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  • 【映画】「ロバータ」―フレッド・アステア―「煙が目にしみる」

    【映画】「ロバータ」―フレッド・アステア―「煙が目にしみる」

     1935年に公開された映画「ロバータ」( “Roberta” )は、1933年にジェローム・カーンが作曲、オットー・ハーバックが作詞・脚本を担当したブロードウェイのミュージカルをもとにして作られたものである。

     フレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズの共演3作目。

     2人のダンスの中で最高のもののひとつ。


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    「ロバータ」のストーリー

     アメリカ人男性(ランドルフ・スコット)がパリで高級なドレスを作っている伯母のところへ来るという話である。

    ドレス

     その伯母の仕事で、女性が高級ドレスを着て出てくる場面が多くある。

     音楽つきのファッションショーが重要な場面になっている。

    恋愛物語

     そのアメリカ人男性と、その伯母の家にいた女性(アイリーン・ダン)とが、惹かれ合ったり、すれ違ったりすることが話の中心となっている。

    フレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズ

     フレッド・アステアもジンジャー・ロジャーズも話の中心ではない。

     フレッド・アステアはその男性の友人、ジンジャー・ロジャーズはその伯母の家に来ていた女性で、2人は実はその前にアメリカで親しくしていた、という設定である。

     2人が話の中心ではないこと、2人が悪友のような関係であることなど、「空中レビュー時代」に近い。

     ただし「空中レビュー時代」では、2人は主役の3人の後にされていたが、「ロバータ」では、2人はアイリーン・ダンとともにはじめに並べられていて、ランドルフ・スコットはその後にされている。

    「煙が目にしみる」

     「ロバータ」の1番の売りは「煙が目にしみる」(”Smoke Gets in Your Eyes”)である。

     はじめブロードウェイミュージカル「ロバータ」はそれほど高く評価されていなかったが、「煙が目にしみる」 が大ヒットして、「ロバ―タ」もヒットしたと言われている。

     「煙が目にしみる」はそれから名曲とされて、多くの人が歌い、演奏している。


    Smoke Gets In Your Eyes

     映画「ロバータ」ではアイリーン・ダンが歌っている。


    Smoke Gets in Your Eyes

     フレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズもこの楽曲に合わせて踊っている。そのダンスは、2人の「ロマンティック」なダンスの中で最高のもののひとつである。

     2人とも自伝でこのダンスに対する思い入れを語っている。


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    その他

     この映画でのフレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズは、親しい雰囲気で、歌、踊りを楽しんでやっている感じがいい。

     特に” I’ll Be Hard to Handle “からのダンスは楽しい。

    いいと思うところ

     映画「ロバータ」でフレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズは話の中心ではない。

     それゆえに「ロバータ」は2人の代表作ではないようにも思われる。

     しかし「ロバータ」には、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズのコンビの最高のところがあると思う。


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  • 有本香氏による宮澤大輔氏の紹介を問題としたEARL氏、知念実希人氏

    有本香氏による宮澤大輔氏の紹介を問題としたEARL氏、知念実希人氏

     12月8日、有本香氏が宮澤大輔医師を「日本で唯一、個人でコロナの論文を書かれた」と紹介した。

     それに対して、EARL氏、知念実希人氏が反論した。

     そのやりとりが興味深かったので、書いて置こう。

    有本香氏のツイート

     発端になった有本香氏のツイート↓

    有本香氏のツイートに対する反論

    EARL氏の反論

     まず「EARLのコロナツイート」の反論をとりあげる。

     「日本で唯一」というのはおかしいというのである。

     これに対して宮澤大輔氏は次のように反論している。

     「個人で」というのは「個人開業医で」ということだというのである。

     それに対するEARL氏、宮澤氏は「ゴールポスト移動させ」たといって、「凡例」を出している。

     宮澤氏はまた「個人で」というのは「どこの組織にも属していない」ということだという。

     まとめる。

     EARL氏は、有本香氏が宮澤大輔氏を「日本で唯一、個人でコロナ論文を英語で執筆された」と紹介したツイートを見て、「阪大微生物研究所の宮坂先生の論文」のように日本で「個人でコロナ論文を英語で執筆された」という反例は簡単に見つかると思った。

     ところで宮澤大輔氏は、「日本で唯一、個人でコロナ論文を英語で執筆された」という「個人で」とは、「個人開業医で」、「どこの組織にも属していない」医師で、ということだと考えていた。

     EARL氏は、宮澤大輔氏がそういうのを聞いて、宮澤氏が「急に条件増やし」たとか、「ゴールポスト移動させ」たとか言った。

     しかし有本氏が「個人で」といったのは、はじめから宮澤大輔氏が言うように「個人開業医で」、「どこの組織にも属していない」医師で、という意味であったのではないか?

     たしかに、EARL氏が引用している「阪大微生物研究所の宮坂先生の論文」も、「個人でコロナ論文を英語で執筆」したものということはできるかもしれない。

     しかし有本氏が「個人開業医で」、「どこの組織にも属していない」医師で、という意味で「個人で」と書いたことは、正しくないとは言えないのではないか。

     宮澤氏が「急に条件増やし」たとか、「ゴールポスト移動させ」たのではなく、EARL氏が誤解していたのではないか。

    知念実希人氏の反論

     次に知念実希人氏の反論をとりあげる。

     知念氏は、「日本で唯一」というのは「ほんの数分調べれば明らかに間違いだと分かること」だとEARL氏と同じようなことを言っている。

     そのことについては上で考えた。

     知念氏は、「新型コロナ診療もしていない眼科開業医を感染症の権威のように紹介して」いることによって、「日本の医師、科学者を貶める」ことにつながることを問題としている。

     ここでも知念氏が有本氏の紹介を読んで思い込んだことと、有本氏がその紹介を書く時に考えていたこととが、食い違っているようである。

     知念氏は有本氏が宮澤氏を過剰に持ち上げたと思い込んだ。

     しかし宮澤大輔氏について、「どこの組織にも属していない」「日本の個人開業医」でコロナの英文論文を出しているという意味で、「日本で唯一、個人でコロナ論文を英語で執筆された」と紹介することは、宮澤大輔氏を過剰に持ち上げることではないのでないか?

