月: 2020年6月

  • 新型コロナウイルス 中国の初期対応

    新型コロナウイルス 中国の初期対応

     私がこの記事を書いたのは、新型コロナウイルスCOVID-19の感染者は1000万人を超え、死者は50万人を超えたところであった。

     それでも大変なことだと思っていたが、今や感染者は2億人に迫り、死者は400万人に迫っている。

     そのはじめ、2019年から2020年にかけて、中国がこの新型ウイルスに対してどのように対応していたか、振り返ってみよう。

     1月23日午前10時から武漢は閉鎖された。

     下の動画はそのことを報ずるものである。

     改めて見ても、国内で封鎖を行っているその時に、国外に向かう旅行客を自由にさせている様子は、奇怪である。

    テレ東NEWS
    中国 武漢市を事実上封鎖 2020/01/23

     中国で起こった新型コロナウイルスに対しては、中国の医師が立ち向かわなくてはならなかった。

    ANNnewsCH

    武漢の医師が涙声で訴え 病院に肺炎患者らが殺到(20/01/25)

     一月の動画である。私も、三月前半までは、武漢の状況を伝える動画に対して、対岸の火事のように見つつも、衝撃を受けたおぼえがある。

     今になってみると、どうであろうか?
     世界中でこういうことが起こっているのであろうか?

     最も話題になった李文亮医師に関する動画。

    NTDTVJP
    新型肺炎を最初に警告した李文亮医師死去 「情報封鎖でウイルスがさらに拡散」【武漢病院 新型コロナウイルス】 2020/02/08

     この動画には、李文亮医師が2019年12月30日にウィーチャットで、新型コロナウイルスの発生を確認したと発信した言葉、それに対して2020年1月1日に武漢市公安当局が事実でない情報を公表したとして、李文亮医師等八人を処罰したというその文書、1月11日まで、人から人への感染があったにもかかわらず、当局はまだ見つかっていないと言っていたという論文が出てくる。

     当局が、李文亮医師等の言葉を事実に反するとしたこと、そして処罰したこと、そして人から人への感染について、あったにもかかわらずないと言っていたこと、いずれも非難されてしかるべきことである。

     「李文亮第二?」という動画もある。

    https://www.youtube.com/watch?v=MZ8InsyYjdE
    東森新聞 CH51
    李文亮第二?伯曼兒確診 疑遭陸逼死「硬拔氧氣瓶」 2020/02/14

     この動画では、病床で苦しんでいる女性が、「相信国家、相信政府」と言っている。
     言わされているのではないか、というのである。

     中国のジャーナリストで、自ら真相を探ろうとした人がいた。

     陳秋実氏。

    https://www.youtube.com/watch?v=qxdPvsfNx2c&t=244s
    Yoshiyuki TV
    【新型コロナウィルス】武漢で公安警察に脅されながらも、独自調査を続ける陳秋実さんからの魂の現地報告【和訳付き】 2020/02/02

     方斌氏。李澤華氏。

    NTDTVJP
    市民ジャーナリストを次々逮捕 元CCTV司会者李澤華さん連行| 方斌 | 李澤華|陳秋実 2020/03/08

     李澤華氏は、その後、4月に、2月26日以後のことについて、動画を配信しているが、コメントで言われているように、当局の強制によるものであろうか?

    Kcriss Li李澤華
    我是李泽华Kcriss,这是2月26日至今关于我的一些情况。I’m Kcriss, here is something about me since February 26th. 2020/04/22

     最後に政治家についてみてみよう。

     2月の習近平国家主席。

    https://www.youtube.com/watch?v=C4fwNUqy0kE
    FNNプライムオンライン
    習近平主席 マスク姿で北京の病院視察 新型コロナウイルス 2020/02/11

     上に挙げた動画の、緊迫した医療現場とは違うところにいるようだ。

     3月5日に、孫春蘭副首相が武漢を視察したが、その時に、住民から「假的(仮的=うそだ)!」という声があがった。その光景が撮影されていた。

    民視新聞網 Formosa TV News network
    向中國副總理喊「假的!」 武漢社區遭報復封樓-民視新聞 2020/03/08

     「假(仮)」というのは、「真」と対立することである。(余談であるが、私は「紅楼夢」を思い出す)

     武漢市民の中国政府に対する考えがあらわされたものと思われる。

     この動画の後半に出てくるように、武漢市書記の王忠林は、「感恩教育」を主張している。
     「感恩教育」とは、習近平総書記に対し、共産党に対して、感謝し、恩義を感じて、共産党にしたがうように、武漢市民を教育することのようである。

     その数日後、3月10日に、習近平国家主席の武漢視察があった。

    中華電視公司
    習近平武漢視察 火神山慰問醫護人員 | 華視新聞 2020031 2020/03/10

     わざわざ窓から手を振る人を映している。
     数日前に、副首相に対して、非難を浴びせていた住民が、数日後に、国家主席に対して、ただ歓迎の意をあらわすことはおかしい。
     警察が住民の家に入っていたという。

