に晴れをもたらすことのできる力を身に付けたとされているが、気になるところがある。

    原因がわからない

     まず、ヒロインは何故に他の人が持たない力を持つことができたのか?

     ヒロインが他の人と異なるものを持っていたということはないようである。

     ヒロインはただ「強く願いながら」「鳥居をくぐった」だけのように見える。そうだとすると、他の人も「強く願いながら」「鳥居をくぐった」ならば、その力を身に着けることができるのか?

     その鳥居をくぐればいいのか? そうだとすると何故にその鳥居をくぐればいいのか?

    目的とのずれ

     ヒロインが願った結果としてその力を身に着けたのに、ヒロインの願いと、その願いによって身に付けた力とは、ちぐはくに見える。

     映画の中ほどで、ヒロインはその時のことについて「もう一度お母さんと青空の下を歩きたかった」と願っていたと語っている。

     その時に願っていたのは、母の快復ではないか?

     しかし身に着けたのは「青空」をもたらす力であった。

     母の快復を願っていたのに、そのことと関係のない晴れ女の力を身に付けて、肝心の母は亡くなってしまった。

    流れ

     ヒロインは、病床で大変な状態にあると思われる母を見舞っている時に、窓の外の雨の中に一筋の光を見て、「気づけば、彼女は病院から駆け出していた」、そして光のところまで行った、という流れになっている。

     これでは、窓の外にさす一筋の光が見るために、病床で大変な状態である母をおいて行った、というかたちになっている。

     そうではないかたちにできたのではないか―たとえば、病院の出口で、医師とか看護師とかと母の容態について話して、その間に母の病室を見上げるなどして、重い気持ちで帰る途中で、空から一筋の光がさすのが見えた、とか。

    ビジネス

     ヒロインは主人公のすすめによって、晴れ女の力によって金を稼ぐことになった。

     私は「魔女の宅急便」を思い出した。ただし「魔女の宅急便」では、主人公は自分の生まれ持った能力を鍛えて金を稼ぐのであるが、「天気の子」では、ヒロインがわけもわからず手に入れた能力によって金を稼ぐのである。

     この映画で描かれているような晴れ女ビジネスが流行すると、もっと社会的な問題になるのではないかと思うが、この映画ではそういうことはない。この映画では社会がそのように描かれているのである。

    須賀との関係

     主人公は須賀のところに来てから、須賀の家に住み込みで働いていた。その時に「晴れ女」ビジネスを始めたのである。

    須賀

     主人公は、ヒロインと「晴れ女」ビジネスを始めたことを須賀に言わないでいたようである。須賀が主人公に言わずに「晴れ女」ビジネスに申し込んでいたとわかった時に、主人公は「俺のこのバイト知ってたんですか?」と言っている。

     主人公は須賀の家に住み込みで仕事を与えられている立場であるのに、外で新しいビジネスを始めて、そのことを須賀に言わないことは、おかしくないか?

     しかも主人公が須賀に与えられている仕事は「晴れ女」のようなことを追及することであって、現に初めてやった仕事は「晴れ女」を題材としていた。
     主人公はその「晴れ女」に出会ったのに、そのことを須賀に言わずに、須賀と別に新しいビジネスを始めている。おかしくないか?

    夏美

     ついでに須賀の姪夏美についても書いておこう。

     夏美は主人公と「晴れ女」との関係を知っていた。それにもかかわらず、須賀に知らせなかったことは、やはりおかしいと思う。

     PCで超常現象を見て、主人公が記事にすればと言ったのに対して、夏美が「つまんない大人になりそう」と言っているところは気になる。
     夏美は就職活動に行くところであって、その気持ちでそう言ったということかと思われる。しかし夏美はその後もその仕事を続けているし、夏美はもともとその仕事に合った素質を持っているように描かれていた。他の会社に就職活動に行くからといって、突然その仕事にそれほど冷淡になるだろうか?

     主人公は、須賀が「晴れ女」ビジネスに申し込んだ時まで、夏美は須賀の愛人だと思い込んでいたということになっている。
     しかし数カ月(3月から夏まで)須賀の家に住み込んで身の回りの雑用をしていたのに、愛人だと思い込み続けることがあり得るだろうか?

    「晴れ女」「人柱」の設定

     晴れ女として晴れをもたらすことには代償がある。―体が透明になっていくこと、空に浮くことである。

     晴れ女が犠牲になってこの世から消えることで、狂った天気が元に戻る、とされる。

    透明になること、空に浮くこと

     体が透明になっていくことと、空に浮くこととは、いずれも後にこの世から姿を消して空に行ってしまうことの前兆と考えることができる。

     しかし透明になっていくことと、空に浮くこととは、姿を消して空に行く道筋としては別のことではないか。それが同時に進行することはおかしくないか?

     ヒロインはそれまでも空に浮いていたのであろうか? それにもかかわらず、弟にも主人公にも気づかれなかったのであろうか? この時には、空に浮いた後に降りてきているが、空に上っていくだけでなく降りてくることもあるのか?

    それまでの代償と人柱

     ヒロインが「犠牲」になるかならないかは、ヒロインの意思にあることとされているようである。

     しかしそれまで体が透明になっていったことと、空に浮くこととは、いずれもそれまでヒロインが晴れをもたらした代償として受けたことであった。ヒロインが「人柱」にならないと決めたとして、それまでの代償までなくなるのか?

    人柱説

     ヒロインは、自分が犠牲になってこの世から消えることで狂った天気が元に戻ると信じて、そうすることを決断した。

     しかしどうしてそう信ずることができたのか?

     ヒロインは夏美から神社の神主の「晴れ女が犠牲になってこの世から消えることで、狂った天気が元に戻る」という言葉を聞いているが、それだけで、そのことを真実だと信じて、自身を犠牲にすることを決断することができるであろうか?

     夏美がヒロインにその神主の話を伝える理由もわからない。

    終わりに

     以上、「天気の子」の脚本について考えてみた。

     つっこみどころをとりあげるとともに、その背後の作者の考えについて考えてみた。そうして理解できたのではないかと思われるところもあった。

     しかしやはりなおした方がいいのではないかと思うところもあった。

     「新海誠絵コンテ集6天気の子」(KADOKAWA、2020年)で新海誠監督は脚本が作られた時期について次のように語っている。(778頁)

    「天気の子」の脚本ができるまでの時系列
    • 2017年2月末
      企画書を出す
    • 3カ月
      プロット会議を繰り返す

      あらすじや登場人物を確定させる

    • 3か月後
      脚本の執筆作業
    • 2017年9月か10月
      「脚本のおおよそが固まった」

      それからビデオコンテ制作

     それだけ会議を繰り返していたのに、つっこみどころをなおさないでいたのは何故であろうか?

     作品の意味については下の記事でさらに考えてみた↓


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