     さてその後で、知念氏は宮澤氏の論文をおとしめた。

     それに対して宮澤氏が知念氏に対して英分の論文を書いたことないのではないかと追及し、知念氏は「論文を書いたことはない」という、やりとりになった。

     そこで有本氏が話を引き戻して、知念氏に問い返している。

     たしかに知念氏が有本氏による宮澤大輔氏の紹介を「間違い」ときめつけたことは、科学によることではなく、「マウント」をとることではないか。

    まとめ

     たしかに宮澤大輔医師を「日本で唯一、個人でコロナの論文を書かれた」と紹介することは、誤解を招くことであった。

     しかしそこでEARL氏、知念氏がその誤解にとびついて、そのことによって宮澤大輔医師の主張についての科学的な議論が行われなかったことは、無益なことでなかったか。

  • 「コンチネンタル」 フレッド・アステアの初主演映画

    「コンチネンタル」 フレッド・アステアの初主演映画

     1934年に公開された映画「コンチネンタル」(原題は The Gay Divorcee )は、フレッド・アステアにとって3本目の映画である。

     フレッド・アステアはこの映画で初めて主演になった。

     この映画によってフレッド・アステアは映画スターとしての地位を確立した。


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    映画「コンチネンタル」のタイトル

     この映画の原題は “The Gay Divorcee” (陽気な離婚者)という。

     フレッド・アステアは映画出演を始める前に “The Gay Divorce”(陽気な離婚)という舞台をニューヨークでやっていた。

     フレッド・アステアのRKOでの映画第1作「空中レビュー時代」が成功して、プロデューサーのパンドロ・バーマンはその「陽気な離婚」を映画化することにした。

     その時に、「陽気な離婚」というタイトルを「陽気な離婚者」にかえたのである。

     日本語版の「コンチネンタル」というタイトルは、映画版で付け加えられた「コンチネンタル」( “The Continental” )という楽曲からきている。

    ミュージカルコメディ

     映画「コンチネンタル」はミュージカルコメディである。

     ジンジャー・ロジャーズの演ずる若い女性は離婚しようとしている。フレッド・アステアの演ずる男性はそのことを知らずにその女性に惚れて追いかける。

     その2人の間の誤解、その他の人の誤解がからまっていくところがコミカルに描かれている。

     「陽気な離婚者」というタイトルはそういうことから来ている。

     エリック・ブロア(おかしなウェイター)、エリック・ローズ(おかしなイタリア人)、アリス・ブレイディ(思い込みの強い中年女性)、そしてルビッチ作品にも出ていたエドワード・エヴェレット・ホートンがフレッド・アステアの友人の弁護士役として出ていて、コメディを盛り上げている。

    Night and Day

     「陽気な離婚」は、ニューヨークで開演した時に評判がよくなかったのであるが、その中でコール・ポーターの楽曲「 Night and Day 」のダンスの評判はよかった。

     「 Night and Day 」のダンスは、フレッド・アステアがそれまで組んでいた姉アデルと離れてから作り出したものであった。

     夜、正装で女性と2人で踊ってうっとりさせるような「ロマンティック」なダンスである。

     そういうダンスが映画版にも持ち込まれた。

     そのダンスによってフレッド・アステアは、女性をうっとりさせるダンサーとしての地位を確立した。

     ジンジャー・ロジャーズも、この前の「空中レビュー時代」では軽いアメリカの若い女性であったが、「 Night and Day 」のダンスでは、上品になっている。


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    コンチネンタル

     この映画の日本語のタイトルのもとになっている「コンチネンタル」という楽曲は、多くの人が楽しく酔うような楽曲であり、踊りである。

     「空中レビュー時代」の「カリオカ」と同じような路線の楽曲、踊りということができる。

     多くの人が踊っている中で、フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャーズの2人が踊って、また多くの人が踊る、というかたちも似ている。

     作詞ハーブ・マジッドスン、作曲コン・コンラド。


    The Continental (You Kiss While You’re Dancing) (English Edition)

    ベティ・グレイブル

     この映画には、第2次世界大戦のころに特に人気だったといわれるベティ・グレイブルが出ている。


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  • 「空中レヴュー時代」 フレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズの初共演作

    「空中レヴュー時代」 フレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズの初共演作

     1933年に公開された映画「空中レヴュー時代」(原題は “Flying Down to Rio”)は、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズが初めて共演した映画である。

     この映画での二人の踊りは大変な人気になった。

     この映画によってフレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズはスターになったのである。


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    フレッド・アステアと「空中レビュー時代」

    映画デビュー

     ブロードウェイのスターであったフレッド・アステアが映画に進出するにあたって初めに契約したのはRKOであった。

     RKOでフレッド・アステアが初めに出演した映画が「空中レヴュー時代」であった。

     ただし、フレッド・アステアは「空中レビュー時代」に出演する前に、MGMの映画「ダンシング・レディ」(”Dancing Lady”)に出演している。

    フレッド・アステアの役

     フレッド・アステアは、映画「空中レヴュー時代」の主役ではない。

     最も大きく名前が出ているのはドロレス・デル・リオであって、2人の男優が続き、ジンジャー・ロジャーズは4番目、フレッド・アステアは5番目である。

     話は、ドロレス・デル・リオ演ずる女性が2人の男性から愛されて、どうするか、というものである。

     フレッド・アステアはその2人の男性のうちの1人の友人である。中心の話とあまり関係がない。

     その中心の話とあまり関係がないフレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズのダンスが人気になったことを考えると、いびつな構造になっているということもできる。

    カリオカ

     この映画で人気になったのは、「カリオカ」(”The Carioca”)というヴィンセント・ユーマンス(Vincent Youmans)の楽曲でのフレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズのダンスである。

     「カリオカ」は、ラテン風の、多くの人を酔わせるような楽曲である。

     そこで若くて色気のあるジンジャー・ロジャーズとフレッド・アステアのダンスが魅力的なものになった。


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     フレッド・アステアはその他にも、ドロレス・デル・リオとのダンス、一人でのダンスなどをやっている。

    「空中レビュー」

     「空中レビュー時代」というのは奇妙なタイトルであるが、映画の終盤にそのタイトル通りの奇妙なことが行われる。

     複数の飛行機の上で多数の女性が並んで踊るのである。サーカスのようなこともやる。

     このころハリウッドでは大勢の人のダンスによって観客を驚かし、楽しませていた。この映画の「空中レビュー」はそのぶっ飛んだものということができる。

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  • 映画「ワーズ&ミュージック」 ロジャーズ&ハートの物語

    映画「ワーズ&ミュージック」 ロジャーズ&ハートの物語

     1948年に公開された映画「ワーズ&ミュージック」は、多くの楽曲、ミュージカルをヒットさせた作曲家リチャード・ロジャーズと作詞家ロレンツ・ハートのコンビの物語である。

     2人の起伏を描いている間に2人の楽曲、ミュージカル場面がさしこまれている。

     ジーン・ケリー、ジュディ・ガーランドその他、当時のMGMミュージカルのスター多数による名場面集のようになっている。


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    映画「ワーズ&ミュージック」の概要

     「ワーズ&ミュージック」という題を聞いただけでは何のことかよくわからない。

     作詞家ロレンツ・ハート(Lorenz Hart)と作曲家リチャード・ロジャーズ(Richard Rodgers)のコンビのことを描いた映画である。

     2人は1930年代から1940年代にかけてミュージカルに革新をもたらしたと言われている。

     日本で公開されず、日本人に親しみやすい題がついていないようである。

    作詞家ロレンツ・ハート

     2人が若い時に出会って、しばらく売れず、あるきっかけによって売れていく、というふうに話は進む。

     2人のうち、 作詞家のロレンツ・ハートが変わった人であったことによって、話に起伏が生じている。

     自身も小柄なミッキー・ルーニーが、ロレンツ・ハートをコミカルに、またドラマティックに演じている。

      ロレンツ・ハートに振り回される作曲家リチャード・ロジャーズは、落ち着いた好青年風のトム・ドレイクが演じている。

    オールスター

     ロレンツ・ハートとリチャード・ロジャーズが売れていく間に発表したヒット曲が映画でも歌われ、ミュージカルが映画でも再現される。

     ミュージカル映画としての見どころはそういうところにあるわけである。

     この映画ではそれが、主演男優、主演女優級のスターによって歌われ、演じられている。

     多くのミュージカル映画では、主役が主に歌ったり踊ったりする。この映画では、客演スターたちがそれぞれ歌、踊りを披露しているのである。

     たとえばジューン・アリスンは、「Thou Swell」のミュージカル場面に出て来るだけである。主役2人との関係は描かれず、恋愛対象にもならない。

     当時のMGMのミュージカルスターによる豪華なミュージカル名場面集ということができる。

     シド・チャリースの超絶技巧の美しいバレエ、リナ・ホーンの歌など見どころは多い。

    ジュディ・ガーランド

     ジュディ・ガーランドはハリウッドのスター「ジュディ・ガーランド」として、2人の前に現れる。

     ジュディ・ガーランドが主役をしているところを見慣れたせいか、何か奇妙な感じがする。

     ジュディはミッキー・ルーニーとともに「I Wish I Were in Love Again」を歌い、それからひとりでで「Johnny One Note」を歌っている。