     こういうところでうそをついているのであるから、なおさら、他のことも信用できないのである。

    https://www.youtube.com/watch?v=6d8UEcXMeaU

     習近平国家主席は、一部党幹部の能力不足に問題はあるというが、はじめに隠蔽しようとしたことに問題はあるのではないか。

    https://www.youtube.com/watch?v=k60Ru-2aS8E
    ANNnewsCH
    習近平主席 湖北省の幹部らに「警鐘は早く的確に」(20/05/26)

     はじめに隠蔽しようとしたことに問題があるのに、あくまでもそのことを問題にしないつもりのようである。

  • アメリカの抗議運動 新型コロナウイルスとの関係

    アメリカの抗議運動 新型コロナウイルスとの関係

     2020年5月25日のフロイド氏の死をきっかけとして、アメリカの各地で抗議運動が起こった。抗議運動はアメリカにとどまらず、世界中にひろがった。日本でも起こったという。

     この運動が動画として伝えられるのを見ていて、新型コロナウイルスとの関係がどうなっているのか、気になった。

     2020年6月26日、米国で一日の感染者の増加が最多になったというロイターの報道を聞いて、そのことを思い出した。

     詳しいグラフがある。

     抗議運動は世界中で行われているようである。

    Global News
    George Floyd death: Protesters rally in Berlin, London in solidarity with U.S. 2020/06/01
    VICE News
    George Floyd Protests Around the World Are Calling for Racial Justice 2020/06/11

     ロンドン。

    The Telegraph
    Protesters in London hold anti-racist rally outside US Embassy | George Floyd protests 2020/06/08

     パリ。

    VOA News
    Spurred by George Floyd, Thousands Protest Police Brutality in Paris 2020/06/04

     以上は一部にすぎない。
     それでも大変な数の人が参加していたことがわかる。

     日本の政府は新型コロナウイルスの感染に対する対策として、「3つの密」を避けることを説いた。

    出典:首相官邸HPより

     この「3密」ということを基準として、上に挙げた抗議運動について考えてみよう。

     「密閉空間」かどうか―抗議運動は屋外で行われている。「換気の悪い」「密閉空間」ではない。

     「密集場所」かどうか―抗議運動には多数の人が集まっている。「多数が集まる」「密集場所」ができている。
     Global Newsの動画には、2メートルの距離をとることを示している抗議者が映っている。
     しかし上の動画を見ても、距離は必ずしも保たれていないように見える。

     「密接場面」かどうか―上の動画をみても、多くの人が、大きな声を出し合っている。そのことを特徴としていると言ってもいいようである。
     「間近で会話や発声をする」「密接場所」になっているのではないか?
     マスクを外して大きな声を出している人も少なからず見られる。

     「3密」のうち、二つの条件があてはまるとすると、感染の危険があるのではないか?

     特に「多数が集まる」ということでは、非常に「多数」の人が集まっている。

     上のような活動が感染と関係ないとすると、「3密」ということは感染を防ぐための基準として成り立たないことになるのではないか?

     はじめに触れたように、2020年6月27日現在、アメリカの感染者数は増加している。他の国でも増加する傾向がみられるようである。

     その増加傾向は、抗議運動と関係ないのであろうか?

     関係あるのではないかという人もいる。

    https://twitter.com/goto_nikkei/status/1274144597573275649

     この人もデモが影響している可能性があると言っている。

    https://twitter.com/goto_nikkei/status/1275908064982568962

     このグラフによると、ニューヨーク州などは関係ないようにも見える。

    https://twitter.com/goto_nikkei/status/1276647247053234181

     フランスでは感染が再拡大しているようである。

     これまで、トランプ大統領は、マスクを着用しないことをはじめとして、新型コロナウイルスの危険と向き合っていないと批判されてきた。
     民主党も、CNNなどのメディアも、そういうことでトランプ大統領を批判してきた。
     私も、大丈夫か? と思った。

     しかし5月末から、アメリカ各地で、そして世界各地で行われた抗議運動をみると、感染の危険に関して、トランプ大統領に勝るとも劣らないのではないかと思われる。

     民主党やCNNは、抗議運動をもちあげている。
     しかし感染の危険に関しては、トランプ大統領に対してと同じように、抗議運動に対しても批判しなくてはならないのではないか?