     ジュディ・ガーランドとミッキー・ルーニーは1939年にロレンツ・ハートとリチャード・ロジャーズのミュージカル「青春一座」(”Baby in Arms”)の映画版で共演していた。

     その映画では、ロジャーズ&ハートの楽曲で使っていないものがあった。それをこの映画で歌っているのである。

    https://cocoro-mi.com/babesinarms/

    ジーン・ケリー

     この映画に出て来るスターの中で特筆すべきはジーン・ケリーである。

     ジーン・ケリーはこの映画でヴェラ・エレンとともに「十番街の殺人」というバレエをやっている。

     「十番街の殺人」はこの映画の最高の見どころの一つである。

     ジーン・ケリーの代表作ということができるのではないか。

     「十番街の殺人」は、1936年の舞台「オン・ユア・トウズ」のフィナーレである。この作品によってロレンツ・ハートとリチャード・ロジャーズは、ミュージカルにドラマ性とバレエを取り入れるという変革を行ったと言われている。

     1953年の映画「バンド・ワゴン」の「ガール・ハント」の先駆けと思われる。

     ジーン・ケリーは、ロレンツ・ハートとリチャード・ロジャーズのコンビと深い関係があった。

     ジーン・ケリーが有名になったのは、ロレンツ・ハートとリチャード・ロジャーズの1940年のブロードウェイ・ミュージカル「パル・ジョイ」(Pal Joey)によってであった。

     ジーン・ケリーは、ロレンツ・ハートとリチャード・ロジャーズがミュージカルに取り入れたバレエをやるダンサーとして有名になったのである。

     ジーン・ケリーがこの映画で「十番街の殺人」をやったことにはそういう意味があるわけである。

     ジーン・ケリーがその後でスピーチをやっていることにもそういう意味があるわけである。

     「パル・ジョイ」は1957年に映画化されているが、MGMがジーン・ケリーをコロンビアに貸し出すことを拒んだ結果、フランク・シナトラが代わりにやっている。


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    後のこと

     ロレンツ・ハートは1943年に亡くなった。

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  • 戦史/紛争史研究家山崎雅弘氏、中国は日本の原子力発電所を攻撃すると語る

    戦史/紛争史研究家山崎雅弘氏、中国は日本の原子力発電所を攻撃すると語る

     2021年11月27日、戦史/紛争史研究家の山崎雅弘氏が気になることをツイートしていた。

     中国は日本の原子力発電所を攻撃するというのである。

     どうにも理解に苦しんだので、書いて置こうと思った。

    山崎雅弘氏のツイート

     私が理解に苦しんだ山崎雅弘氏のツイート↓

     山崎雅弘氏の言葉は、岸田首相が「敵基地攻撃能力」保有を排除せず検討すると述べたことに対して、発せられたものである。

     そこで山崎雅弘氏は、日本は「中国から目と鼻の先に、原発をぶら下げて」いて、日本中の原発を中国の攻撃から守ることはできない、「敵基地攻撃能力」を保有する意味はない、というのである。

     しかし中国は日本の原子力発電所を攻撃することができるゆえに、「敵基地攻撃能力」は意味がないというのはおかしくないか?

     第一に中国が日本の原子力発電所を攻撃すると考えていることはおかしくないか?

     たしかに日本の原子力発電所が攻撃されると日本に住む者は困る。

     しかし中国にとって得策であろうか?

     国際法的にも、国際倫理的にも、原子力発電所を攻撃することは、いいこととされない。

     戦術的にも問題がある。

     日本は「中国から目と鼻の先に、原発をぶら下げて」いるかもしれないが、中国も日本から「目と鼻の先に、原発をぶら下げて」いる。―中国は海の近くに多くの原子力発電所を建設している。

     それにもかかわらず、日本の原子力発電所を攻撃するであろうか?

     原子力発電所を攻撃することは、日本に住む者が困るだけでなく、中国にとっても困ったことになるのではないか?

     そのことによって、中国が日本を利用することが困難になるのみならず、中国にまで害が及ぶかもしれない。

     中国はいまだに日本の原発事故の影響を問題として日本に言ってきている。

     そういう国が自ら原発事故を起こすであろうか?

    山崎雅弘氏の返答

     山崎雅弘氏は、反論に対して次のように答えている。

     「現実の戦争を、戦争ゲームと同レベルで理解している幼い人」と評している。

     たしかに今の中国は、既存の国際秩序に対してただ従うものではない。

     しかし上に言ったように、中国にとっていろいろな意味でためにならないと思われることを、第一に中国がやることとして山崎雅弘氏が語ることは、「現実の戦争」を理解しているものということができるであろうか?

     山崎雅弘氏はそれに続くツイートでも中国が原発を攻撃しないというのは「非現実的思考」だと言っている。

     しかし上に述べた理由から、私は中国が日本の原発を攻撃するということの方が「非現実的思考」だと思う。

     山崎雅弘氏は、日本が報復しても日本の被害は消えないというが、日本が報復するゆえに中国はそういうことをしないということではないか?

    山崎雅弘氏の主張についての考察

     山崎雅弘氏は、日本は防衛に関して積極的なことをすべきではない、ということに、日本の原子力発電所に反対する考えを結びつけたのではないか、と思った。

     それゆえに「敵基地攻撃能力」を保有することに反対することと、中国が日本の原子力発電所を攻撃するということとが結びつけられているのではないか、と思った。

     しかし中国が日本の原子力発電所を攻撃するということは、どうにも理解に苦しむ。

  • オードリー・ヘプバーンの映画「パリの恋人」が出来るまで

    オードリー・ヘプバーンの映画「パリの恋人」が出来るまで

     映画「パリの恋人」は明るく華やかな映画である。

     映画「パリの恋人」は、その裏側でもネガティヴなことは少なかったようである。

     当時パリで降り続いた雨など、映画にとってよくないこともあった。

     しかし共演者、スタッフの間には創造的な関係があったようである。


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    「結婚の日」

     映画「パリの恋人」のもとになったのは、「結婚の日」(”Wedding Day”)という脚本であった。

      「結婚の日」 は、「パリの恋人」の脚本家レナード・ガーシュ( Leonard Gershe )が書いたものである。

     レナード・ガーシュは、親しくなっていた人気ファッション写真家リチャード・アヴェドン( Richard Avedon )をモデルにした。

     リチャード・アヴェドンは、ファッションモデルを発見して、育てて、結婚していた。そのことをもとにして「結婚の日」は作られたのである。

    https://en.wikipedia.org/wiki/Richard_Avedon

    MGM

     「結婚の日」はその後にMGMで映画化されることになった。

     そしてその写真家の役にミュージカル映画のスター、フレッド・アステアが考えられた。

     フレッド・アステアはカクテルパーティーで出会ったMGMのプロデューサー、ロジャー・イーデンスに「結婚の日」に出るように言われた。 (「フレッド・アステア自伝」、407頁)


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    ファニー・フェイス

     「結婚の日」の映画化の企画が進むうちに、タイトルが「ファニー・フェイス」( Funny Face )にかわった。(「パリの恋人」の原題は「ファニー・フェイス」)

     「ファニー・フェイス」とは、1927年にフレッド・アステアがブロードウェイでやっていた公演のタイトルである。

     新たに作る映画のタイトルを「ファニー・フェイス」にして、1927年の「ファニー・フェイス」から、話はとらず、ガーシュウィンの作った楽曲をとることにしたのである。

     ところで、当時「ファニー・フェイス」の権利を持っていたのはワーナー・ブラザーズであった。

     MGMはガーシュウィンの楽曲を映画に取り入れるために、ワーナーブラザーズから「ファニー・フェイス」の権利を買った。

    パラマウント

     フレッド・アステアの自伝によると、フレッド・アステアがMGMのプロデューサー、ロジャー・イーデンスに「結婚の日」に出るように言われた時に、オードリー・ヘプバーンも乗り気になっていた。

     ところが、当時オードリーと契約していたパラマウントは、オードリーをMGMに貸し出すことを受け入れなかった。

     パラマウントが映画「ファニー・フェイス」を製作することになった。

     そしてロジャー・イーデンスなど、MGMで映画を作っていた人も、パラマウントで働くことになった。

     この映画のBlu-rayに特典映像が入っていないのはそのことと関係があるのではないか?


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     DVDには、オリジナル劇場予告、フォトギャラリーの他に「パラマウントin1950’s」というのが入っている。

     「パラマウントin1950’s」というのはその名の通り1950年代のパラマウントの作品を紹介する10分足らずの映像であって、その中でオードリー・ヘプバーンの映画も紹介され(グレース・ケリーの映画も紹介され)、その中で「パリの恋人」も紹介されているというものである。


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    オードリー・ヘプバーン

     フレッド・アステアがロジャー・イーデンスに「結婚の日」に出るように言われた時には、オードリー・ヘプバーンが相手役になるという話になっていた。(「フレッド・アステア自伝」、407頁)

     オードリーは脚本を受け取ってすぐに出演を決めたと言われている。

     その時オードリーと結婚していたメル・ファラーは、その時のことについて次のように語ったという。

    「オードリーはふつう脚本を読んで検討するのに三日かかるところを」と、メルが語っている。「この脚本は二時間で読みおえてしまった。それからわたしが仕事をしていた部屋にとびこんできて叫んだ。『これよ! わたしはうまく歌えないけど、でも、ああ、フレッド・アステアと一緒にこの映画に出られさえしたら!』」

    「オードリー・ヘップバーン物語」上、264頁

    オードリー・ヘップバーン物語(上) (オードリー・ヘップバーン物語) (集英社文庫)

     その脚本はそれだけオードリーの気持ちにあっていたのである。

     オードリーにとって、フレッド・アステアと一緒にその映画に出ることは、それだけ望ましいことであった。

     オードリーはその前の映画「戦争と平和」で深刻な役をやって、その次には軽い作品がいいと考えていたとも言われている。


    戦争と平和 [Blu-ray]

     オードリーの母エラは「パリの恋人(ファニー・フェイス)」の脚本を読んで、脚本を書いたレナード・ガーシュに次のように言ったという。

    彼女を知らない人が書いたものだとは信じられなかったわ。彼女のあらゆる面がそこにあるじゃないの。ほんと、これこそオードリーよ。

    「オードリー・ヘプバーン物語」上、267頁

    オードリー・ヘップバーン物語(上) (オードリー・ヘップバーン物語) (集英社文庫)

     オードリーの母にとってオードリーそのものと思われるような脚本だったというのである。

     レナード・ガーシュも「ファニー・フェイス」のガーシュウィンの歌詞などオードリーにぴったりだと思ったという。

     「パリの恋人」は、オードリー・ヘプバーンにとって夢を叶えた作品であった。

     オードリーは幼いころからバレエを習っていたが、踊りによって世に出ることはできず、映画によって世に出ていた。

     「パリの恋人」でオードリーは、フレッド・アステアの相手役としてミュージカル映画で踊ることができたのである。

    フレッド・アステア

     フレッド・アステアが「パリの恋人」の企画に乗り気になったのは、オードリーが相手役になると聞いたからであった。

     フレッド・アステアは次のように語っている。

    偉大なる美しきオードリー・ヘプバーンと共演できるのは、これが唯一にして最後の機会であるかもしれない。この機会を逃したくはなかった。

    「フレッド・アステア自伝」、408頁

    フレッド・アステア自伝 Steps in Time

     フレッド・アステアもそれだけオードリー・ヘプバーンとこの映画で共演することを望んでいたのである。

    しあわせな作品

     オードリー・ヘプバーンはフレッド・アステアと共演することを望み、フレッド・アステアはオードリー・ヘプバーンと共演することを望んだ。

     映画が企画されてから、製作されるまで、MGMからパラマウントに移るなど、大変なことがあった。

     しかし2人が共演することを強く望んでいたゆえに、映画「パリの恋人」は出来た。

     そうして作られた映画「パリの恋人」は、しあわせな作品であった。

      フレッド・アステア は次のように言っている。

    この映画は何もかもが楽しかったので、終わるのがいやだとみんな思った。

    「フレッド・アステア自伝」、410頁

    フレッド・アステア自伝 Steps in Time

     オードリー・ヘプバーンとフレッド・アステアとはその後も敬愛し合っていた。


    パリの恋人 スペシャル・コレクターズ・エディション<デジタル・リマスター版> [DVD]
  • イエレン米財務長官、2021年のインフレ予測の誤りを認める

    イエレン米財務長官、2021年のインフレ予測の誤りを認める

     2022年5月31日、米国のイエレン財務長官はCNNのインタビューに対して、2021年にインフレを軽視していたことは誤りだったと認めた。

    CNN
    US treasury secretary: I was wrong about inflation in 2021 2022/06/01

    https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-05-31/yellen-says-i-was-wrong-last-year-on-the-path-of-us-inflation

     イエレン財務長官は、2021年にインフレは一時的なものにすぎず、対応することができると語っていた。

    2月、イエレン氏、インフレを軽視する

     2021年2月に、イエレン氏がインフレを軽く見ているという記事が出ている。

    https://www.foxbusiness.com/economy/yellen-inflation-biden-trillion-stimulus-bill

     イエレン氏は次のように語ったという。

    ・長年インフレについて研究してきて、インフレが起こった場合に対応することのできる手段を持っている。

    ・最大の危険は、現在直面している経済問題にある。景気刺激策が通れば、2022年には米国は完全雇用に戻る。

    “I’ve spent many years studying inflation and worrying about inflation, and I can tell you, we have the tools to deal with that risk if it materializes,” she continued. “But we face a huge economic challenge here and tremendous suffering in the country. We’ve got to address that. That’s the biggest risk.”
    Yellen said she expects the U.S. to return to “full employment” in 2022 if the stimulus package passes.

    Yellen downplays inflation fears amid Biden’s $1.9T stimulus bill

     この時には、イエレン氏はインフレのことを大した問題と考えていなかったようである。それより景気刺激策が重要だと考えていた。

    3月、イエレン氏、インフレのリスクは小さいという

     3月のABCでの発言でも、インフレのリスクは小さいと語っている。

    https://news.bloombergtax.com/daily-tax-report/yellen-says-u-s-inflation-risk-remains-small-manageable

     イエレン氏曰く。

    ・インフレのリスクは小さく、対応できる。

    ・価格の上昇は、新型コロナウイルスによって下がった価格が元に戻ることによることである。一時的な動きにすぎない。

    ・それは重大なリスクではない。

    “Is there a risk of inflation? I think there’s a small risk and I think it’s manageable,” Yellen said on ABC’s “This Week” on Sunday. Some prices that fell last year when the Covid-19 pandemic spread across the U.S. will recover, “but that’s a temporary movement in prices,” she said.
    “I don’t think it’s a significant risk,” said Yellen, a former Federal Reserve chair.