     6月下旬に、トランプ大統領は、数千人の集会を開いた。
     それに対して民主党やCNNはまた感染の危険があると批判した。

    CNN
    Will Trump take responsibility if rallygoers get sick? Hear McEnany’s answer 2020/06/18

     CNNではこのように、トランプ大統領が新型コロナウイルスの危険を軽んじて集会を開くことを批判している。

     ホワイトハウスの動画。

    The White House
    06/17/20: Press Secretary Kayleigh McEnany Holds a Briefing

     McEnany報道官は、NEW YORK POSTをとりあげて、抗議運動はいいと言われるのに、トランプ大統領の集会はよくないと言われることはおかしいと言っている。
     たしかにその通りである。

     しかも抗議運動は、トランプ政権に反対するという面を持っていた。民主党も、CNNも、そういうものとして、抗議運動をもちあげていた。
     トランプ政権に反対する政治運動という面をもった抗議運動は、新型コロナウイルスの危険があるにもかかわらず、問題とされなかったのに、トランプ政権の政治運動は、新型コロナウイルスの危険があるとして問題とされることは、政治的に不公平ではないか。

     それまでの抗議運動がなくて、トランプ大統領が集会を開いたとすると、批判されてもしかたがない。しかしそれまで大規模な抗議運動が各地で行われてきたのに、トランプ大統領の集会だけが批判されることは、筋が通らない。

     ホワイトハウスの動画と、CNNの動画とを比べてみるとよくわかるが、CNNの動画では、McEnany報道官がNEW YORK POSTをとりあげて、抗議運動はいいと言われるのに、トランプ大統領の集会はよくないと言われることはおかしいと言ったところが、切り取られている。
     CNNの動画では、その問題はないことにされている。そしてトランプ大統領の集会だけが批判されている。
     CNNは自分の都合のいいように、事実を歪曲しているのである。

    Fox News
    WATCH: McEnany spars with CNN’s Jim Acosta in heated WH press briefing 2020/06/20

     これは違う日のFOXニュースの動画。
     CNNのJim Acostaは、トランプ大統領とその周囲の者がマスクを着けないことを問題としている。McEnany報道官は、CNNが、抗議者のハグをもちあげながら、トランプ大統領の集会を非難していることはおかしいと言っている。

     この動画でも、CNNが、トランプ大統領の集会に対してと抗議運動に対してとで違う基準を適用していることはおかしいということに対して、CNNのJim Acostaは、答えていない。McEnany報道官の問題提起に対して、何やらものを言い続けているが、何を言いたいのか、わからない。

     日本では、NHKのように国民から受信料を徴収しているテレビ局でも、CNNの論調をそのまま受け取って流しているようであるが、CNNの論調は上で見たように、偏っている。
     アメリカでは、FOXが人気がある。上の動画もすでに200万回以上再生され、5万以上の高評価を得ている。

     上に挙げたような抗議運動に対して、私は、その主張についてどう考えるかということと別に、新型コロナウイルスの感染の危険が気になってしまう。

     感染の危険に配慮した新しい形の運動はできなかったのであろうか?

  • アメリカの抗議運動 香港の抗議運動との関係

    アメリカの抗議運動 香港の抗議運動との関係

     2020年5月25日、米国ミネソタ州ミネアポリスで、ジョージ・フロイドという黒人男性が、偽札を使用したという疑いで逮捕される間に白人警官によって首を膝でおさえつけられて、死亡した。

     その動画が伝えられて、多くの人の見るところとなった。それに対して抗議運動が起こった。抗議運動はアメリカ各地で起こったのみならず、ヨーロッパでも、オーストラリアでも起こった。日本でも起こったという。

     このことについて、様々な角度から論ずることができるが、ここでは香港の抗議運動との関係について論じてみよう。

     この運動は、あれよあれよという間に大きくなっていった。それをみて、私は、香港の抗議運動にとって好ましくないことではないかと思った。

     香港の抗議運動は、どういう状況にあったか?

     国家安全法という問題に直面していた。

     中華人民共和国の2020年の全国人民代表大会は、新型コロナウイルスの影響で、5月22日から始まった。
     そこで中華人民共和国は香港版国家安全法を採択した。

     香港の民主派は、これによって、香港の自由は奪われるとして抗議した。

     アメリカの抗議運動は香港の抗議運動に対してどういう効果をもたらしたか?

     私が感じたことは次の通り。

     第一に、香港の抗議運動も、アメリカの抗議運動も、いずれも「抗議運動」として同じように見える。

     それまでは香港の抗議運動だけが目立っていた。しかし二つの抗議運動が並んでいると、香港の抗議運動はそれだけ目立たなくなる。
     抗議運動と警察との対立、警察による催涙弾など、同じように見える。

    Inside Edition
    White House Denies Using Tear Gas on Protesters(2020/06/04)
    動画の中で、医師が催涙弾によって新型コロナウイルスに感染する危険について語っているが、それより前に、抗議行動自体危険ではないのか?
    https://www.youtube.com/watch?v=-tTAPLi-pto
    The Sun

    Peaceful protest near White House dispersed with tear gas and rubber bullets(2020/06/02)
    このように怒号が飛び交うことに、感染の危険はないのか?