    Bloomberg Tax Yellen Says U.S. Inflation Risk Remains Small, ‘Manageable’ (1)

     この時にもイエレン氏は、インフレのリスクは大したことないと語っていた。

     価格上昇については、新型コロナウイルスのために下がった価格が元に戻ることによって起こることだと説明している。

    5月、イエレン氏、インフレは一時的だと予測

     5月、米国下院歳出委員会でイエレン氏は、インフレは一時的だという予測を語った。

    https://thehill.com/policy/finance/555799-yellen-expects-high-inflation-rates-to-be-temporary

     イエレン氏曰く。

    ・現在のインフレは一時的なものにすぎないであろう。

    ・インフレは数カ月続くであろう。今年末まで続くであろう。

    “My judgment right now is that the recent inflation that we have seen will be temporary. It’s not something that’s endemic,” Yellen said at a hearing held by a House Appropriations subcommittee. “I expect it to last, however, for several more months, and to see high annual rates of inflation through the end of this year.”

    THE HILL Yellen expects high inflation rates to be temporary

     この時にもインフレは一時的なものにすぎないと語っている。

     ただし、2月、3月のころにインフレは大したことないと語っていた時と比べると、それより長く続くと考えるようになったようである。

    6月、イエレン氏、今年インフレは前年比3%に達するという

     6月、インフレは今年中に進むが、新型コロナウイルスによる落ち込みの回復によるものだとイエレン氏は語る。

    https://www.washingtonpost.com/business/2021/06/05/yellen-3-percent-inflation/

     イエレン氏曰く。

    ・今年の間にインフレは進んで前年比3%あたりになるであろう。

    ・ただし一時的なものであると信ずる。

    “We have in recent months seen some inflation, and we — at least on a year-over-year basis — will continue, I believe through the rest of the year, to see higher inflation rates, maybe around 3 percent,” Yellen said following a meeting of Group of Seven finance ministers in London. “But I personally believe that this represents transitory factors.”

    The Washington Post Yellen says inflation could reach 3 percent this year as recovery continues

     FRBのパウエル議長等の考え。

     需要は回復しているが、供給が間に合っていないことに問題はある。その問題が解決されれば状況はよくなる。

    Powell and others have given a few reasons for why inflation is on the upswing and why the Fed isn’t worried about bringing it down too soon. Consumer demand for goods and services — from airline tickets to restaurant reservations — is rebounding as people unleash pent-up savings. Meanwhile, the supply side of the equation is taking longer to pick up. Those bottlenecks are expected to ease as factories ramp back up to full capacity and workers come back on the payrolls. But it won’t happen right away.

    The Washington Post Yellen says inflation could reach 3 percent this year as recovery continues

     イエレン氏はインフレがさらに進むことを認めている。

     しかしなお一時的なものだと考えている。

    10月、イエレン氏、インフレはなお数カ月続くという

     10月、インフレはなお数カ月高止まりするとイエレン氏は語る。

    https://www.cnbc.com/2021/10/05/yellen-sees-inflation-staying-higher-for-the-next-several-months.html

     イエレン氏曰く。

    ・インフレを起こしている供給の障害が進んでいる。

    ・インフレは一時的なものであるが、数カ月で終わるものではない。

    “Supply bottlenecks have developed that have caused inflation,” she said during a live “Squawk Box” interview. “I believe that they’re transitory, but that doesn’t mean they’ll go away over the next several months.”

    CNBC Yellen sees inflation staying higher for the next several months

     イエレン氏等が30年ぶりの、前年比3.6%のインフレを「一時的なもの」とよんでいることに対して、CNBCの記者も疑問を持っているようである。

     それに反対する経済学者の主張をとりあげている。

    Fed officials often use the word “transitory” to describe the current run that has inflation running at a 3.6% year-over-year rate, a 30-year high, according to their preferred gauge. Other measures of inflation, such as the consumer price index, are registering considerably higher, and some economists believe the central bank is understating the durability of inflation.

    CNBC Yellen sees inflation staying higher for the next several months

    11月、イエレン氏、経済対策によってインフレはおさまるという

     11月、イエレン氏は、1.75兆ドルの歳出法案によってインフレはおさまると語っている。

    https://www.cbsnews.com/news/spending-bill-social-climate-change-inflation-yellen/

     イエレン氏曰く。

    ・原因はパンデミックにある。ワクチンキャンペーンなどが成功して生活が正常にもどれば、インフレ率は2%近くに落ち着く。

    ・工場が閉鎖している中で需要が急騰したことによって供給の障害が生じている。

    ・バイデン政権の巨額の財政出動によって価格は下がる。

    “This is really because of the pandemic,” Yellen told Cordes of higher consumer prices when asked if inflation would decline next year, “and as we succeed in the vaccination campaign and other countries do as well and life goes back to normal, I truly believe that this will subside and Americans will see inflation rates much closer to the 2% that we want and they’re accustomed to.”
    The Treasury secretary said there has been a spike in demand for goods amid factory closures, which has led to supply bottlenecks. But Yellen said she believes provisions of a $1.75 trillion framework for Mr. Biden’s domestic policy package unveiled Thursday will also help drive prices down.

    CBSNEWS Yellen says “transformative” $1.75 trillion framework will help return Americans to workforce and drive inflation down

    まとめ

     2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻によってインフレは進んだが、その前からインフレは進んでいた。

     2021年はじめに、イエレン氏はインフレのリスクは大したことないと語っていたが、現実に合わせてインフレの予測を広げてかざるをえなくなった。

     しかしそれでも一時的なものだと語っていた。

     2022年5月31日、ついにイエレン氏は2021年の自身の予測が間違っていたことを認めた。

  • 「麗しのサブリナ」―ハンフリー・ボガートが悪かったのか?

    「麗しのサブリナ」―ハンフリー・ボガートが悪かったのか?

     1954年に公開された映画「麗しのサブリナ」(SABRINA)を作る時に、ハンフリー・ボガートが他の共演者、監督と対立していたと言われている。

     監督ビリー・ワイルダーの自伝でも、オードリー・ヘップバーンの伝記でも、ハンフリー・ボガートの人格に問題があったと言われている。

     ハンフリー・ボガートが悪かったのか?

     ハンフリー・ボガートの主張には理解できるところがある。

     そのことをもとにして「麗しのサブリナ」という映画の問題について考えてみようというのが私の考えである。


    麗しのサブリナ [Blu-ray]

    ハンフリー・ボガートが悪かったという人々

     ハンフリー・ボガートが悪かったという人々として、オードリー・ヘプバーンの伝記の筆者と、ビリー・ワイルダーとをとりあげる。

    オードリー・ヘプバーンの伝記

     オードリー・ヘプバーンの伝記では、ハンフリー・ボガートが悪かったと書かれている。

     ここではチャールズ・ハイアムの1984年の「オードリー・ヘプバーン 映画に燃えた華麗な人生」(The Life of Audrey Hepeburn by Charles Higham ) をとりあげよう。


    オードリー・ヘプバーン―映画に燃えた華麗な人生

     この伝記では、「『麗しのサブリナ』の抱えていた最大の難問は、ハンフリー・ボガートだった」と言われている。

     そして、ハンフリー・ボガートは「『カサブランカ』の余計なことは言わないクールそのもののリックと正反対の人物」であって「神経過敏でとげとげしく、どこか偏執狂的なところがあった」とか、「健康を害するほどに酒を飲み、オードリーが嫌いであることを隠そうともしなかった」とか、言われている。(「 オードリー・ヘプバーン 映画に燃えた華麗な人生」 、87頁)

     ハンフリー・ボガートの人格に問題があって、それゆえにオードリーなど他の共演者と対立したというのである。

    オードリー・ヘプバーン本人

     上に挙げたようなことを言っているのはオードリー・ヘプバーンの伝記の筆者であって、オードリー・ヘプバーン本人ではない。

    ビリー・ワイルダーの自伝

     ビリー・ワイルダーはハンフリー・ボガートと対立していた当人である。

    アルコール依存症

     ビリー・ワイルダーもハンフリー・ボガートのアルコール依存症を問題としている。

    のちにわかったことだが、彼はアルコール依存症で、遅くとも午後五時には化粧室に戻り、用意した酒をひと飲みしないではいられなかった。だから、午後の遅い時間になるとよく神経質になり、怒りっぽくなったり不機嫌になったりしていたのだ。

    「ビリー・ワイルダー自作自伝」、435~436頁

    ビリー・ワイルダー自作自伝

     ハンフリー・ボガートはアルコール依存症ゆえに周りの人と対立したというのである。

     ハンフリー・ボガートは「不慣れな役」に不安を感じていたとビリー・ワイルダーは言う。

    ずっとあとになってから、ボガートがあのときどんな苦痛を覚えていたかを知った。不慣れな役どころを与えられて、彼は自分が滑稽な演技をしているのではないかという不安を感じていた。

    「ビリー・ワイルダー自作自伝」、435頁

    ビリー・ワイルダー自作自伝

     「麗しのサブリナ」のライナスの役はもともとケーリー・グラントが演ずることになっていた。

     ところが撮影開始の一週間前に突然ケーリー・グラントが降りて、ハンフリー・ボガートがその代わりとされた、とDVDの特典映像では言われている。

     ハンフリー・ボガートとケーリー・グラントとは持っているものが違う。それまでやってきた役も違う。

     そのことによって生じる問題に、ビリー・ワイルダーが「ずっとあとになってから」気づいたというのは、ビリー・ワイルダーの方がおかしいのではないか?

    ストーリー

     ハンフリー・ボガートはビリー・ワイルダーに対する不満を次のように語ったと言われている。

    ワイルダーは、一緒に仕事をしたくないタイプの監督だ。手に鞭を持ち、重々しい口調で話すプロイセン的ドイツ人でね。脚本家としか話をせず、俳優なんていっさい相手にしない。映画がどんなふうに進んでいくのか、サブリナは最後には誰のものになるのか、私にはなんにも教えてもらえなかったんだから!

    「ビリー・ワイルダー自作自伝」、432頁

    ビリー・ワイルダー自作自伝

     ビリー・ワイルダーは「俳優なんていっさい相手にしない」ということは、上でビリー・ワイルダーがハンフリー・ボガートのことを思いやらなかったということと通ずることである。

     ビリー・ワイルダー、ウィリアム・ホールデン、オードリー・ヘプバーンがハンフリー・ボガート抜きで集まってマティーニを飲み談笑していたことに、ハンフリー・ボガートは不満であった。(「ビリー・ワイルダー自作自伝」、432、434頁)

     ビリー・ワイルダーにも問題があったのではないか?

     ハンフリー・ボガートは、ビリー・ワイルダーが俳優に「映画がどんなふうに進んでいくのか」、最後にどうなるのか、を教えなかったことを不満としていたと言われる。

    ボガートはたえず、先のストーリー展開を知りたがった。彼に見せることができたのは、前の晩に書き上げたばかりの二ページか三ページだけだったのだが、彼はさっと目を通してから(もちろん、スタッフの大勢いる前でのことだ)私に尋ねた。(中略)「これはお嬢さんが書いたのかい?」

    「ビリー・ワイルダー自作自伝」、434頁

    ビリー・ワイルダー自作自伝

     ビリー・ワイルダーはハンフリー・ボガートに先のストーリー展開を教えずに、「前の晩に書き上げたばかりの二ページか三ページだけ 」を見せていたことを明らかにしている。

     そのことに問題はなかったか?

    ストーリーの問題

    athree23によるPixabayからの画像

     ビリー・ワイルダーのストーリーの作り方に問題があったのではないか?

     ビリー・ワイルダーは後半のストーリーについて、ライナスは「キッチュな夢見る乙女をだまそうとして逆に虜になってしまう」と説明している。(「ビリー・ワイルダー自作自伝」、430頁)

     そのことに色々と問題があると思われる。

    ライナス

     まずハンフリー・ボガートが演じたライナスという人物の問題。

     ライナスはサブリナ(オードリー・ヘプバーン)を「だまそうとして」いた。

     ところが「逆に虜になってしまう」とビリー・ワイルダーは語る。

     しかしライナスは終盤まで、初めに考えていたようにサブリナを「だまそうとして」いるので、「逆に虜になってしまう」というところがよくわからない。

     「逆に虜になってしま」って、その気持ちが盛り上がって、それまで考えていたことを覆したようには見えないのである。

     それまで弟デーヴィッドを政略結婚させるために、デーヴィッドの心を奪っていたサブリナをだましてパリに追いやる計画を着実に進めていた人物が、突然それまでの計画を捨て去ってしまうという心の動きが十分に描かれていないと思うのである。

     そういうライナスを、デーヴィッドが後押しして、サブリナが受け入れる、ということもおかしいのではないか?

    サブリナ

     サブリナはそれまでライナスに対して好意を持っていたが、ライナスにだまされていたとわかっている。

     その間にライナスが「逆に虜になって」いても、そのことはライナスの中だけのことである。

     ライナスにだまされていたと思っているサブリナが再びライナスに対して好意を持つためには、越えなくてはならないことがあるのではないか?

    デーヴィッド

     デーヴィッドはサブリナと相思相愛の関係になっていたのに、ライナスによって傷つけられ、だまされて、サブリナを奪われている。

     デーヴィッドはライナスを一発殴っているが、それですむことであろうか?

     そしてライナスとサブリナをくっつけようとしているが、それでいいのであろうか?

    善悪

     デーヴィッドは働かずに遊んでいて、その女性関係で生じた損害をライナスに払わせてきた。

     それに対してライナスが家のためにデーヴィッドの意思を無視して政略結婚させようとしたことには言い分がある。

     しかしそれにしても、相思相愛のデーヴィッドとサブリナの関係を、それぞれをだますことによって引き裂いたことは、悪役のようである。

     今やまじめになったデーヴィッドが、ライナスの企みを見破って、サブリナを結ばれる、という話になってもよさそうである。

     ハンフリー・ボガートは、そういうことを考えていたのではないか?

    恋愛

     恋愛ものとしても物足りない。

     すでに言ったように、ライナスのサブリナに対する気持ちの盛り上がりが弱い。

     それに対するサブリナの気持ちの描き方も十分でない。

     ライナスは、デーヴィッドと正々堂々と戦って勝ったのではなく、だまして奪っているので、すっきりしない。

     それまでデーヴィッドのことばかり考えていたサブリナがどうしてデーヴィッドをおいて、ライナスに傾いてしまったのか?