     しかもアメリカの人種差別に対する抗議運動は、アメリカ中にひろがるのみならず、アメリカの外にもひろがっていて、量的にも、香港の抗議運動より目立つ。

    https://twitter.com/redfishstream/status/1271839734101348353

     このように、アメリカの抗議運動がさかんになればなるほど、香港の抗議運動は目立たなくなるのではないか?

     第二に、アメリカの抗議運動は、トランプ政権を、自由平等に反対する圧制者として批判している。

     しかしトランプ政権こそは、それまで香港の抗議運動の強力な支持者であった。
     2019年11月の香港人権・民主主義法も、トランプ政権によって成立したものである。

     アメリカの抗議運動によって、トランプ政権が自由平等に反するものとされると、そのトランプ政権によって支持されている香港の抗議運動が、中華人民共和国に対して自由平等を主張することの意味が曖昧になる。

     香港の抗議運動とアメリカの抗議運動は、似ているようにも見える。

     しかし違うのではないか。

     香港の抗議運動は、中華人民共和国が香港の自由を奪うことに反対するものである。

     アメリカの抗議運動は、警察官による人種差別、暴力に反対するものである。

     しかしトランプ政権が警察官による人種差別、暴力を支持しているのではない。

     トランプ大統領は、抗議運動に対して催涙弾を用いたこと、軍を動員するといったことを批判されている。

     しかしトランプ大統領は、平和的な抗議に反対しているのでなく、平和的な抗議でないものに反対しているのである。

     中華人民共和国にとって、アメリカの抗議運動は都合のいいことであったにちがいない。
     中華人民共和国はそれまで、新型コロナウイルスについて隠蔽していたこと、香港の国家安全法のことで、アメリカをはじめとする国々から非難されてきた。
     アメリカの抗議運動によって、実態はどうであれ、トランプ政権はダブルスタンダードをとっていると非難することができるからである。

     華春瑩報道官はそれまで香港の国家安全法について次のように弁護していた。

     香港の国家安全法は、米国が自国内でやっていることと同じことだという論法である。
     そしてジョージ・フロイド事件を次のように使っている。

     アメリカの抗議運動は、中華人民共和国にとって都合のいいことである。したがって、中華人民共和国が自ら起こしたのではないかという考えも出てくる。

     真相はわからない。

     6月4日は、1989年に天安門事件が起こった日である。

     2020年の6月4日には、世界中の人々が天安門事件に思いをはせて、中華人民共和国という国のことを批判的に考えるのではないか、と私は思っていた。

     中華人民共和国から出てきた新型コロナウイルスによって、世界の多くの人が損害を被っている。
     その上に、中華人民共和国は、香港の国家安全法によって、香港の自由を奪おうとしている。
     中国と民主主義との関係を考える上で、天安門事件は重要な事件である。

     ところがアメリカの抗議運動によって、多くの人の関心は天安門事件に向かわなかったのではないかと思われる。
     香港では天安門事件の日に追悼集会が行われた。

    https://www.youtube.com/watch?v=Jv7wPXDkADE

     最後に、中華人民共和国とアフリカとの関係について触れておこう。

     華春瑩報道官も、趙立堅報道官も、アメリカの抗議運動に関して、中華人民共和国は、アフリカ諸国の側に立つと語っている。

     中華人民共和国はアフリカと深い関係になっている。
     新型コロナウイルス感染に際しても、医療物資を送って関係を強めようとしていた。

     黒人に対する差別問題に関して、中華人民共和国は、アフリカ諸国との友好関係をもとにして抗議運動を支持するというのである。

     思えば、今度のアメリカの抗議運動の前にも、新型コロナウイルスの感染の中で、アフリカ人種に対する差別が話題となることが何度かあった。

     たとえば、世界保健機関(WHO)のテドロス事務総長が台湾から差別されたということもあった。

    CNBC Television
    WHO chief addresses death threats and racist insults: ‘I don’t give a damn'(2020/04/08)

     これを聞いたときには、おかしなことを言うと思った。
     台湾政府が公式に人種差別的な発言をしたとは思えない。民間にそう発言があったとしても、それを台湾からのものと名指すことはおかしい。
     テドロス氏に対して批判的な発言をした人は世界中にいる。なぜ台湾に限るのか?
     そう思ったのである。

     中華人民共和国で、アフリカ人が差別されたという話もあった。

     BLM運動において、中華人民共和国における人種差別はどのように考えられているのであろうか?

  • 緊急事態宣言下の東京 2020年4~5月

    緊急事態宣言下の東京 2020年4~5月

     渋谷ハチ公前。

     新宿駅南口。

     銀座。

    銀座

     歌舞伎座地下。

    歌舞伎座地下