     サブリナに心を奪われていたデーヴィッドがどうしてサブリナを奪い取ったライナスを簡単にサブリナとくっつけようと思うのか?

    その他

     その他にも、ライナスがサブリナをデーヴィッドから引き離すために、自らサブリナを誘惑する役を買ってでるのはおかしい。

     ケーリー・グラントであれば納得できたのであろうか?

     ライナスがサブリナを誘惑しておいて、サブリナを一人でパリへの船に追いやるということも、よくわからないことである。

     ライナスが突然、パリへの船に追いやったサブリナにデーヴィッドをくっつけようとすることも、相手の気持ちを思いやっていないようである。

     その後にデーヴィッドがライナスとサブリナをくっつけようとすることも、相手の気持ちを思いやっていないように見える。

    ビリー・ワイルダーの考え

     恐らくビリー・ワイルダーは終盤まで観客が結末を予測できないように作ったのであろう。

     ライナスの突然の改心まで、結末はわからない。

     そしてライナスの突然の改心で話がひっくり返されたかと思うと、デーヴィッドの突然の改心によってまたひっくり返される。

     最後はハッピーエンドらしく終わる。

     恋愛喜劇としてはそれでいいとも思う。

     しかしまた登場人物の気持ちが重んじられていないとも思う。

    私の主張

     「麗しのサブリナ」で最も心に残るのは、サブリナの変身した姿である。

     オードリー・ヘプバーンの若々しさとジバンシイの衣装とが相まって、心に残るものになっている。

     それまでサブリナに振り向きもしなかったデーヴィッドが、そういうサブリナに夢中になる話は面白い。

     ところがその面白いところを、ライナスが終わらせてしまう。

     ライナスがだましてサブリナがだまされるという話はそれほど面白くない。

     もっと面白くできたのではないか? と私は思うのである。

    ハンフリー・ボガートの風貌

     私はこの映画のハンフリー・ボガートが気になっていた。

     ハンフリー・ボガートは、もともと険しい顔立ちである。その上に年をとっていた。

     ハンフリー・ボガートは1899年生まれで、「麗しのサブリナ」の時には50代中頃になっていた。そして1957年には亡くなっている。

     オードリー・ヘプバーンは1929年生まれ。

     当時20代中頃の若々しいオードリー・ヘプバーンと合っていないようにも見える。


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    「麗しのサブリナ」でその他に気になること

    「麗しのサブリナ」 の料理教室

     サブリナがパリの料理学校に行くということから、「麗しのサブリナ」の話は動き出す。

     ただしサブリナがパリに行って帰ってきたということは、その後の話に大いに関係があるが、サブリナが料理学校に行ったということは、その後の話とあまり関係がない。

     終盤にライナスの部屋で料理をするというところで少し使われるくらいである。

     そうだとすると、料理学校の描写に時間をかけるより、男爵とのやりとりに時間をかけた方がよかったのではないか?

    「麗しのサブリナ」のパリ

     「麗しのサブリナ」ではパリが重要な土地とされている。

     ただし「麗しのサブリナ」での、パリの描き方は抽象的である。

     オードリー・ヘプバーンがこの前に出演した映画「ローマの休日」ではローマで撮影が行われた。この後に出演した「パリの恋人」ではパリで撮影が行われた。しかし「麗しのサブリナ」では、パリで撮影が行われていない。

     「バラ色の人生 la vie en rose 」の歌によって表現するというような抽象的な描き方になっている。

     サブリナがパリを天国のように言うことも抽象的である。


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  • 大統領選から1年、支持率が低下したバイデン政権

    大統領選から1年、支持率が低下したバイデン政権

     2021年11月7日、米国のジョー・バイデン大統領は、1年前の大統領選挙を思い起こすツイートを投稿した。

     1年前、バイデン氏は米国の歴史上最多の得票で大統領に選ばれた。

     それだけの国民の声を受けたことを思い起こして、バイデン氏はこれから一日一日、米国をよりよく立て直す「Build Back Better」というバイデン氏の政策をやっていくというのである。

     ところでそういうバイデン氏にとって好ましくない調査結果が明らかにされた。

    USAトゥデイの調査

     USAトゥデイが発表した調査結果は、バイデン政権にとって厳しいものであった。

    https://www.usatoday.com/story/news/politics/2021/11/07/biden-approval-falls-38-midterms-loom-usa-today-suffolk-poll/6320098001/

    支持率

     バイデン大統領に対して、支持は37.8%、不支持は59.0%。

     バイデン大統領は1年前に米国の歴史上最多の得票で大統領に選ばれたと言ったが、現在の支持率はこれだけ低くなっている。

     ハリス副大統領に対して、支持は27.8%、不支持は51.2%。

     ハリス副大統領も期待されていたが、支持率はこれだけ低くなってしまった。

     全体の46%がバイデン氏は 期待より悪い仕事をしていると回答している。1年前にバイデン氏に投票した人の16%がバイデン氏は期待より悪い仕事をしていると回答している。

    Nearly half of those surveyed, 46%, say Biden has done a worse job as president than they expected, including 16% of those who voted for him. Independents, by 7-1 (44%-6%), say he’s done worse, not better, than they expected.

    USA TODAY Gloomy landscape for Democrats in midterms as Biden’s approval drops to 38% in USA TODAY/Suffolk poll

     米国人の66%は米国が間違った道を進んできたという。20%は正しい道を進んできたという。

    Two-thirds of Americans (66%) say the country has gotten on the wrong track; one in five (20%) say it is headed in the right direction. That’s no better than the public’s uneasy view during the final weeks of the Trump administration.

    USA TODAY Gloomy landscape for Democrats in midterms as Biden’s approval drops to 38% in USA TODAY/Suffolk poll

    立て直し法案 Bild Back Better

     バイデン氏の政策のうち、インフラ法案は共和党員を含む多数によって支持された。

    The infrastructure bill, which passed Friday with some bipartisan support, is backed by 2-1 (61%-32%) among those surveyed. The supporters include a third of Republicans.

    USA TODAY Gloomy landscape for Democrats in midterms as Biden’s approval drops to 38% in USA TODAY/Suffolk poll

     しかし立て直し法案は米国民を分裂させている。

    Americans are closely divided on the “Build Back Better” act pressed by congressional Democrats. In the poll, 47% support the $1.85 trillion bill; 44% oppose it.

    USA TODAY Gloomy landscape for Democrats in midterms as Biden’s approval drops to 38% in USA TODAY/Suffolk poll

     バイデン氏は米国史上最多の投票を得たことを根拠として、立て直し政策を進めていくというが、その法案が米国民の間に対立を生んでいるというのである。

    次の大統領選挙

     2024年にまたバイデン氏が大統領に選ばれることを望むか、という質問に対して、望むと答えたのは29.1%、望まないと答えたのは63.7%であった。

     それに対してトランプ氏が選ばれることを望むと答えたのは35.6%、望まないと答えたのは58・4%であった。

     トランプ氏の方が優勢のようである。

     バイデン氏に投票した人の中で、50%はバイデン氏がまた大統領に選ばれることを望むと答えたが、39%が望まないと答えた。

     それに対して1年前にトランプ氏に投票した人の中では、65%がトランプ氏が大統領に選ばれることを望むと答え、26%が望まないと答えた。

    Among those who voted for Biden last year, almost 4 in 10, 39%, say they hope he doesn’t run for another term; 50% hope he will run. Among those who voted for Trump last year, 1 in 4, 26%, hope he won’t run again; 65% hope he will.

    USA TODAY Gloomy landscape for Democrats in midterms as Biden’s approval drops to 38% in USA TODAY/Suffolk poll

     大統領選挙が今日バイデン氏とトランプ氏の間で行われたとすると、44%がトランプ氏に投票すると言い、40%がバイデン氏に投票すると言ったという。

    If the presidential election were today between Biden and Trump, 44% say they would vote for Trump, 40% for Biden, 11% for an unnamed third-party candidate. In the election last year, Biden beat Trump 54%-47%.

    USA TODAY Gloomy landscape for Democrats in midterms as Biden’s approval drops to 38% in USA TODAY/Suffolk poll

    NBCの調査

     民主党寄りといわれるNBCの調査結果も厳しいものであった。

    https://www.nbcnews.com/politics/meet-the-press/biden-s-job-rating-sinks-42-percent-nbc-news-poll-n1282781

    支持率

     バイデン大統領に対して、支持は42%、不支持率は54%。

    In the poll, 42 percent of adults say they approve of Biden’s overall job as president — a decline of 7 points since August, with much of the attrition coming from key parts of the Democratic base.
    That’s compared to 54 percent who say they disapprove of the president’s job, which is up 6 points since August.

    NBCnews Biden’s job rating sinks to 42 percent in NBC News poll a year from midterms

     USAトゥデイの37.8%よりは高い。

     しかしトランプ氏を除くと歴史上最低の支持率だということは同じ。

    Using Gallup’s historical data, Biden’s approval rating in this poll (42 percent) is lower than any other modern first-year president’s at a similar point in time, with the key exception of Donald Trump (whose approval averaged 37 percent in fall 2017).

    NBCnews Biden’s job rating sinks to 42 percent in NBC News poll a year from midterms

     4月には53%であった支持率は、8月には49%、10月には42%と下がってきている。

     4月には39%であった不支持率は、8月には48%、10月には54%と上がってきている。

     逆転するに至っている。

    間違った方向

     NBCの調査では、国が間違った方向をとってきたと答えた人は71%である。USAトゥデイの66%より多い。

     共和党の93%がそう答えているのみならず、民主党の48%もそう答えている。無党派の70%もそう答えている。

    Also in the NBC News poll, 71 percent of Americans say they believe the country is headed in the wrong direction, up 8 points since August.
    That includes 93 percent of Republicans, 70 of independents and even 48 percent of Democrats.

    NBCnews Biden’s job rating sinks to 42 percent in NBC News poll a year from midterms

     次のようなことが調査に影響しているという。

    ・新型コロナウイルスの感染者、死者の急増

    ・アフガニスタンからの撤退の混乱

    ・インフレーション

    ・不十分な雇用

    ・バイデン大統領の法案をめぐる民主党の内紛

    The NBC News poll comes after a rough summer and early fall for the first-year president, as he’s faced a new surge of coronavirus cases and deaths, fallout from the chaotic U.S. withdrawal from Afghanistan, rising inflation, disappointing jobs numbers and Democratic infighting over Biden’s legislative agenda.

    NBCnews Biden’s job rating sinks to 42 percent in NBC News poll a year from midterms

     その中で、新型コロナウイルスに対する対応に関しては、バイデン政権は51%の支持を得ているようであるが、経済政策に関しては、40%の支持しかないようである。

    The poll finds 40 percent of Americans approving the president’s handling of the economy (down 7 points since August), and 51 percent approving of his handling of the coronavirus (down 2 points).

    NBCnews Biden’s job rating sinks to 42 percent in NBC News poll a year from midterms

     困ったことに、バイデン氏について有能だという人は37%しかおらず、50%が低く評価している。

     国家を統合するということに関して、バイデン氏を高く評価している人は28%しかおらず、51%が低く評価している。

    Maybe even more troubling for Biden, just 37 percent of adults give him high marks — on a 5-point scale — for being competent and effective as president, and only 28 percent give him high marks for uniting the country.
    By contrast, 50 percent give him low scores for being competent, and 51 percent give him low scores for uniting the country.

    NBCnews Biden’s job rating sinks to 42 percent in NBC News poll a year from midterms

    2022年の中間選挙

     2022年の中間選挙で、47%が民主党優勢の議会を望み、45%が共和党優勢を望むという。

    Looking ahead to 2022 midterm elections, which will take place a year from now, 47 percent of registered voters say they prefer a Democratic-controlled Congress, while 45 percent say they want Republicans in charge — essentially unchanged from August.

    NBCnews Biden’s job rating sinks to 42 percent in NBC News poll a year from midterms

     それぞれの党がよりよくこなすと思われていること。

    共和党

    ・国境の安全

    ・インフレーション

    ・犯罪

    ・国家安全保障

    ・経済

    ・実行

    民主党

    ・中絶

    ・新型コロナウイルス

    ・気候変動

    When asked which party better handles particular issues, Republicans hold double-digit advantages on border security (by 27 points), inflation (24 points), crime (22 points), national security (21 points), the economy (18 points) and being effective and getting things done (13 points).
    By contrast, Democrats hold double-digit edges on abortion (by 10 points), the coronavirus (12 points) and climate change (24 points), but all of those advantages are smaller than those the party enjoyed during the 2020 election.

    NBCnews Biden’s job rating sinks to 42 percent in NBC News poll a year from midterms

    むすび

     2021年1月のバイデン氏の大統領就任演説は、多くの人に絶賛されていた。

    https://www.whitehouse.gov/briefing-room/speeches-remarks/2021/01/20/inaugural-address-by-president-joseph-r-biden-jr/

     しかしその時にバイデン氏はまだ何もしていなかった。

     トランプ前大統領は2020年の大統領選挙の時にバイデン氏を、言うだけで行わない人と評していた。(”You’re all talk and no action”)

     バイデン氏がまだ何もしていないのに演説だけで称賛されている光景を見て、私はその言葉を思い出した。

     大統領就任演説から9カ月、バイデン政権の行いを見て、多くの人が期待外れだったと言っている。間違った方向をとってきたと言っている。

     バイデン氏の大統領就任演説で特に称賛されたのは「団結 Unity 」ということであった。

     バイデン氏の思いはアメリカを一つにすることにあるというのである。

    Today, on this January day, my whole soul is in this:
    Bringing America together.
    Uniting our people.
    And uniting our nation.

    Inaugural Address by President Joseph R. Biden, Jr.
    January 20, 2021 • Speeches and Remarks

     ところが上にとりあげたNBCの調査によると、 団結するということに関して、バイデン氏を高く評価している人は28%しかおらず、51%が低く評価している。

     そもそもバイデン氏の「団結 Unity 」とは、大統領選で多くの票を得たトランプ氏を排除するものであったが、このごろは民主党をまとめることもできないと言われている。

     政治家は行いによって評価されるものである。

     ところが言葉を行いと切り離して持ち上げる反知性主義が流行っている。

     ニューヨーク州知事であったクオモ氏がその行いから切り離された言葉によって称賛されていたことはその代表的なものである。

    https://www.asahi.com/articles/ASP8V2TTMP8VUHBI003.html

     バイデン氏はクオモ氏以上にその言葉が行いから切り離されて持ち上げられた人であった。

     人類はそういう反知性主義から知性に向かって進まなくてはならない。

     バイデン氏はこれから行いによって現在の調査結果を覆すことができるであろうか?

     我等は知性に従おう。